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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(413)

第六章 「血と技」(413)

「……ところでこちらの狩野君……」
 沙織は香也の方に顔を向ける、
「君は……かなり早い時期から、荒野君たちの正体とか、知っていたんだよね?」
 荒野や茅に突っ込んだ質問を弾かれて好奇心を満足させることができず、今度は矛先を香也の方に向けてきた……らしかった。
「……んー……」
 香也は少しの間思い返して、答える。
「……そう」
 別に、そう遠い昔のことでもない。
 香也は、楓が自分のうちに住むようになった日から、荒野や楓たちの正体についても説明されている。
 香也が沙織と大きく違うのは、そうした「正体」について、深く詮索する意欲を持たず、「そういうものか」と思ってそれで終わってしまったことだった。
 香也にとって、自分の身の回りにあることは、すべて「そういうもの」だけで構成されており、改めて好奇心を持ったり疑問に思ったり……ということが、ない。
「狩野君は……」
 まさにその部分を、沙織は突いてきた。
「……そういうことに、まったく興味を持たなかったの?
 疑問に思わなかったの?」
「……ん……」
 香也は……答えは決まっているのだが、一応、考える振りくらいはしておく。沙織が、「疑問に思うのが当然」という態度をとっているからだ。
「……全然」
 香也、ふるふると首を横に振った。
「正体がなんだろうと……楓ちゃんは、楓ちゃんだし……他のみんなも、そう……」
「……あっ……」
 沙織が、目を丸くする。
 香也の、シンプルすぎる回答に、虚をつかれた顔をしていた。
「……そっか。
 そういう人なのか、君は……。
 そうだね、絵を描いている人だし……目の前にあることがすなわち本質……という理解をするんだ……」
 もちろん、そうした発想を、沙織自身は採用していない。沙織がみる世界は、もっと重層的で、知れば知るほど隠れた面が露わになる、複雑さを持っていた。
 香也にとっては、「目の前にあるもの=目に見えるもの」がすべてで、それ以外の現実など……香也の視界に入らない限り、ないも同じ……なのだ。
 だから、楓や荒野の過去や素性も、過剰に詮索する意欲を持たない……。
 ある意味、香也の感じている「現実」と沙織の感じている「現実」とは、対局をなしている、といえたが……沙織は、すぐに香也の目に見える世界像を把握し、納得した。
「やっぱり君、見かけ以上に面白い子ね……」
 そういって、沙織は香也に笑いかける。
 香也の方にしてみれば……たったあれだけの短い問答で、沙織が香也の何を理解し、どう「面白い」と思ったのか、まるで理解でていないわけだが……。
「……んー……」
 香也は、あっさりと頷いた。
「……そう」
 他人の話しや意図がうまく理解できない……ということは、別に沙織が相手でなくとも、香也にしてみれば、日常茶飯事なわけで……見事に、香也はまるで気にかけていなかった。
 まるで……異種格闘技だな……と、それら、一連の会話を見ていた荒野は思った。
 荒野には……香也と沙織、両方の思惑が、なんとなくではあるにせよ、うっすらと想像できる。
 噛み合っているようで、噛み合っていない。けど、通じているといえば、通じている。
 それは主に、沙織の側の想像力に依るところが大きいわけだが……面白い会話だ、と、荒野は思った。
 やはり沙織は、むやみに好奇心ばかりが肥大している玉川や、データを収集し分析する一方の徳川とは違ったアプローチをする。例えていうのなら、一を聞いて十を知るタイプで、理解するが早いし、深い。
 単純に記憶力とかだけではなく……やはり沙織は、頭がいい……と、荒野は評価する。その、「人間らしい」想像力も含めて。
 しかし、この時点では……沙織が、自分の意志で積極的に自分たちに関わってくることが、どのような影響や波及効果をもたらすのか……荒野には、まるで想像できなかった。

 そんな会話が交わされた休憩も終わると、祖父の源吉と一緒にビデオアーカイブを鑑賞していた沙織が、荒野と香也の学習指導へと復帰してきた。
「もういいんですか? あちらは?」
 荒野が、沙織に確認する。
「満足したわけではないけど、量が膨大すぎて……」
 沙織は、軽く首を振って答えた。
「……残りは、サーバにパスを通す方法を教えて貰って、後でじっくり観させていただくわ。
 それでいいわよね、茅ちゃん?」
「それで、いいの」
 茅は、こくんと頷く。
「その方が、効率的」
 茅はそのまま源吉の方に移動し、昨日までの作業……その具体的な内容までは、荒野は知らなかった……を続ける準備を開始する。とはいえ、ノートパソコンの位置を使いやすいように調整し、ハードコピーの資料を持ってくるだけだったが。
「……さて、こちらはこちらで、しっかりと続けましょう……」
 沙織はそういって荒野と香也に対し、早口で問題を出していく。沙織もこの頃には荒野と香也、二人の理解深度をかなり詳細に把握していたので、正確に「二人が答えられないであろう」問題を出題してくる。
 案の定、荒野と香也は答えに詰まるわけだが、しばらく考えさせた後、沙織は、どこで詰まっているのか、どこを理解していないのか……丁寧に、説明していく。
 それから、
「ここまでが理解できれば、ここからここまでの問題も解けるから……」
 と、教科書や問題集のページを指定して、解かせる。
 そこで間違うようなら、またどこで引っかかっているのか調べて、確実に弱点をなくしていった。
 教える内容をすべて記憶している、ということ以外にも、生徒一人一人の理解度を把握し、確実に難点を克服させていく、という根気のいる作業を投げ出さずに完遂する、という精神的な面でも、沙織は教師役として適格だった。少なくとも荒野には、「とにかく生徒に考えさせ、やらせる」ことを重視する沙織の方法は、それなりに理にかなっているように思えた。
 荒野や香也の方にしても、それまでにある程度の素地が出来ていたので、根気よく弱点を見つけては潰していく……という沙織の方法は、短時間で試験の点数を上げる、という目的においては、それなりに効果的だと思えた。



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