第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(152)
結局、二人が折り重なって動かなくなるまで、それからかなりの時間を必要とした。香也はぜはぜはと荒い息をついている。孫子は満足そうな微笑みを浮かべてぐったりとしている。
二人とも、汗まみれだった。
やがて孫子が疲れはてて動けない香也の股間に手を伸ばして、ついたままだった避妊具をはずす。器用にその根本を縛ると、ティッュにくるんで自分の掌に乗せて、重みをはかるように揺すりながら、
「こんなに……たくさん……。
二回目でしたのに……」
とかいって、何とも満足そうな、凄みを感じさせる笑みを浮かべた。そうした孫子の笑みを向けられた香也は、なんとも複雑な心境になる。
香也が何か返事をする以前に、孫子はてきぱきとした動きで脱ぎ散らかした衣服を集めて身繕いをし、ティッシュをとって香也の陽物を丁寧に拭きはじめた。孫子の手で拭われている香也のソレは、半ば力を失ってだらんとしていたが、孫子が触っているうちに、少しづつ力を取り戻してくる。
「……あら……また……」
孫子は、くすくすと笑った。
「香也様は……まだ……足りないのですか?」
香也はぶんぶんと首を横に振る。
その香也の首に腕を回し、また孫子が抱きついてきた。
「わたくしは……まだまだ、足りない気分なのですけど……」
孫子はそういって香也の片手を掴み、自分のスカートの中に導く。
「……ほら……まだこんなに……濡れてきていて……。
んんっ!」
孫子は、濡れてしまっためだろう。スカートの中に下着を身につけていなかった。
「最近では……はたしない話しですけど……香也様のことを考えるだけでこんなになってしまって……」
孫子に導かれた香也の指が、孫子の陰毛をかき分けて秘処を撫でていく。湿っている……を通り越して、孫子のそこから水分がじっくりと滲みだしていく様子が、香也の指に伝わってくる。
孫子はすぐに我慢ができなくなったのか、香也に覆い被さってきて、香也の口唇を求めてきた。
孫子は舌で香也の口の中を蹂躙しながら、香也の指で自分の敏感な部分を刺激し、かなり性急に再度昇り詰めていく。
一度絶頂した直後だったので、いっそう敏感になっていたのかもしれないが……孫子は、五分もしないうちに全員をビクビクと震わせて、そのまま香也の上に体を投げ出した。
「……お風呂に入ったのに……また、汗……かいちゃいました……」
しばらくぐったりとした後、香也に密着したままの孫子は、香也の耳元で囁く。
「わたくし……香也様のおそばにいると……どんどん、淫らな子になっちゃいます……」
そういってから孫子は、香也の身体から離れて立ち上がる。
「……今夜はもう、これ下がりますわ。
なんだか……香也様と二人きりでいると、欲望に際限がなくなってきて……怖い、ですし……」
「……ちょ、ちょっと……」
みょうにすっきりとした顔をして、部屋から出ようとする孫子を、香也は呼び止めた。
「あ、あれも……持ち帰って……」
香也は、畳の上に丸まっている孫子の下着を指さす。
「……香也様は……ああいうのがお嫌いですか?
一般的に、男性は……そういうフェチェッシュなこだわりがあると聞きましたけど……。
人によっては、ああいうもののために軽犯罪まで犯すといいますしに……」
ようするに、香也が孫子の下着を使ってよからぬ楽しみに耽る……ために、故意に置いていったらしい。
「……んー……」
香也は、どうやら男性の性欲というものにたいして根本的な誤解があるらしい孫子に対して、慎重に言葉を選ぶ。
「そういうのが好きな人もいるかもしれないけど……ぼくは、そうじゃないから……。
ついでに、これも……持ち帰ってくれると、うれしい……」
そういってごそごそと上着のポケットを探った香也は、夕方拾って、そのままポケットの中につっこんでいた、丸まった布切れを、孫子に手渡す。
正直……こんなものを渡されても、扱いに困るのだった。
「……そう……ですか……」
なぜか、いかにも残念そうな表情をした孫子が、しぶしに、といった感じで香也から自分の下着を受け取る。
香也から布切れを受け取る際、孫子は香也の耳元に口を寄せて、
「……欲しくなったら、いつでもお声をかけてくださいね……」
と囁くのを忘れなかった。
「……ふう……」
孫子が部屋を出たのを確認してから、香也はのろのろと立ち上がり、下着とスウェットの下を身につけはじめる。完全に、孫子のペースにはめられていたな……と思い、それから……別に、今にはじまったことではないか……と、思い直す。
相手が孫子でなくとも、いつも香也は、振り回される側だった……ような、気がした。
なんというか……このまま流されるまま、ではいけない……というか……もう少し、主体性と自分の意志を持っていかなくては、いけないような気もする……。
このまま、ずるずると今の状態を続けていたら……自分の身体が保たないのではないか……と、香也は思った。
それから香也は、あることに気づいて愕然とする。
今週の期末試験が終わったら……また終業式は残っているものの、学校は試験休みと春休み、という長期休暇に入る。その間、香也の身体と時間は、今まで以上に空くわけで……。
その間、同居している少女たちに今までと同じように構われていたら……まず間違いなく、香也の身は保たない。
……何らかの口実を作って、家から出る時間を多くするしかないかな……と、香也は思った。
翌朝、昨夜はあれほどご機嫌になって別れた孫子が、目に見えて不機嫌そうにしていた。それはもう、誰の目にもはっきりとわかるほどで、三人娘などは朝食のときから、少し警戒をしている。
……いったい、どうしてだろう……と、香也は不思議に思ったものだったが、孫子の視線が頻繁に……隣に座っている自分を通り越して楓に突き刺さっていることに気づき、「ああ。そういうことか」と納得する。
今日の「香也のお世話当番」は、楓だった。
一昨日、日曜日の件もあり、孫子は楓を最大の障害と見なしているようで……でも、楓の方はというと、孫子が楓を気にするほどには、孫子の存在を気にかけているようには、見えない。
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