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彼女はくノ一! 第六話 (148)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(148)

「正直、今の時点で……香也様にこのようなお話をするのが適切であるのかどうか……かなり、悩みました」
 孫子は、まっすぐに香也の目をみながら、いった。
「ですけれど……万が一、間違いが起こったときのことを考えると……はやり、なるべく早い時期に香也様のお耳に入れておいた方がいい、と思いまして……」
 万が一……とは、香也自身か、香也に近い人々かが、何らかの被害を被ったとき……ということなのだろう。
 孫子は……いや、孫子に限らず、荒野や楓、テン、ガク、ノリやその他、香也があまり知らないような大勢の人たちが、その「万が一」を起こさないよう、尽力してくれている……ということは、香也も理解はしている。
 つまり、孫子は……それだけ大勢の人が動いていても、被害者がでるおそれがある……それも、香也が選択的に狙われる可能性が高い……と、そういっているのだった。
「……んー……」
 香也は、考える。
 正直……さきほど孫子にもいったとおり、自分がつけ狙われるほどのVIPだとも思えないのだが……香也自身の判断よりは、孫子の判断のほうが、まだしも信頼できるのだった。
「……わかった」
 結局、香也は短くそう答えただけだった。
 この手のことについて、香也が出来ることはなにもない。孫子が覚悟を決めろ、というのなら、その通りにするまでだ……というのが、このときの香也の思考である。
 もとより、香也は自分自身存在を、さほどたいしたものだとは思っていない。それこそ、なにかの拍子に突然いなくなったとしても、香也の身の回りの人たちは悲しむであろうが……香也自身は、自分自身にさして価値を認めていないのであった。
 いきなり「誰かが自分に危害を加えようとしている」と聞かされても、「……できるだけ痛くしてくれないといいな」とか思うのが、香也の想像力の限界であった。もちろん、以上の結論は、あくまで香也が真面目に検討した末に導きだされたイメージである。
 孫子は、まさか香也がそこまで貧弱な想像力しか持ち合わせていないと思うわけもなく、香也の短い肯定を、言葉のままに受け止めて、太い安堵のため息をついた。
 孫子にしてみても、香也にこのようなことをわざわざ告げるのは、それなりに気疲れを感じる仕事なのだ。
 なのに、わざわざ孫子がこのような注進に及んだのは……。
『……あの子たちは……』
 楓や三人娘は、まだまだ視野が狭く……孫子のように、少し先のことまで見通すタイプの想像力は、持ち合わせていない。荒野や茅はそれなりに先を見通せる資質を持ち合わせているはずだったが、今の時点では一族関係の内部調整に手いっぱいで、香也の身の安全にまで気を使うほどの余裕はない。
 戦術的な思考をするように教育され、ある程度大局を見通す資質があり、なおかつ、香也の身の安全にまで神経を払う余裕があるのは……結局、除去法で条件を限定していけば……孫子だけになるのであった。
『……それに……』
 一応……この家の居候の中で、先住の羽生を除けば、孫子が年長でもある。
 損な役回りだな……と思いつつ、孫子としては、この先、香也の安全を確保するために、香也の協力を仰がなければならない局面も、でてくるはずであり……避けて通れないのなら、その「嫌な仕事」するのは、自分の役目だろう……と、孫子はそのように考え、その通りに行動する。
 良くも悪くも、冷静沈着な判断力を持ち、リスクを承知で成すべき事を成すのが、孫子という少女のひととなりなのであった。
「それで……先週からの、当番制なの?」
 孫子がざっとそのような思考をもてあそんでいると、香也が、いきなりそんなことを訊いてくる。
「……え?」
 孫子は一瞬、返答をするのが遅れた。
「そ、そう。その通りですわ。
 みんなで順番に香也様の身辺をお護りしようと……く、詳しい打ち合わせをしたわけではないですけど、ええ、みな、いわずともそれなりの危機感は持っているはずですし……」
 もちろん、先週、当番制がはじまった当初はそんな思惑なぞあるわけもなく、ただ単に香也を取り合った結果なのだが……そんなことを正直に香也に告げることができるわけもない。
 孫子の口調が若干焦り気味になっているのに、基本的に他人の心情や心理を察するのことが苦手な香也は、孫子の内心の焦りにはまるで気づいていない。
「つ、ままりですわね……」
 孫子は、身を乗り出して香也の手をとった。
「あ、あの……わ、わたくしもいろいろと頑張っているわけですから……その、もう少し、ね、ねぎらいろ、というか……」
「……んー……」
 香也は首を傾げる。
「……ねぎらい?」
「え、ええ。そうです。
 ねぎらい!」
 孫子はぶんぶんと握っていた香也の手を勢いよく振る。
「わたくしたちだけ、ではなくて、ですね。
 こ、香也様もお勉強の方を、頑張っていらっしゃるから……ですね。ねぎらい。ご褒美を、ですね。
 この辺でお互いに……」
 話しているうちに、孫子の頬が上気してくる。
 孫子はどんどん前のめりになっていき、すぐに香也の顔と孫子の顔とは、今にもくっつきそうな至近距離になる。
「……その……わたくし……ですね……」
 香也からみても、もう孫子の顔のすべてが見渡せないほどに近づいている。香也の視界には、潤んだ孫子の目の周辺がかろうじて入っている……というくらいの至近距離になっている。
「さきほど、お風呂場で、香也様にとっても気持ちよくしていただきました!」
 至近距離の孫子の顔が、いきなり元気よくそんなことをいいだしたので、香也は肩を振るわせて後ずさろうとした。が、孫子は香也の両手をがっしりと握ったまま放さない。
「今度は……わたくしの番、ですわよね……」
 輝くような笑顔で孫子はなんかとんでもないことをいいだす。
「い、いや……。
 そ、そういうのは、あんまり……気にしなくてもいいから……」
 香也は弱々しくいって、孫子から出来るだけ遠ざかろうとするが、それを許す孫子ではない。
「そう、遠慮なさらずに……」
 香也は、孫子が舌なめずりでもしているのではないか……と、そんな錯覚さえ、した。
「わたくし……香也様のために、殿方が喜ぶ方法を、いろいろ予習してきたんですよ」


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