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「髪長姫は最後に笑う。」 第六章(393)

第六章 「血と技」(393)

 そうなると……イザベラが周囲に侍らせている屈強の男たち、というのも……イザベラ個人が、対実家対策に雇っている可能性が、強い。
「とりあえず、ややこしそうだから……あいつの家の問題には、不干渉でいこう……」
 荒野は、淡々とした口調で、そういう。
 好んで、今以上に問題を抱えなければならない理由は、荒野にはなかった。
「そうね。
 こちらから連絡した時も、こちらが情報を得ようとしているよりも、向こうがこちらの情報を欲しがっているような有様で、ほとんど進展がなかったし……」
 シルヴィは、荒野の言葉に肯く。
 ということは……以上の事柄は、シルヴィがイザベラの実家とは別ルートで、独自に調査したことなのだろう。
 イザベラの背景が意外に複雑であることは、理解できたが……。
「……それは……ホン・ファやユイ・リィとは、合わないだろうなぁ……」
 とりあえず、荒野は、当たり障りのない内容をコメントしておく。
 続いて、
「でも、そんなの相談されても……悪いけど、おれには、対応策、思いつかない」
 とも、いっておく。
「おれに人生相談されてもな」と、荒野は思っている。
 はっきりいって、柄ではないし、適任とも思わない。同じ年頃の少女たちが相手ということなら、なおさらだ。
「だよねー……」
 シルヴィも、ため息混じりにそう応じる。
「ま、いいわ。
 どうせ、一石一夕に解決する問題でもないし……。
 今の時点では、とりあえずそーゆーことって情報さえ、コウの頭の中に入れてもらえれば……」
 まあ、そんなところだろうな、と、荒野は思う。
「イザベラの実家の人たちが、あいつを連れ戻してくれるのが、一番楽な展開なんだけどな……」
 荒野の、本音だった。
 荒野にとってイザベラは、予測不明なファクターでしかない。イザベラが原因でなんらかのトラブルを起こす前に、このまま静かに退場……してもらう、という展開が、荒野にとって一番好ましいものだった。
「……それも、望み薄ねー……」
 シルヴィの返答は素っ気ないものだった。
「それとなく探ってみたけど……あの子の両親、どちらもあの子にあまり関心を持っていないみたいだし……。
 少なくとも、今すぐ連れ戻そうって動きはないみたい……」
「無関心、か……」
 荒野は、親子関係とか、そっち方面の感覚がイマイチ、よくわからない。
「実の親子だろうに……」
「あの……ちょっと、いいかな?」
 それまで黙って荒野たちのやりとりを聞いていた沙織が、ここで控えめに口を挟んでくる。
「よかったら……なんだけど……わたしに、その子、紹介してくれないかな?」
「……え?」
 荒野の目が、点になった。
「あ。いや……もちろん、悪いってことではないですけど……その……なんで、先輩が……まったく関係ないのに……」
 荒野にしてみれば、とにかく「意外」、であった。
「家庭環境が悪くて、っていうあたり、なんか、他人事とは思えないし……。
 その子、日本語での会話は大丈夫なんでしょ?」
「会話は、問題ないと思うけど……」
 珍しく狼狽して、荒野はあたふたと左右を見回す。
「か、茅……どう思う?」
 結局、茅に振った。
「構わないと思うの」
 茅は、即答する。
「護衛が必要と思うのなら、双子あたりを命じればいいだけだし」
「そのおりには、わたしもそれとなく見張っておきましょう」
 源吉も、澄ました顔でいい添える。
「コウも心配性ねぇ……」
 シルヴィは、ため息混じりに感想を漏らした。
「速攻性の解決策がない以上、こっちとしては、あの赤毛に同年輩の話し相手が出来ることは、歓迎なんだけど……」
 シルヴィは、沙織の申し出を、その程度のものだと思っている。
「ま、いいんじゃないの?
 こっちでオトモダチでも出来れば、あの子ももう少し落ち着くでしょうし……」
「……そういう問題、なのかなぁ……」
 荒野は、シルヴィのコメントに軽く首を傾げた。
「そういう問題よ」
 シルヴィは即答する。
「周りは無関心。お金や人を雇う知恵はある。身体能力その他は、一般人を軽く上回っている。
 だけど……自由と、対等な話し相手がいない。オトモダチがいない。
 だから、ここに逃げてきた。
 でも、こっちでもなかなかきっかけがなくて、周囲ととけ込めていない。
 だから、当たりやすいところにストレスをぶつけている」
 ……あの子の問題は、その程度のことよ……と、シルヴィはつぶやく。
「……有り余る資質を持ちながら、それをどう使っていいのかわからない、っていう悩み……コウにも心当たりあるでしょ?」
 最後にそう、付け加えもした。

 自宅で昼食を摂った香也は、勉強道具を携えて、荒野のマンションへと向かう。エントランスの解除番号は教えられているので、そのまま中に入り、エレベーターに乗る。共用廊下を歩いていくと、荒野たちの部屋の前に、でん、と白い犬が座り込んでいた。
「……んー……」
 あ。あの人、来ているのか。
 と、香也は静流の顔を思い浮かべ、白い犬がおとなしいのをいいことに、かがみ込んでもふもふとその毛皮を触りまくる。白い犬は、はっ、はっ、はっ、と息をつくだけで、大きな反応は示さなかったが、なんとなく、そうやって構われることを、喜んでいるような気がした。
 ひとしきりもふもふして満足した後、香也はインターフォンを押す。
 がちゃり、と、扉が開くと、静流とシルヴィの二人が、靴を履いて出てくるところだった。
「……んー……」
 香也は軽く頭を下げて会釈する。
 香也にとってこの二人は、それなりに面識はあるけど、親しい間柄、というわけでもない。
「ど、どうも……」
「おベンキョ、がんばってねー」
 二人の方も、香也に軽く声をかける程度で、さっさと退出していってしまう。
 二人が廊下に出てから、入れ違いに、香也は荒野のマンションに入った。
「あ。いらっしゃい」
 さっそく、荒野が香也に声をかけてくる。
 室内にいるのは、荒野、茅、沙織、源吉、という、昨日と同じ面子だった。食事が終わったばかりなのか、茅は、テーブルの上に残っていた食器類を、キッチンシンクの方に片づけている最中だった。
「……さあ、それでは、はじめましょうか……」
 香也がテーブルにつくなり、沙織がいう。
「まずは、今日のテストの答え合わせから。
 点数の確認と、間違ったところの復習ね……」

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[つづき]
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