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彼女はくノ一! 第六話 (132)

第六話 春、到来! 出会いと別れは、嵐の如く!!(132)

 が……実際に飛んだのは、楓の体ではなく、ジュリエッタが振るっていた長剣だった。ジュリエッタは目を見開いて、自分の方に一歩、踏み込んでくる楓の姿を見る。楓は、手にしていたクナイを捨て、素手になっている。
 握力が、効かない。念のために空けておいた利き腕が、動かない。剣を掴んでいた左手も、動かない。まばたきも、できない。楓の動きを追うために、首を動かすことすらできない。
 かろうじて、眼球は、ジュリエッタの意のままに動いた。
 無防備になったジュリエッタが見守る中、楓の掌底が立て続けにジュリエッタの腹部に炸裂する。
 今や、楓はジュリエッタの懐に、完全に潜り込んでいて……体重の乗った打撃が、ジュリエッタの体を下方から上へと押し上げる。
 楓の打撃により体が完全に吹き飛ばされた時、内蔵に容赦のない衝撃を受けたジュリエッタの意識は、半ば混濁していた。
『……なんで……』
 体術や反応速度で楓に劣るとは、思わない。事実、ほんの数瞬前まで、ジュリエッタは自分の勝利を確信していた。
 だが……ジュリエッタは、もう少し懐疑的に振る舞うべきだった。
 何故、楓は、死角からではなく、正面からジュリエッタに肉薄したのか……ということを、もっと疑問に思うべきだった。
 そして、ジュリエッタやフー・メイとは違い、楓が「尋常な勝負」などを望んではいない……ということも、もう少し考えてみるべきだった。剣士でも拳士でもない楓にとって、公正な条件下でしか成立しえない「フェアプレイ精神」などというのは、とても贅沢な世迷事にすぎなかった、ということについても、もっと想像力を働かせるべきだった。
 体術や身体能力では、ジュリエッタには敵わない……という認識は、楓も持っていた。
 だから、周到に……ジュリエッタを、少しでも自分に有利な状況下に誘い込むことに、楓は専念していた。
 武器の威力を落とし、結果としてジュリエッタが「全力で」戦えないよう、しむける。混乱した状況を作り出して、ジュリエッタの注意力を攪乱する。
 そして……あえて、正面から迫ることで、ジュリエッタの慢心を誘い、運良く斬り裂くことに成功した服の合間から、露出した肌に向けて、針を打ち込む。
 楓は常時、喉の奥に微細な針を含んでおり、相手が至近距離にいれば、そして、ツボが露出している状態ならば、自在に吹き出して正確に打ち込むことができた。
 ジュリエッタのように、まともに相対をしても、ほぼ勝ち目がない相手に対しては……相手の能力を制限して、非力な楓でも対応できるレベルにまで落とすより他に、方法がない……というのが、楓の思考であり、そのために、自分の持てる力を出し尽くすのは、楓にとってはむしろ当然のことだった。

 そして……針により身動きを封じられ、打撃により吹き飛ばされたジュリエッタの体が、飛ぶ。

「……おい……」
「あれ……」
 あるいは、おもしろ半分で逃げまどっていた一族の者たちも、すぐに、ジュリエッタの体が「いつの間にか」吹き飛ばされていたことに気づき、すぐにその場でその場で足を止めていく。
「はい。
 お疲れ」
 宙に浮いたジュリエッタの体が地面につく前に意、いつの間にか姿を現した荒神が、両腕で抱きとめる。
「勝負、あったね……。
 もう少し、粘ってくれる面白かったのに……」
 荒神の言葉は、楓に向けられたものか、それとも、今では白目を剥いて意識を失っているジュリエッタに向けられたものなのかは……判然としない。
 そもそも、荒神の言葉や意図が、傍目には意味不明かつ理解不明なことは珍しくもないので、誰も気にはしていないのだが……。
 荒神の判定が下ったから……では、ないのだろうが……楓はがっくりと全身の力を抜き、その場で膝をついた。
 膝をついた姿勢で、勢いよく荒い息をつきはじめる。今になって、全身の肌という肌から、どっと汗が吹き出してきた。
 ジュリエッタは、楓にとっても、決して、楽な対戦相手ではなかった。ごくごく短時間の対戦ではあったが、精神的にも肉体的にもプレッシャーが大きく、その緊張から説き放たれた今になって、体重が何倍にも重くなったような錯覚を、覚える。

「あー。
 やっぱり……」
「予想通り、っていうか……」
「番狂わせは、なかったねー……」
 結果を見届けたテン、ガク、ノリの三人が、小声で話しはじめる。
「……あの……」
 そんな三人に向け、ホン・ファが話しかけてくる。ホン・ファのすぐ後ろには、ユイ・リィも控えていた。
「あの人……楓、さん……。
 いつも、あんな感じなのですか?」
 この二人にしてみれば……師父と互角だったジュリエッタが、楓に負けたことになる。興味を持つのも、当然といえた。
 三人は一度、顔を見合わせ……代表して、テンが、二人に答える。
「いつも、っていうか……楓おねーちゃん。
 能力的には、そんなに強くないから……。
 単純に、速度とか筋力で比べたら……ボクたちよりも……それどころか、この場にいる誰よりも、弱いんじゃないかな……」
 そこでテンは、一度言葉を切って、ホン・ファとユイ・リィに考える時間を数秒、与える。
 今度は、ホン・ファとユイ・リィが顔を見合わせる番だった。
 身体的な能力でいえば……楓は、一族の中でも平均値以下のパラメータしか持たない……ということは、今の戦い方をみても、納得がいく。その程度のことは、この二人にしてみても、「見れば」わかる。
 ホン・ファとユイ・リィは、テンの言葉に頷く。
「……で、楓おねーちゃんは、いろいろな技を駆使して、身体能力的な不利をうまくカバーしているわけだけど……。
 その意味で……先天的な能力よりも、技に頼る、という点で……ジュリさんと楓おねーちゃんは、結構似ているタイプだったりするんだけど……。
 ジュリさんと違って、楓おねーちゃんは……その技も、過信しないから……」
 技を使うが、技に頼らない……のが、楓の強みだ……という意味だった。
 テンの言葉が、ホン・ファとユイ・リィの脳裏に、ゆっくりと染みていく。
「……あの人が……楓さんが、何故、最強の弟子なのか……よく、理解できた気がします」
 ホン・ファは、そう結論した。


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