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2006-01

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髪長姫は最後に笑う。第四章(14)

第四章 「叔父と義姉」(14)

「……むぅ……」
 二人で寄り添い、何分か休憩して、ようやく息を整えた茅がいった。茅は、どこで覚えたのか、機嫌が悪い時に「むー」とか「むぅ」と唸る癖がついているようだ。
「……荒野、やっぱりいじわる……茅がやるっていったのに……」
「いやだって、あんなことされたら我慢できないって、普通……」
 荒野も軽く抗弁する。
「……荒野の、まだ元気……」
 茅は、まだゴムがついたままの荒野のモノを手探りで撫でさする。
「……本当に、出したの?」
「出た出た。いっぱい出た」
 荒野は半身を起こし、ティッシュの箱から何枚か抜き取り、ついたままだった避妊具をはずそうとする。茅も身を起こし、荒野の手元をまじまじと見つめる。
「……興味あるのか? 茅」
「ん」
「……まあいいけど……見てもあんま面白いものじゃあないよ……」
 荒野が周りに流れないようにティッシュで押さえながら、自分の指でゴムはずすと、はずした箇所からどろりとした液体が流れ出てくる。はずしたゴムをティェッシュで包んでゴミ箱に放り込み、汚れも拭おうとすると、茅のその手を止めた。
「……荒野の、匂い……」
 茅は、荒野の股間に顔を近づけ、濡れたままの荒野の陽物の匂いを嗅ぐ。さらに顔を接近させ、真面目な表情のまま、舌の先端で丁寧に舐めはじめる。
「……汚いよ、茅……」
 一度射精して敏感になったままのモノを刺激され、荒野は困惑気味にいった。
「……いいの……」
 茅は荒野の股間に顔を埋め、舌で本格的に荒野自身を清めはじめる。
「荒野、いじわるだったから……今度は、茅がいじわるするの……」
 茅は荒野がギブアップするまで、三十分近くぴちゃぴちゃと音をたてて舐め続けることになる。

「……駄目! 今日はもう、これ以上しないの!」
 しばらくやりたいようにさせていた荒野だが、やがて無理に茅の体を引き剥がした。荒野自身はまだまだ余力があったが、茅の体力のほうが心配だった。
「今夜はもう、寝る!」
 部屋の明かりを消し、茅の体を抱えてベッドに倒れ込んで二人の体に掛け布団をかける。
「……荒野、怒った?」
「怒ってないよ……あれ以上やられたら、また茅を襲いたくなっちゃうから……」
「むぅ……。茅はそれでもいいのに……」
「駄目。きりがないでしょ。それに茅、明日の朝起きれなくなるし……明日は食べ物の買い出しにいかなけりゃ……冷蔵庫からっぽだし、正月はコンビニくらいしか開いてないよ、ここいら……」
「……あ。今年も、もう……」
「うん。終わるね。あと、何十時間で……」
 荒野は、茅の髪をやさしく撫でる。
「だから、寝るときはちゃんと寝よう……来年は、大変な年になりそうだから、今のうからしっかり備えないと……」
「ん。わかった。ね、荒野。茅、もっと丈夫になる……」
 茅は寝る間際、「明日から茅を鍛えて」、と荒野にいった。

 翌朝、荒野が目を覚ますと、予想に反して茅が先に起きていて、荒野の寝顔をまじまじと見つめていた。
「おはよう。茅」
「おはよう。荒野」
「……おれの顔、みてて楽しいか?」
「ん。楽しい。荒野の寝顔、かわいい」
「……先に起きてたんなら、起こしてくれればよかったのに……今何時?」
「八時少し過ぎ」
「……いい時間だなぁ……」
 いつもの起床時間より、だいぶ遅い。やはり夜の方は控えめにしよう、と、荒野は思った。
「……あー。冷蔵庫空だったっけ。たまに二人で外で食うか……この時間だと、ファミレスか牛丼屋くらいしかないなぁ……茅、牛丼屋、まだいったことないだろう……」
 そんなこといいながら、荒野が立ち上がろうとすると、茅はその首にしがみついてくる。
「なんの真似だ? 茅」
「抱っこ。お姫様抱っこ」
「……いいけど……」
 裸のまま二人で浴室に入り、軽くを汗を流してから洗顔と歯磨きを終え、着替えて、二人で外に出る。その途中で、今日は買いだめをしたいので、午前中に駅前方面、午後にショッピング・センターへいく、と話し合った。どちらに行くにしろ、徒歩だと距離がありすぎるので、二人で駐輪場に向かう。
「昨日もいったけど……」
 茅は、荒野に自分を鍛えて欲しい、と改めて依頼した。
「いろいろやっているうちに、忘れていたことを思い出すかも知れないの……」
 茅が「気配絶ち」を見切れるようになったのは、楓や荒野の「気配絶ち」をみてからだ。その後すぐ、茅自身がその術をつかってさえ、いる。
 記憶を封印された時、そのような「思い出すための条件付け」をされている、という可能性はあった。
「それに茅、もっと体力があれば、いろいろできるようになると思うの……」
 茅なりに、役に立ちたい、ということなのだろう。
 しかし、多少鍛えても、素人に毛の生えたような人間が、これから接触してくると予測される六主家の人間に太刀打ちできるとは、荒野は考えていない。付け焼き刃が通用するほど甘い人種ではないのだ。
「……まあ、ぼちぼち、な……」
 荒野は、ぽんぽん、と茅の頭を叩く。
 とはいっても、茅が自主的に体力をつけようとする意欲を持つこと自体は、いい傾向だと思った。茅は、放置しておけば一日でも本を読んだりネットに繋いだりして、なにかを学んでいる。好奇心や向学心が強いのはいいが、それだけでは、後になって不自由するだろう、と、荒野は思う。
 なにをするのにも、最後にものをいうのは気力であり、その気力を保持するためには、体調管理と体力が欠かせない。
「……明日の朝から、軽く走り込みでもしてみるか?」
「ん。する」
 荒野がそんなことをいいながら、自転車のホルダーから茅の自転車を取り出して、茅に手渡す。
「今日はまず、牛丼。それから、買い物、昼飯、買い物、だ」
 茅も自分も……いいや。茅と二人で、新しい生活に踏み出していく感覚を、荒野は噛みしめている。
 確かに、決して楽観ばかりできる状況ではないが……今この瞬間、二人で同じ方向を見つめている、というのは、荒野にはとても大事なことに思えた。

 駅前の牛丼屋で、荒野は特盛りつゆだく玉子味噌汁お新香を頼み、茅もそれと同じのを、といいかけて、荒野に「最初は並にしておけ」と訂正された。
 茅も昨夜の運動で空腹だったのか、荒野に劣らないスピードで玉子を掛けた並盛りを平らげ、食べ終わってから、「これなら特盛りでもよかったの」と物足りなそうに呟いた。
 初めての牛丼は、茅の嗜好にもそれなりに合致していたようだ。

[つづき]
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彼女はくノ一! 第三話 (36)

第三話 激闘! 年末年始!!(36)

 たまたま同席していた羽生譲も、一連の話しを聞いていた。
 野呂良太がいきなり羽生譲が知らない「加納妹の正体」なるものについて延々と推測を並べはじめると、最初は呆気にとられ、次に納得していく。
『……そっかぁ……似てないとは思ってたけど……そうか、やはり血は繋がっていなかったか……』
 全体に、羽生譲の感想は、そんな平凡なものだった。
 すでに謎のニンジャ集団の首領の跡取りの隣人がいて、くノ一や財閥のお嬢様と同居しているのである。
 今更、友人が強化人間だった、と判明しても……羽生譲の感覚的には、「そうかそうきたか」程度の、軽いインパクトでしかなかった。
 基本的に羽生譲は、目前の人間について、極端に性格や素行が悪くない限り、自出や来歴を気にすることはない……という、ごくごく一般的な日本の庶民的な気質を持ち合わせていたので、そうしたことに関して、あまり深く受け止めなかったし、考えもしなかった……。
『……だから、どうした?』
 というのが、羽生譲の結論である。

 たまたま同席していた才賀孫子も、一連の話しを聞いていた。
 野呂良太がいきなり才賀孫子が知らない「加納妹の正体」なるものについて延々と推測を並べはじめると、最初は呆気にとられ、次に納得していく。
『……道理で浮世離れしている、と思いましたわ……』
 孫子は、自分の事を棚に上げて、そんなことを思う。今までの茅の言動を頭の中で走査し、そのちぐはぐな部分をピックアップして、チェックする。孫子は茅の生い立ちや特殊な育ち方について、なんの説明も受けていなかったわけだが……なるほど、今、野呂が説明したような事情が背景にあったのならば、合点がいく点が多い。
『……で、加納荒野の役割は、その子がうまく一般社会に順応できるかまでの教育係兼お目付役兼護衛、という形、か……』
 護衛、には、松島楓も含まれるのだろう……。
 一度「決闘」を経験して以来、才賀孫子は、なんだかんだで松島楓のことを認めている。性格的にはともかく、戦力的には、「たいしたもの」だと……。
『……加納荒野や楓がこんな所でくすぶっているのはおかしいと思っていましたが、そういう事情なら……』
 なんとか納得できる、と、孫子は思う。
 それはともかく……。
『……そういう、茅という特殊な存在を……一族の加納以外の勢力は、どう扱うつもりなのかしらね……』
 茅と……それを守ろうとする、荒野と楓の立場は、かなり微妙だ……と、一族について、表面的な知識を持ち合わせている孫子は思う。
 長老の涼治には、それなりに大事にされているようだが、熱心に庇護されているわけではないらしい。茅、という一族の将来にとって重要な因子を、こんな薄い人員で扱っている、ということは……荒野も、試されているのだろう。
 今後、茅をどのように扱うのか……その度量を……。
『……面白くなってきましたわ……』
 そうした場にたまたま居合わせた、才賀という部外者……自分の立ち位置を確認して、孫子は、そう独りごちる。自分たちのような特殊な存在が、年々からはじまる、普通の、一般人の学生としての生活を全うできるのか、否か……。

 たまたま同席していた狩野香也も、一連の話しを聞いていた。
 野呂良太がいきなり狩野香也が知らない「加納妹の正体」なるものについて延々と推測を並べはじめると、最初は呆気にとられ、次に納得していく。
『……ふーん……』
 ……まあ、納得、といっても、香也の場合、こんな簡単な感慨をもった、という程度のことなのだが……。
 香也は、遺伝子操作云々についても、時折テレビ番組で取り上げられる程度の情報、あるいは、羽生譲が資料として持ち込んでくるマンガやアニメの設定程度の情報にしか触れておらず、従って、
『……あれって、もう、本当にできるんだ……』
 くらいの感慨しか、湧きようがなかった。
 狩野香也にとっては、茅の正体も、社会情勢その他の「自分にはあまり関心の持てない情報」の一部にすぎず、従って深く心にとどめる、ということもなかった。

 たまたま同席していた松島楓も、一連の話しを聞いていた。
 野呂良太がいきなり松島楓が知らない「加納妹の正体」なるものについて延々と推測を並べはじめると、最初は呆気にとられ、次に納得していく。
『……え? あれ? えっ、とぉ……』
 香也同様、遺伝子操作うんうんについての正確な知識を持たない松島楓は、「茅が、今後一族の他の勢力に狙われる可能性がある」という部分だけをかろうじて理解した。
『……って、ことはぁ……敵さんは、一族の関係者、っていうことなんですかぁ?』
 想定される敵が一般人ならば、自分と荒野が揃っていれば、多少武装していてもなんとかしのげる……楓は、そう思っている。
 しかし、同じ基本系の技が使え、それ以外に門外不出のオプション系の技術まで使える、加納以外の六主家が相手となると……状況的には、かなり厳しくなるのではないか……。
 それまで楓は、茅のことは「なんとなく重要人物らしい」という認識しか持っていなかった。なんといっても、自分はともかく、荒野が直々に身の回りの世話をしているのだ。しかし……。
『……そこまで複雑なことになっているとは……』
 思わなかった。基本的に楓は、その手の想像力に乏しい側面があるし、また、「自分は命じられた仕事さえ、こなしていればいい」とも、思っている……。
『……でも、負けないのです……』
 楓は、心中で拳を握りしめる。気合いでどうにかなる問題なのかどうか……とは、自分でも不審に思っているが、それでも、自分は荒野の指示に従い、自分の出来ることを完遂するのみ、と……。
 ここ数日、狩野家での生活が気に入ってしまい、はしゃぎ気味だった自分に、渇を入れられた思いがした。そこまで考えて、ふと、あることに気づく。
『……あっ!』
 楓は、無言のまま羽生譲のほうに振り返った。
 そこまで難しい局面なら……今、自分がここを離れるのは、やはり……。
「楓」
 そんな楓の心中を見透かしたかのように、荒野は楓に向い、静かに声をかけた。
「なにも心配するな。予定通り羽生さんと東京に行け。楽しんでこい。それとな……お前、気張りすぎだ……」
 ……例えば昨日、お前、何時間寝た?
 と荒野に問いただされ、楓は返答につまる。
 深夜や早朝にこっそり起き出して、トレーニングを兼ねて、楓が夜な夜なこの近辺を飛び回っていたことを、当然のことながら荒野は察知していた。他の人々には気づかれなくても、荒野はごまかせないだろうと楓自身も思っていたが……。
「張り切るのはいいが、今……いや、今後、お前に倒れられたりすると、いざという時に、こっちが困るんだ。
 羽生さんと東京にいって、たまには羽延ばしてこい」
 息抜きも仕事のうちだ、と、荒野は、そういう言い方をした。
「加納!」
 そんなやりとりをみていた才賀孫子が、荒野のほうに近寄ってくる。
「わたくしにも、なにか出来ることがあれば……」
 加納の跡取りに貸しをつくっておくのは、今後のためにも得策である、というのが、孫子の思考法だ。
「うん。じゃあ、今後も茅のいい友人でいてくれ」
 荒野の返答は素っ気ないものだったが。「仕事として才賀に助力を頼むこ気はない」という意思表示であるとも、「茅の友人なら、茅に危害が加わりそうになった時、助けるのは当然だ」とも、解釈できる……。
『……一筋縄ではいかないか……』
 孫子は心中でそう呟いた。しかし孫子は、そうした複雑な状況の中を泳ぐのが、嫌いではない。
「……しかし、こっちはこっちで大変だなあ……楓と羽生さんが東京行くとなると……何日かこの家、才賀と香也君の二人きりになるんだ……」
 続いて荒野がそう漏らすと、その場にいたほぼ全員が「えっ」という顔をして、お互いの顔を見合わせる。

 羽生譲も松島楓も、才賀孫子も狩野香也も……そのことについて、荒野に指摘されるまで、気づかなかったらしい……。

[つづき]
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髪長姫は最後に笑う。第四章(13)

第四章 「叔父と義姉」(13)

 荒野は自分の硬直を、後ろから押さえつけている茅の股間に潜り込ませる。荒野のいきり立ったものに、茅の茂みの温かく湿った感触を感じる。先ほどから腹にくっつきかねないぐらいにそそり立っている荒野自身が、茅の湿った場所にくっつくと、茅が少し体を震わせた。そのまま、茅のそこに自分自身を接触させ、前後に揺すると、すでに一度果てて敏感になっている茅はそれだけで体の力を抜いた。その隙に、荒野はすばやくベッドの枕元に置いてあった避妊具の箱を明け、パッケージの封を開ける。
「今すぐ、茅の中に入れるからな……」
 そういった荒野の声は、興奮で上擦っていた。
 茅から体を離し、避妊具を装着しようとするが、焦っているのと興奮して大きくなりすぎているのとで、なかなかうまい具合に装着できない。茅もこちらに体の向きを変え、ゴムを局部につけるのを手伝ってくれる。
「……荒野の、大きいから……」
 自分の液体で濡れててらてら光っている荒野の陽物を片手で固定しながら、茅が呟く。
 手際が悪いのは、二人とも、こういう作業に慣れていないだけだ……と、荒野は思った。
 ようやくゴムを装着すると、荒野はベッドに茅の体をもどかしげに押し倒し、背後から挿入しようとする。先端を茅の入り口にあてがった時点で茅が体の向きを変えようとしたため、挿入しはじめた時、茅は半端に横臥している体制になり、そのまま荒野を迎え入れた。
「……んはっあ!」
 今までとは違う感触に、茅が声を上げ始める。
 茅の中は、相変わらずきついが……少なくとも、最初の頃のように荒野を押しも戻すほどの抵抗はない。熱く、湿っていて……堪えきれなくなった荒野がざくざくと乱雑に動き始めると、キュッと締まって前後する荒野自身に絡みついてきた。
 荒野は、茅の右足の腿に乗り、片手で茅の左腿を支える恰好のまま、横向きに寝そべった茅を責めたてる。充分に高揚し、挿入と同時に動きを速くされた茅は、ベッドのシーツを掴みながら、喉の奥から漏れる声を押し殺そうとしている。その沈黙を破ろうと、荒野は緩急をつけて、腰を動かす。
「……どう、茅? こういう恰好、初めてだよね」
 動きながら、荒野は尋ねた。
「普通にやるのと、どっちがいい?」
「……やっ! あっ! 普通のと、当たるところが……あっ!」
 律儀に受け答えをしようと茅が口を開きかけると、意味のない歓声があがりかけ、それを押さえ込むと言葉がでない。
 そうした茅の反応を楽しみながら、荒野は、茅の膣内の壁に亀頭を擦りつけるようにして、動き続ける。今まで我慢してきた後、ようやく茅の中に入った荒野自身は、これ以上ないというくらいに怒張して、茅の内部を蹂躙し、腰を引くたびにとどめなく流れる茅の愛液を外に掻き出している。荒野が動くたびに、「じゃじゃじゃ」という音が茅のそこからしている。
「すごいね、茅……びちょびちょだ……」
 実際、結合部の周りはあふれ出た液体でぐっしょりと濡れており、それは、二人の腿の方までしたたり落ちていた。
 茅は、口を固く結んで、その言葉には応えようとはしない。口を開けば、恥ずかしい声が漏れ出てしまう、という自覚があった。
「……じゃあ、今度は……」
 荒野は、深く茅に埋没したまま、一旦動きを止め、茅の腰を両手で抱いて、茅の体の向きを少し変える。
 茅を、ベッドの上に四つんばいにさせて、繋がったまま、お尻を高く持ち上げてから、再び動き始める。
「……いやぁ!」
 と、茅が叫んだ。
「……こんな、動物みたいな恰好! 恥ずかしい!」
 とか叫びはじめる茅の抗議を無視して、荒野が激しく動き出すと、茅の抗議は、すぐに歓喜の喘ぎ声へと変化した。
 荒野が突くたびに、体を大きく跳ね上げ、「あうぅ!」とか「はぅう!」とか声を上げはじめる茅。
「……茅だけじゃなくてさ!」
 荒野は動きながら、背後から体重をかけ、茅の体を押さえつけ、茅の耳元に囁く。
「おれだって、こんなにえっちなんだから。茅とこんなことしたいと、いつも考えてる。だから……」
 ……恥ずかしがることないんだよ……。
 そういいながら、荒野は茅の体にしがみつくように腕を回し、右手で茅の乳房を鷲掴みしし、左手の指先で、結合部の上にある突起をまさぐる。
 その体制でさらに動きを早めると、茅の「あっ! あっ! あっ!」という短い喘ぎの連続が、「あー! あー! あー!」という尾を引く叫びに変わる。
 荒野自身も、最後が近づいているのを感じる。
 茅の中で動いている荒野のモノが、ひたすら、熱い。
「茅、気持ちいい? おれ……もう!」
 と叫びつつ、荒野はラストスパートに入った。
「……駄目! 駄目駄目!」
 茅が、がくんがくんと荒野に乱暴に突かれるまま、体全体を揺さぶられ、ぎゅっと目を閉じてそんな声を上げていた。
「やっ! やっ! やっ!」
 最後に、茅の奥に深々と刺した姿勢のまま、荒野が硬直する。
 茅は、荒野に組み敷かれたまま「……ぁー……」と、安堵したような声を、喉から絞り出して、動かなくなった……。

 二人して、ベッドの上に寄り添い、しばらく動けなかった……。

[つづく]
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彼女はくノ一! 第三話 (35)

第三話 激闘! 年末年始!!(35)

 この頃では、加納兄弟と狩野家の関係者である程度の人数が集まると、宴会じみた雰囲気になることが多い。酒は、回ることもあるし、廻らないこともある。やはり未成年者が多いので、後者の「酒が回らない」場合が圧倒的に多いのだが……成人の三島百合香と羽生譲の二人が揃って騒ぐのが好きな性質なので、酒が出回るとなると、文字通り「飲めや歌え」の大騒ぎになる。
 そして、この二人は揃って、曰く付きの客分、野呂良太が居ても居なくても、態度を改めようとするほど殊勝なタマではないのであった。
「……お前さんところは、いつもこんな感じなのか?」
 この日も、早速狩野家の居間ではじまった馬鹿騒ぎを目の当たりにし、野呂良太は呆れたような感心したような、なんともいえない口調で、加納荒野に問いただした。
「この家、おれんところ、ってわけじゃないんだけど……この家は、まあ、だいたいこんなもんですね」
 荒野の回答は淡々としたものだった。
 シリアスな状況下にあるからといっても、終始しかめ面をして悩んでいなくてもいいだろう、とも思うし、第一、ここはおなじみとはいえ他人の家である。荒野が、他家の雰囲気にあれこれ口を出すのは、差し出がましいと思っている。
「あははははは。暑いのです。二番、松島楓、脱ぎます!」
「わぁ! 楓ちゃん! こんなところで脱ぎだしたら駄目! いつの間にこんなに飲んだんだ!」
 ……かといって、ここまで砕けてしまっていいんだろうか? と、思わないでもないのだが……。
 立ち上がってメイド服を脱ぎはじめた松島楓を、狩野香也が押しとどめようとしている。おそらく、三島あたりに騙されてアルコールの入った飲み物を飲まされたのだろう。楓は、クリスマスの時にアルコールに極端に弱い、ということを知られて以来、三島と羽生によく酒を盛られている。何度も騙されているのに、飲み物をすすめられれば断らず、さして不審にも思わず飲んでしまうのは……性分として、素直すぎるのだろう……。
『……ひょっとして、あれかぁ? 佐久間が欲しがった素材って……』
 どっかの養成所に、佐久間が欲しがって加納のじいさんが手放したがらない「使えない逸材」がいる、という噂は、野呂も小耳に挟んでいる。影響力は大きいものの、実戦力となると二宮や秦野に二歩も三歩もゆずる佐久間は、常時、「飼い犬」を欲しがっている。
 佐久間の飼い犬になる、ということは、ロボトミー手術にも似た洗脳を施術される、ということで……以前は頻繁に行われていたそうだが、ここ数十年は耐えてなかった事だ。それだけの手間をかけても割にあう素材……というのは、ようするにそれだけの潜在的な能力を秘めている人間、ということであり……。
『……あのお嬢ちゃんなら、それもありえるか……』
 野呂は、狩野香也に即されてメイド服のボタンをかけ直しはじめた松島楓を見ながら、そう思う。先ほど楓がみせた働きを思い返せば、納得が出来る。荒削りな部分もあるが、能力的には、六主家の中の、平均的な能力を持つ者にも、ひけを取らないだろう。
 そんなことを思いながら、野呂は荒野にすすめられるままに、おせち料理をつまみ、酒を傾ける。周囲はすでに宴たけなわ、という感じであり、一人だけ真面目な顔をしてしゃちほこばっている理由もない。この年末におせち料理、というのもなんだが、荒野とやけに親しそうな長髪の女の子が練習を兼ねて作ったものだという。
「……ん。意外といけるな、これ……」
「それはよかったの」
 野呂が舌鼓をうつと、その長髪の女の子が野呂の隣に寄ってきた。
「お嬢ちゃんがつくったのか、これ。料理、うまいなぁ……」
「茅の料理はわたし仕込みだ。それからな……」
 少し離れた場所で踊っていた三島百合香も近づいてきて、茅の頭を平手で軽く叩きながら、自慢気にいう。
「ん?」
「この子がな、お前のいう、姫ってやつだから」
 三島百合香の言葉を理解すると、野呂良太はしばらく硬直した。
 もともと、野呂は、「荒野が仁明から姫を引き継ぎ、某所に潜伏しているらしい」という噂を聞きつけ、その真偽を確かめるために、ここに来た。
 当然、その「姫」は、どこか人目のつかないところに、大事に匿われている筈……という先入観があった。
 それが、こんな……目と鼻の先に……厳重な護衛などもいっさいなく、ごくごく普通に出歩いているなんて……。
「……仁明は隠し、荒野は露にする……。そうか……いや、それが、正解なのかも知れないな……」
 野呂良太の顔は、腹を抱えて笑い出したくなる衝動をねじ伏せ、当の「姫」に問いかけた。
「お嬢ちゃん……茅ちゃん、とか、いったか……。
 ちょっと聞きたいんだが、あー、君は、今、幸せか?」
 茅の、「現状におおむね満足している」という解答を確認してから、荒野と三島に即されていた「姫の正体」について、滔々と自説を開陳しはじめた。
 もちろん、野呂の推測が必ずしも正解だとは限らないし、このような場でいきなりこういう重要な話しをするのはどうか、という躊躇いも、少し前まではあったが……なに、構うものか。
 当の姫と、ごく普通に付き合っている、この場にいる人々には、聞く権利がある。と、野呂良太は判断する。
 野呂のもたらしたこの情報が、以後、この場にいる人々に対し、決して小さくはない波紋を与えるだろう……ということを予測しながら、野呂は、はっきりとした口調で、最後まで説明し終えた。
 いつの間にか、辺りは静かになって、その場にいる全員が、平坦な口調で説明を続ける野呂の口元を見つめている。

 一通りの説明を終えた野呂は、最後にこう締めくくった。
「……こういうの、なんていうんでしたっけ? 正式な専門用語ってあるのかな?」
「……正式な名称は、まだない筈だが……そういう概念だけは、結構昔からあるな……」
 どこか虚ろにみえる目つきになっている三島も、ぽつりと答える。
「……遺伝子操作された人間……デザイン・ヒューマン……」
「……さて、ご本人はどう思うかね、お嬢ちゃん。
 今のおれの推論、なにかおかしな所はあるかね?」
 念のため、野呂は、「姫」本人だという少女にも、問いかける。
「おかしな所はないの」
 茅はいった。
「推論はあくまで推論で、証拠はなにもないのだけど……論理的に、おかしな所は、ないの。
 多分……わたしは、姫は……そういう存在だと思うの」
 野呂が考えつく限り、一番妥当な解答は、そのような形で、本人に承認された。

[つづき]
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blog紹介 「 I WANNA BE YOUR DOG! 」

blog紹介 「I WANNA BE YOUR DOG!

SM好き・ワガママいいたい放題、M女なのに女王様?!そんな美咲のブログです

ということで、今度はSMを実践なさっている方のblogです。

SMってえと、なんか周辺のイメージだけが先行しているようで、実地にやっている人の声とかには、愛好家の知り合いでもいなけりゃ、まず触れる機会はない(と、思う)けど、blogだと探せばまだまだありそうだなぁ……。

管理人さんの美咲さんが大股(局部剃毛済み。修正あり)開いたり、ろうそく垂らされたり、浣腸されたり、の写真もありますが、それ以上に興味深いのは、実地にやっている人の生の声だと思う。

例えば、
雪だぁ~」というエントリでは、
ロウソクするのももちろん好きですが、シャワーで流す時も好き
固まったロウがシャワーで流れていくのが桜吹雪みたい
でも、排水溝に詰まってしまうので掃除も大変です
ラブホでするときは注意しましょう

なんてきじゅつがあって、こういうのは自分の趣味でプレーしている人じゃなければ書けないコメントだと思う。

まだ開設したばかりのようでコンテンツはイマイチ充実していないようですが、このままマイペースでエントリ増やしていただければ、かなり面白いblogになるのではないかな。


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髪長姫は最後に笑う。第四章(12)

第四章 「叔父と義姉」(12)

 茅は寝そべっている荒野の上に馬乗りになった。正面を向き合っているため、茅の股間がちょうど荒野のそれと擦りあうように、重なる。茅の茂みと湿りが、荒野の硬直、竿の部分に触れる感覚があった。
「んっ」
 茅も感じているのか、そんな鼻息を漏らす。
 荒野の位置からだと、形のいい乳房の合間に、茅の切なそうに眉間に皺を寄せた表情が、はっきりと見ることができた。
 茅も感じているが、荒野もすでに十分に高まっている。
 下から腕を伸ばして茅の乳房に触れようとすると、茅にやんわりと払いのけられた。
「……駄目……茅が、やるの……」
 茅は前後に腰を揺すりながら、背を丸めて、荒野の口と顎、それに首筋などに舌をはわせはじめる。なま暖かい茅の舌が、荒野の皮膚を刺激する。結構くすぐったかったりもするが、濡れた感触がなんかいやらしいことをされている、という思いを増幅しているような感じもあり……。
『……茅が、自分からここまで……』
 現実に感じていることよりも、今のシュチュエーション対して感じるところのほうが多かった。
 茅も確実に感じているようで、股間の湿り気は時間を経るごとに多くなっているのが、感触でわかる。擦りあう箇所は、最初、陰毛同士がこすれるざらざらした感触だったが、今では、茅の秘処から分泌された液体がいい潤滑油となって、かなり滑らかになった。茅は頬を上気させ、「はっ」とか「ふぅ」とか、時折鼻息以外に、太い息をつくようになっている。
 こうして快楽を貪る茅をみていると、普段のあどけなさが嘘のように思えたが……どちらも、同じ茅なのだ……と、荒野は思う。
 昨夜、荒野を求めてやまなかった茅の様子を、二人は暗黙の了解として「スイッチが入った」状態と称している。しかしあの状態は、普段、茅が羞恥などの理由から抑制している欲望が解放された状態なので、より現実に即した表現をするならば、「たがが外れた」状態と呼んだ方が、いい。
 茅に限らず、人間なら誰しもそうしたどろどろした欲望はある筈だ。しかし、本人の意思によらず、それを無理に引き出された昨夜の状態は自然ではないし、それ以前に、なにも身構えていなかった茅は、軽いパニックに陥った。
「……茅、大丈夫?」
「んんっ! 今日は、平気みたい……」
 この数日間で、荒野との距離が短縮した、という安心感も、多分にあるのだろう。
 こうした行為に対する慣れ、もそれなりにあるのだろうが、茅は、昨夜までよりも、よっぽどリラックスして、素直に、自分の快楽を追求しているように思えた。
『……抑制が弱くなれば、反動も弱くなるのか……』
 茅が、荒野との行為に対して罪悪感を感じる度合いが減ったから、昨夜のような急激な変化が訪れていないのだろう、と、荒野は判断する。
「……茅、動いていい?」
「駄目! 今日は、茅がやる……」
 今では、茅は、動きはじめた頃よりは、ずっと激しく動いている。
 挿入しているわけではないのに、荒野の硬直に、茅の濡れた襞が絡みついてくる。茅が腰を動かす度に、荒野の亀頭に茅の濡れた内部が、触れる。
 茅は、荒野の上で、長い髪を跳ね上げるようにして、動き続けた。
 たぶん、今の茅は、刺激から受ける快感に没入して、荒野のことを意識の外に置いている……。
『……一種の自慰、だな……』
 今の自分は、そのための道具だ……と、荒野は心中でそっと苦笑した。ないがしろにされていることに対する怒りは、意外に湧いてこない。
 むしろ、汗を飛ばし、夢中になって荒野の上で踊る茅は、見上げているだけでも美しい……とか、荒野は思っていた。暢気……というよりは、外見と内面、知識の量や機知と精神面……様々な面において、茅がアンバランスな存在である……という認識を強くしただけだ。成熟した体とは裏腹に、ついこの前まで人里離れた山中にいたくらいだから、人生経験にも極端に乏しいし……性的な知識はあるが、ついこの間まで、そうした感覚に無頓着だったくらいで……たぶん、自慰の経験さえ、ないだろう。荒野と関係を持つまで、性感を実感する機会もなかったはずだ。
 免疫がない分、夢中になるのも、むしろ当然だ、と、荒野は思った。
 荒野は、そんなことにも、茅という存在の特殊性と危うさを、認める。
 ……こうなったら、茅がいくところまでいって、我を取り戻すまで待つよりほかないだろう……。
 荒野は、髪を振り乱して没頭する茅の様子を見守りながら、茅が静かになるのを気長に待つことにした。体力が尽きるか、絶頂をむかえるかすれば、茅の動きも自然に止まるはずだった……。

 荒野の読み通り……茅はひときわ大きな声で「んふっ!」と叫んだかと思うと、くて、と全身の力を抜いて荒野の上に倒れ込んだ。
 荒野の上に倒れ込み、汗まみれになって胸郭を大きく上下させている茅の髪の毛を、荒野は優しく手で撫でつける。
「茅……いった?」
「……ん……」
 茅は、まだ、汗に濡れた肩を大きく上下させている。
「……たぶん……頭が白くなって、なにも考えられなくなって……荒野とする時と同じようで、違うような……」
「……自分でこういうこと、したことある?」
「……オナニー、のこと? そういうのがあるのは知ってたけど……する必要性は、感じなかった……」
「……そうか」
「……こういう気持ちの良さ、知ったの……荒野としてから……荒野と長い間離れてたら……自分だけで、するかも知れない……」
「……おれ、茅のたがを外しちゃったみたいだな……」
 常人の半分強の時間で急速に体を成長させ、自分の異常についてもあまり自覚していなかった茅は、体の成熟に比較して、さまざまな部分を欠落したまま、ここまで来てしまった。荒野との行為がいい刺激となり、茅の体がその落差を急速に埋めようと、内部で蠢きはじめている……と、そういうことなのではないか?
「……茅……おれたち、勘違いしていたかも知れない……」
「……え?」
「茅は……こっちの方面に関しては、なんの暗示も方向付けも、なされていないのかも、知れない……」
「……え? じゃあ……」
 茅が、荒野の言わんとするところを理解しはじめ、目をまん丸に見開く。
「うん。ひょっとすると……今まで茅が無意識に封印してた欲望……おれが解放して……ただ単に、一時的に抑えが効かなくなっただけなのかも……」
「……いやぁ!」
 真っ赤になって荒野から顔を反らし、ベッドからも逃げようとする茅の体を、荒野は後ろから羽交い締めにして押さえつけた。
「……いや、逃げなくていいから。産まれてからずっと押さえつけてきたのが噴出すれば、あんなもんだって! それに、おれ、えっちモードの茅も好き! それに、……」
 荒野は、すっかり硬くなっている自分のものを、背後から茅のお尻に押しつける。
「……おれのほうも、そろそろどうにか発散させないと、どうしようもような状態になっているんだけど……」

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blog紹介 「★凡OLゆみこの…猜疑心のかたまりっ♪★ 」

blog紹介 「★凡OLゆみこの…猜疑心のかたまりっ♪★

こんにちは( ´∀`)ノ 若いうちの記念に撮ってもらってるヌードを載せています( ´∀`)b 某チャットでPMしてくる方、当方、女性平均よりかなり堅いので無理ですw

ってことで、素人女性さんのヌード写真が30枚置いてあります。

でも、
 この、作品30を持ちまして、更新はおしまいにしようと思ってます。
黙って放置しとこかなぁ、ってのも思ったんですが、
これからしばらくは最後に更新した写真がTOPにくるなぁ…と思って、
ずっと作品29でお出迎えはあまりも失礼だろ、って事で貼りにきた
だけなんですけどね^^; 自信作じゃないのが残念ですけど、
最後にふさわしい、最もシンプルなポーズがあったのでこれにします。

 これ、見てる方は「辞める」ってどこか寂しいイメージで捉えるかも
知れませんが、当人そんなに思い入れもないのでご心配なきようw
多分、普通の人よりバーチャルに重きを置いてない人ですので^^;
じゃー黙って辞めなさい…って言われそうですが、
ここまでアクセスがあると、それも失礼かなと思いまして^^;

ってことで、これ以上の更新はない模様。

写真観ていただければわかると思いますが、モデルさん、若いです。
二十歳いくかいかないか、って感じですかねぇ……若いと言うよりは、幼いって感じもちらほら……。
まあ、だから、というわけではないですけど、割と「ものの弾み」で初めて、飽きたから辞めた、ってノリだと思います。
大抵、こういう写真公開する人っていうのは、ナルシスト入っていたりでなければ、ファッションとかシュチュエーションとかになにかしらの拘りがあったりするわけですが、そういう「濃い」部分が、このブログには欠落していて、そういう「薄さ」というか「普通の若い女性」がこれといったモチベーションもなく、「なんとなく」で自分の写真公開しちゃっているところに、個人的には興味を覚えます。

……こういうブログなりサイトなりご存じの方いらっしゃいましたら、こっそりこのスレッドにコメントつけてお教えいただければ幸いです(笑)。
ということで、タレコミ歓迎。

今、コメントとかトラックバック来ても管理人が許可しない限り、このblogには反映しないモードになっている(業者やスパム、時折どっと来るんです。こんなblogでも)ので、匿名希望の方はその旨意志表示していただければ、考慮いたしますヨ。


immoral_zex.jpg


彼女はくノ一! 第三話 (34)

第三話 激闘! 年末年始!!(34)

 驚いたことに、野呂の速度は以前より増しているくらいなのに、荒野は平然とその野呂に併走している。それどころか、走りながらも、なにやら野呂と会話さえ、はじめた。
 楓と二人とは、まだまだ距離があるので、会話の内容までは聞こえない。
 荒野がことさら平然とした様子をみせ、野呂が少し感情的な反応を見せはじめたことは、みてとれる。
『……くそっ!』
 引きつる脚に気合いを込めて、楓はさらに速度を増す。
『やはり、六主家の者には……』
 ……適わないのか……。
 そう思うと、悔しかった。さらに、楓の速度があがる。
 限界以上に酷使しているため、体中の組織が酸素を求めて悲鳴を上げているような気がした。
 楓の見通しでは、先ほどの攻撃で「詰み」だったので、二連もっていた六角も使い果たした。
 仮に、今の楓が野呂に追いついたとしても、野呂に攻撃はおろか、抵抗すべき手段も道具も余裕もない。
 それでも、楓は野呂の背中を追尾している。
 半分以上、意地になっていた。
 楓は、「これまでの生涯で、これほど懸命に走ったことはない!」、というくらいに、必死になって足を動かした。びゅんびゅんと目にする背景が後方に飛んでいき、いつの間にか、野呂のすぐ後ろについていた。
「……仲間……仲間……。
 仲間、ねぇ……あいつら、おれの仲間ってことになるのかなぁ……」
「だから、考えるのは後にしろって! まずは、やつら止めてくれって!」
 酸欠でぼうっ、とした頭に、荒野と野呂の声がぼんやりと響く。
 意味は、うっすらとしか理解できない。
「いや、仲間かどうかいまいち自信がないし、止めても聞く連中かどうかわかんないけど……」
 荒野はそういって、いきなり楓のほうに振り返った。
「……と、いうことだからさ、楓。
 とどめを刺すのは、やめておいてくれないか?」
 不意に話しかけられたことで、意識が明晰になる。自分が「いま・ここで・なにを」しているのか、瞬時に思い出し、楓は視界に入った情景を走査し、その情報を咀嚼、不自然な印象を受けた箇所(一瞬、きらりと光った、あれは……ひょっとして……)について、足を止めて言及する。
「……攻撃を止めるのは、いいんですけどぉ……」
 自分の声を聞き、『なんでこんなにのほほんとした口調なんだろうな』と、楓は思った。
「……それよりも先に、帽子の人も、足を止めたほうが、いいと思います……」
 次の瞬間、野呂は、自分自身が所持していたグローブで仕掛けられた、ごくごく原始的なトラップに引っかかり、見事に蹴躓いた。
 悲鳴の上げ方といい、十メートル以上もすっ飛んでいった様子といい、その時の野呂の様子は、いかにも間が抜けていて……ついさっき、楓が六主家に対して抱いたコンプレックスがアホらしくなるくらいに、無様だった。

 後で知った情報をとりまとめると、どうもこういう事らしい。
 野呂のグローブを使ってトラップを作ったのも、才賀孫子に野呂の居場所を携帯電話で指示したのも、全て、加納茅。
 無邪気にVサインを作る茅をみて、
『とっさの対応で、よくぞそこまで……』
 と半ば感心し、半ば呆れる楓だった。
 三島が野呂の事を携帯電話で荒野に通報してから、まだ五分もたっていない。茅の機転の利いた判断は、だいたい瞬時に思いつき、実行に移された……ということになる。
 しかも、茅は、楓や荒野のように、訓練を受けた人間ではない……(と、思う)。いきなりの実戦で、これだけ冷静に周囲の状況を把握し、着実に打てる手をうつ判断力と実行力……楓は、今回の件で茅が見せつけた意外な資質に、戦慄さえ、覚えた。
 松島楓は、本来、加納茅を警護するために派遣された。現地である此処で、楓の指揮者である加納荒野がそのことを重視していない傾向はあるが……楓自身の認識では、派遣された当所の指令は、生きている。その、警護する対象である茅の、意外な器量をこうした形で不意に見せつけられると……楓にしてみれば、心中は結構複雑である。
「荒野や茅のように、しっかりした方々にお仕えできてよかった」
 という思いがある一方、
「……わたし、ひょっとして必要ないんじゃあ……」
 という想念も、湧いてくる。

 体を使うことに関しては、荒野に適わない、
 状況判断に関しても、茅には適わない、ということが、今、判明した……。

『……此処では、お二人の手駒になりきろう……』
 そう思って無理に自身を納得させる、松島楓だった。

 楓がそんなことを考えているうちにも、関係者の面々はだらしなく逆さ吊りになっている野呂良太の周囲に集まってくる。野呂良太は、自分のグローブの糸を足に絡ませ、身動きを封じられた上で、電信柱に逆さ吊りになっていた。
 目を凝らしてようやく視認できる細い糸……が絡まった野呂良太の足の部分は、スラックスの布地がずたずたに引き裂かれている。その中の肌も、血はにじんでいるものの、あまり深く切れていないのは、とっさにその部分の筋肉を緊縮させたからだろう。出なければ、脛の肉をごっそり抉られていてもおかしくはない状況だった。この辺、多少無様ではあっても、流石六主家、というところか……。
「……おーい。帽子のおっさん! 生きてるかー!」
 スーパーカブを手で押して近づいてきた羽生譲がそう声をかけると、
「……一応……」
 野呂良太は、答えた。憮然、という言葉が、まさにしっくりくる表情をしている。
 その後、「もともと敵意はなかった」という野呂の言葉を荒野が容れる形で、野呂良太は、当面「客分」として遇されることになった。
 口には出さなかったが、
『……加納様は、寛大な方だ……』
 と、半分は不満混じりに、楓は思っている。不法侵入者はどう料理してもいい、というのが、楓の基準だった。もちろん、そのように教育されていた結果、なわけだが。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(11)

第四章 「叔父と義姉」(11)

 茅の要求に応える形で、荒野は茅に顔を近づけた。
 茅は目を閉じて、舌先で荒野の口唇の輪郭を辿るように、ねぶる。舌を荒野の口の中に侵入させ、荒野の歯や歯茎の間を、丁寧に辿る。口唇と口唇を密着させ、二人の唾液を交換し撹拌する……。
「……茅、本当にキス好きな」
「……ん……」
「……でも、続きは、後でゆっくりとな。
 湯冷めする前に、髪を洗ってやろう。久しぶりに。切ったとはいえ、まだまだ一人でやるの大変だろ?」
 荒野は茅に有無をいわせず、茅の両肩を押し下げて、茅の体をお湯につける。自分は湯船から出て、シャンプーなど「茅の洗髪セット」を準備しはじめた。
 茅は思いっきり不満顔で、口を尖らせて「ぶー。ぶー」とわざとらしく発声していたが、それは無視した。
「……こんなところでやりたくないっていたの、茅だろ……」
 荒野はそういいながら、茅の髪にシャワーをかける。
「……ひょっとして、荒野……我慢の限界だったの?」
「……さぁ……」
 荒野は、とぼけた。

 頭だけを湯船から出した状態で荒野に髪を洗われた後、茅は湯船から出て全身を丁寧に洗われた。シャワーで泡を洗い流した後、再び湯船に放り込まれた。
 茅が、
「荒野の背中、流すの」
 といっても、荒野は、
「今度な。今日は、茅の体が冷えているから、駄目」
 と、簡単に答えただけで、自分の体を手早く洗いはじめた。

 二人で風呂から上がると、バスタオルで全身を拭うのももどかしく、いちゃいちゃとお互いの体をまさぐったりキスをし始める。二人とも、欲情の火は完全に点火していた。
「……荒野……だっこ……」
「……甘えん坊め……。
 茅、軽いからいいけど……」
 荒野は火照った茅の体を軽々と持ち上げて、ベッドの置いてある部屋へと運ぶ。
 初めて結ばれた一昨日、茅の不自然な狂態に流された昨夜とは違い、昼間のうちにお互いの事をたっぷりと話し合った今夜の二人は、相手に対する信頼感も、精神的な余裕も、以前よりはよっぽど増していた。
 荒野が両腕で横抱きに茅の体を抱き上げると、
「……お姫様抱っこ……」
 茅が、ぽつりという。
「ん?」
「こういうの、そういうんだって。
 先生が、いってた……」
「……あの先生がくだらないこといったら、今度もまた、この間のように蹴とばしてやるといい……」
「……くだらないの? お姫様抱っこ」
「抱っこという行為には、罪はない。
 ただ、このような行為を『お姫様抱っこ』と称してくだらない意味づけをしようとする感性は、唾棄すべきだと思う」
「……むぅ。荒野のいうこと、難しいの。
 荒野、抱っこ、嫌い?」
「……されたの……ガキの頃だからな……憶えてないし……。
 茅をこうするのは、嫌いではない」
「……わかった。
 荒野、素直じゃない」
「……それでいいよ、もう」
 荒野は茅の体をベッドの上に放り出した。

「荒野もこっちくるの」
 ベッドの上の茅が、手招きをする。
「はいはい。お姫様」
 荒野は、素直に茅の横に添い寝する。
「……荒野の体、温かい……」
 茅は、すぐに体をすり寄せてくる。
「風呂上がりだから。茅だって、ぽかぽかしてる」
「ん。二人とも、ぽかぽか」
 荒野は二人の体に布団を掛けた。
「……そういや、前から寝る時、茅が裸で抱きついてきたの……抱き枕じゃなくて、湯たんぽ代わりだったんだよな……考えてみれば……」
「ん。荒野、ぽかぽか」
 ……荒野は、時々、茅の無邪気さが怖くなる。
「……ま、いいけど……んんっ!」
 茅が、荒野の顔を両手で挟んで、口唇を奪う。ねっとりと、舌同士を絡ませる。
「……荒野……お風呂で茅に意地悪したから、お返し……」
 そういって茅は荒野の胸板の上に身を投げ出した。
「……今度は、茅が荒野をいじめるの……」
 至近距離に、茅の潤んだ瞳がある。
 茅の体が、重力に押されて、荒野の体に押しつけられてる。
 茅の、乳房も、陰毛も……その下の湿りも、余すところなく荒野の体に密着している。

 茅の吐息も体も、熱かった。

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彼女はくノ一! 第三話 (33)

第三話 激闘! 年末年始!!(33)

 試着中に珍事が起こったので、松島楓はメイド服のままだった。そんな服装の時でも、楓は投擲用の武器、六角を二連四十個をスカートの中に隠し持っていた。基本的に楓は、丸腰になることを恐れる。風呂に入る時以外、その程度の武装は当然のもの、と、認識している。
 六角は、鉛その他重金属の合金でできた、長さ三センチほどの六角柱で、天井と底辺は錐状に尖っているが、刃物ではない。拳銃弾よりはよほど質量があり、熟練した術者が投げれば、当たった物、ないしは者、に、シャレではすまされないダメージを与える。
 通常、六角を携帯する時は、六角の中央を数珠繋ぎにして紐で二十個ほど結び、「一連」とする。銃器でいえばカートリッジに当たし、この一連自体を振り回しても、鞭状の鈍器として機能する。紐は、一瞬にしてばらせるようにもなっているし、同時に、端から一つ一つの六角を取り出して使ってもほどけないように、縛り方が工夫されている。

 その剣呑な六角を、立て続けに三つ、メイド服姿の松島楓は、ロングコートにソフト帽の不審者にめがけて、躊躇なく投擲した。
 楓の判断基準によれば、「不審者=敵」であり、その正体を詮索するのは、倒した後、ないしは、無力化した後でにでも、ゆっくり行えばいい……と、思っている。
 楓の狙いは正確で、投擲された六角の速度も、決して緩やかなものではなかった。楓は、確かに必殺を期して、三発、時間差を置いて六角を投擲にした! にも、関わらず……すんでのところで、ではあるが、コートにソフト帽の男は、楓の攻撃を、いなした。

 楓の有効射程範囲に男の姿をとらえた時、、男は、各階のベランダの手摺りを足場にして昇っていく楓に背を向けて、落下している最中だった。
 が、すぐに、男は不自然に軌道を変える。
 なにかを手繰るような動作をして、男が落下してきた三島の部屋のベランダから十メートルほど離れた非常階段の手摺りに、とりつく。
 おそらく、目に見えないほど細い糸かワイヤーを使用しているのだろう、と、楓は推察した。珍しい道具だとは思うが、充分な強度を持つ糸状の物を、それりの筋力を持つ、習熟した物が扱えば、物理的に不可能なわけでもない、と判断する。

 楓は、男が非常階段の手摺りに取り付き、起きあがろうとする時、男の手がふさがり、無防備になる瞬間を狙って、三発の六角を投擲する。全て、男の首の根本……多少狙いをそらされても、甚大なダメージを与える筈の場所……に当たるように、投げつけた。

 背中を向けたままの男がどうやって察知したのか、楓のほうを振りかえりもせずに、初弾の六角を、グローブをはめた右手の甲で、弾いた。
 二弾目を、素早く体を起こすことで回避し、続いて、非常階段の手摺りに足をかけ、半身を起こし、半ばこちらの方を向いた不自然な姿勢のまま、最後の六角も、右手で弾いた。
 最初の六角を弾いた際、グローブの填め方が緩くなったのか……最後の六角を弾いたと同時に、男の右手からグローブがはずれ、下の植え込みのほうに飛んでいったが……。
 そんなことよりも、男の卓越した俊敏さと勘の良さに、楓は愕然とする。

 ……楓の知るどんな一族の関係者も、ここまで迅速な対応はできまい……。
 ……そもそも、背後から飛来する六角の存在を、いったいどうやって察知したのだろう……。

 楓自身、一般人と比較すれば、十分に卓越した身体能力の持ち主だといえるが……その楓と比較しても……ろくに視認もせず、不意に、死角の背中から高速で飛来しる六角を感知し、かわしきったその男の能力は……一族の基準からしても、破格、なものに思えた。

 男は、楓の攻撃などなかったように、悠々と、完全に非常階段の上に降り立つ。その時、男ははじめて楓と向き合い、一瞬、確かに、視線が絡み合う。
 男は、にやりと笑う。
 そして脱兎のごとく、足音もたてず、滑るような動きで、階段を駆け下りはじめた。
 むろん、速い。
 踊り場から踊り場まで、一秒もかけていない。
 男は、腿の動きが視認できないほど高速で足を動かし、一段一段階段を下りているようだった。セオリー通り……男の脚力からすれば、一足飛びに飛び降りて……自由落下の速度に任せるよりは、よほど早かったはずだ。

 その後を、非常階段に飛び込んだ楓も追う。
 楓のすぐ後に、荒野が続いている気配があった。荒野は何故か、気配を絶っていない。
「……野呂……」
 後方で、ポツリ、と荒野がいった。
 楓に聞かせるための言葉だろう。小さな、ともすれば聞き逃してしまいそうな呟きだった。
『……あれが……』
 楓は納得した。
 六主家の中で、速度と五感の鋭敏さを特化して伸ばしてきた血族……。
『……やはり、六主家は……凄い……』
 楓は、六主家の人間には、荒野と涼治の加納の者にしか会ったことがない。今追っている野呂で三人目、加納以外の者では初めて、ということになる。
 その三人ともが、会っただけで格の違いを見せつけられ、圧倒されるような……そんな存在だ……と、思った。

 それでも、楓は足を緩めなかったが。
 ……雑種には雑種なりの、意地というものがある……。

 楓が追う男……荒野の言葉によれば、野呂……は、最初の内、気配も絶たず、電線の上を遁走していた。たしかに、直線的に距離だけを稼ぐのなら、その方法でも、いい。また、野呂の速度に容易に対応できる追跡者も、希だろう。
 しかし、すぐに……才賀孫子の手によるもの、と、思われる射撃がはじまった。
才賀孫子の、だろう。楓は、荒野たちのマンションの部屋を飛び出す時、茅が才賀孫子になにか大きな塊を手渡していたことを、思い出した。
 銃声はないが、野呂が気配を絶ち、ランダムに進路を変えるようになり、走りやすい電線の上ではなく、高低差のある屋根の上を走るようになっている。
 
 野呂が、そうした迂遠な経路を取りはじめても、楓はなかなか野呂に追いつけなかった。
 ……まったく、なんていう脚力だろう。
「最速」の呼び名は伊達ではない、と、楓は思った。

 すると不意に、前方を行く野呂の足が、ほんの一瞬、止まる。
 続いて野呂は、前進するのをやめ、近辺で数メートルほどいったり戻ったり、という不可解な動作をしたとかと思うと、身を踊らせて、路地に着地した。
 何とか追いついた楓は、そのあたりで一番見通しのいい……言い換えれば、一番狙撃に適した……電信柱の頂上に陣取り、
「……もう、逃げられないのです!」
 と、通告した。
 内心では、「ここで止まってくれてよかった」と思っている。酷使された楓の両足の筋肉が痙攣しそうになるのを、必死で抑えていた。
 
 楓が位置から路面上の野呂までは距離があり、なおかつ、楓のほうが「上」にいる。
 武器の投げ合いになっても、重力の加速が味方する分、楓が有利な筈だった。六角も、まだ一連以上の残弾がある。
 男……野呂は、楓を見上げ、なにもいわず、不適な笑みを作る。
 懐に手を入れて、自分の得物をとりだすのか、と思ったが、野呂はそうはせず、グローブを填めた左手を奇妙な具合に構え、そのまま無造作に地を蹴った。
 無造作に跳躍した割に、野呂の脚力は強力だった。無着地で楓の脇をすり抜け、あっという間に楓の後方に出られる軌道を描いて、野呂は跳んでいた。
『……愚かな……』
 思いつつ、楓は手持ちの六角全てを、野呂の周囲に放つ。
 六角を結んだ紐をほどき、一端だけを指で摘み、強く引きながら、投げる。
 そうすることで、一連二十発の六角が、六角錐の面を野呂に向け、回転しながら殺到する。続いて、十七発残っている分も、放つ。
 計三十七の六角は、野呂を中心とした円状に、うなりを上げて、散っていく。例の糸を使って野呂が多少軌道を変えても、逃れることはできない筈……だった。

 しかし、その円状の段幕は、瞬時に、中心から崩された。
 中心にある六角が、周囲の六角にぶつかり、巻き込みながら、外へ外へと向かっていく……。

「なかなか楽しかったぜ、嬢ちゃん」
 楓の予測した通りの軌道を通って、楓のすぐ横をすり抜ける時、野呂は、そう囁いて、楓の背後に消えた。
 同時に、「しゅる」という、なにの摩擦音が聞こえたことで、楓は、野呂がどういう手段を使って、楓の段幕を逃れたのか、漠然と想像することができた。

 糸だ。
 あのグローブで、操っているのだろう。強靱な、糸。それだけでは操りにくいから、先端に小さなアンカーくらいはついているのかも知れない。
 それを使って、六角の……回転方向に、余分な力を加えたのだ。
 たしかに、飛来する六角の進行方向を反らすだけなら、たいした力は、いらない。
 しかし、あれほどの短時間で……しかも、向かってくる六角と交差するようにそれを行ったとなると……そんな単純な操作も、ほとんど瞬時に行わなくてはならないはずだった……。
 それを、男は、野呂は、「出来る」と確信した上で、悠然と行った……。

 ……人間業では、ない……。
 ……これが、六主家の、実力……。

 楓は呆然としていた。隙だらけもいいところだ。
 しかし野呂は、そんな楓を攻撃しようとはせず、ただひたすら逃走しただけだった。

 おかげで、はっとした楓が振り向いた時には、野呂の背中は、かなり小さくなっていた。
 その背を、荒野が追っていることに、楓は気づいた。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(10)

第四章 「叔父と義姉」(10)

 茅に「一緒に風呂に入ろう」と誘ったのは、どういうことをすれば茅のスイッチが入るのか、早めに確認したかったから、という理由もあった
 荒野とて若い男性であり、茅が、こちらが刺激すれば、いつでも過剰に反応する……という状態について、決して喜んでいないわけではない。が……茅の意志や主体性を無視してまで、快楽にふけるほどには貪欲ではなかった。
 だから、「茅が、いつもの茅で居続けられる条件」を、早めに確認しておく必要があった。

 洗面所も兼ねている脱衣所に移動し、二人で服を脱ぎ、全裸になる。まだ、茅は大丈夫。
 この時、荒野は、久しぶりにまじまじと茅の全裸を見た。茅を抱いた昨日と一昨日は、視覚以外の知覚で茅を味わうのに夢中になっていて、実は、あまりよく見ていない。
 全体的に小ぶりだが、均整のとれた肢体。白磁を思わせる肌。対照的に黒々とした、艶やかな髪と陰毛。脂肪の薄い、伸びやかな手足。しかし、腰と胸は相応に膨らんでいる。茅自身は気にしているようだが、胸も、意外に大きい……と、思う。大きすぎる、ということがないだけだ。なにより、形がいい……。
「……まじまじみないの……」
 茅が、荒野の視線から体を隠すように自分の肩を抱き、後ろを向く。
「……茅、まだ、大丈夫?」
「……うん。平気」
 茅は、荒野の意味をすぐに察した。
 全裸になって向き合ったくらいでは、まだスイッチは、入らない……。
「……早めに、どういう条件でああなるのか、確認しておきたかったから……」
「……うん。わかった……あのね……ああいう状態になるのが、いやなんじゃないの……。茅、ああいう風になると、茅が茅じゃなくなるような気がして……こうして、普通に一緒にいる時の荒野への気持ちまで、誰かに作られたニセモノの気持ちなんじゃないかって気になって……それで、すっごく寂しくって、悲しくなるの……」
「……うん。わかっているよ……」
 そういいながらも、荒野は、
『……本当におれ、茅の気持ちが分かっているのか?』
 と、自問している。
『……茅は、今の自分の人格そのものが……あらかじめ誰かに設定された、偽の人格なのではないかと、恐れている……』
「……でも、茅……今、おれとこうして触れあっている感触は……本物だ……」
 荒野は、茅の肩に腕を廻し、そっと抱きしめる。
「それと、今この時、茅とおれの気持ちも、本物だ……だから、これから、二人で本物の気持ちを、いっっぱい積み上げていこう……今まで茅が埋まって、意味がなくなるくらい、いっぱいいっぱい、二人でいろいろな思い出を作ろう……いろんなことを、体験しよう……」
「……荒野……まだ、大丈夫なの……自分で、いられる……」
 裸で抱き合っても、まだ大丈夫だ……と、茅はいった。
「荒野……キスして……」
 荒野は、茅のいうとおりにした。

 長々と口唇を重ね、顔を離す。
 茅は、頬を染めながらも、まだ、正気のようだった。
「……茅……荒野とのキス、好き……」
 半ば焦点のあっていない瞳で荒野の顔をみて、そんなことをいう。
「……もっと、して……」
「……いくらでもするけど……」
 荒野は、茅の体を軽々と持ち上げた。
「……その前に、湯船に入ろうな……風邪ひいちゃう……」
 茅の体を抱き上げて、浴室に入る。狭いユニットバスだが、密着すれば二人で入れないことはない。
 茅が、狭い湯船の中でもことさら荒野に体を寄せ、キスをせがんだ。
「……茅、本当にまだスイッチ入ってない?」
「むー!」
 茅は、怒ったようにそういうと、荒野の首に抱きつき、荒野の顎を掴んで強引に口を開かせると、その中に自分の舌を割り込ませた。荒野は、自分の腹の上にある茅のお尻を掴んで、茅がずり落ちないようにしなければならなかった。
 ……はぁ。はぁ。はぁ。
 と、息を荒くしながら、茅はいつまでも荒野の口の中をねぶっている。ぴちゃぴちゃという水音が狭い浴室に響く。
 荒野は、茅のお尻を押さえていた指を少しずらし、茅の女陰に触ってみた。そこはすでに濡れていて、荒野の指先が襞に触れると、茅はびくんと体を大きく震わせた。
「……荒野の……えっち……」
 抗議しているのか媚びているのかわからない口調で、茅がいう。
「……まだ、平気?」
「……ん。まだ……普通の……だと思う……」
「普通に興奮しているの? 茅?」
「ぃやぁ!」
 荒野の指が陰核に触れたため、茅は一瞬飛び上がった。
「……や……いやらしいこと……いわないで……」
「……じゃあ、いやらしいところ、触る」
 荒野は、自分の上に乗っている茅の体を支えながら、茅の陰部を本格的に指で弄りはじめた。
 ……ぁっ。ぁっ。ぁっ……。
 と、細く喉をならしながら、荒野の指の動きに合わせて、茅の華奢な白い肢体が、荒野の上で、跳ねる。
「……やっぱり、茅、感じやすいのな……」
「……やぁっ! 荒野だから! 荒野だからこうなるの!」
 茅は、長い髪を振り乱して、いやいやをするように首を振り続ける。
 茅をもっと乱れさせたい、という強い欲求もあったが、荒野は、ぴたりと動きをとめた。拗ねたような顔をして荒野を上目遣いにみる茅に、荒野は、
「……まだ、大丈夫みたいだね?」
 と尋ねた。
「……う……うん……」
 当初の、「どこでスイッチが入るのか」という条件を探る、という目的を失念していた茅は、ばつが悪そうに目をそらした。
「……まだ、大丈夫……」
「……やっぱ、挿入がスイッチなのかな……でも、ゴムは持ってきてないし……」
「や。こんなところでは、したくないの……」
 ……その前に、もっとキスして……。
 と、茅は、さらに荒野にせがんだ。

 再び長い口づけを交わした後、
「風邪引くぞ」
 といって強引に茅の体の向きを変え、肩を押し下げて茅の体を湯につける。浴槽が小さすぎて、二人一緒だと茅の体が入りきらない。それでも、荒野の胸と茅の背中を密着させるようにして、できるだけ茅の体をお湯につける。
「……茅、小さいって気にしているようだけど……」
 先ほどから自分の胸板に押しつけられていた茅の双丘に背後から手を伸ばし、表面に指をはわせる。
「……十分、大きいと思う……それに、形も……」
 荒野の指先が、すぅーっと触れただけでも、茅の肩が震えていた。
「……感度も、いいし……」
 荒野が指先で、茅の乳首を摘むと、茅は頭を仰け反らせた。さらにコリコリと指先に力を込めると、茅は、仰け反らせた喉から「ふぁ。ふぁ」という喘ぎ声を漏らす。茅の髪が荒野のほうに押しつけられ、胸板と首に艶やかな感触を感じる。
 茅は中腰になって、荒野の愛撫から逃れようとする。
 それを、荒野の腕が、後ろから押さえ、逃がさないようにする。
「……乳首の色、薄いし……」
「……荒野……いじわるなの……」
「茅が可愛すぎるから、いじわるしたくなる……」
 後ろから、長い髪をかき分けて、荒野は茅のうなじに口をつける。
 ビクン、ビクン、と、茅の体全体が、また震えた。
「……茅、まだ大丈夫?」
「……はぁ……まだ……ん……気持ちいいけど……大丈夫」
 茅は、後ろから押さえつける荒野の腕を強引にふりほどき、荒野と正面から向かい合った。
「……もう、荒野の指……気持ち良すぎ……今度は、茅がやるの……」
 自分から荒野の腕の中に入り込み、ついばむようにキスをした後、手を下に降ろしながら、荒野の首筋や鎖骨を口でなぶっていく。
「……荒野も……こんなに大きくして……」
 茅の手が、荒野自身を握りしめている。力を込めているようだが、茅の握力だと、あまり痛くはない。
 茅は先ほどまでの愛撫の余韻か、それとも自分自身の行為に淫しているのか、はぁはぁとあえぎながら荒野自身を握りしめ、ぴちゃぴちゃと水音をたてて、荒野の前面に舌をはわせていく。
 茅の頭は、荒野の胸、鳩尾、腹……と、どんどん下がっていき……。
「……これ、荒野の……」
 明らかに発情しているとろんとした瞳で、自分で握りしめている荒野自身の先端に顔を寄せる。
「……荒野……ここに、座って……」
 茅は荒野の股を両腕で持ち上げて、荒野も茅が導くままに、浴槽の縁に腰掛ける。
 腰掛けた荒野の前に跪いた茅は、両手で握りしめた荒野自身の先端をちろちろと舌で刺激した後、すっぽりと口の中に含んだ。
 じゅっ、じゅっ、じゅっ、と音をたてながら茅は、荒野をくわえ込んだまま、首を上下に降り始めた。

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彼女はくノ一! 第三話 (32)

第三話 激闘! 年末年始!!(32)

 入ってくる早々、炬燵に手足を潜り込ませた加納荒野に楓の東京行きの件を切り出すと、「……それは別に構わないけど……」と快諾し、その後、
「……おれ、楓に携帯電話持っているかどうか聞きにきたんだけど……」
 と、この家に出向いてきた用件を述べはじめる。
「これから緊急の用件なんかが発生することもあるだろうし……。うん。楓が持っていないようだったら、楓名義の、東京から帰ってくるまでに用意しておこう」
 楓が携帯電話はもっていない、というと、荒野はそういいながら一人頷いた。
「……ついでに……」
 茅が前に着ていたメイド服を貸してくれないか、と、羽生譲は荒野に重ねてお願いした。コスプレ、というほどのことでもないが、売り子の衣装としては、目立つに越したことはない。
「……うーん……あれ、茅、気に入っているみたいだから……どうかなぁ……」
 そんなことを言いつつも、荒野は、即座に茅に電話をかけて、確認してくれる。
「茅、いいって。それから、皆さん、夕食の準備まだですか? まだだったら、茅の料理一緒に食べて欲しいんですけど……」
 しばらく電話で茅と話した後、荒野はそんなことをいいはじめた。
「茅、最近料理に凝っているんですけど、練習熱心過ぎて、時々、作りすぎるんですよ」
 夕食の支度はまだだったので、全員でぞろぞろ荒野たちのマンションに赴くことになった。

 全員で荒野たちの部屋に入ると、メイド服を着た茅が出迎えてくれて、紅茶をふるまってくれた。茅がいれてくれた紅茶を楽しみつつ、試着、と称して、何故か女性陣が交代でメイド服に着替えはじめる。茅よりも背丈がある羽生譲が着ると、「なんとか着れないこともない」といった感じで、縦方向のサイズが圧倒的に足りなかった。スカートの部分が、ミニに見えてしまう。茅とほぼ同じ背丈の楓が着た場合、少しきつい部分もあったが、おおむねサイズ的にぴったりで、よく似合ってもいた。才賀孫子は、「使用人の服なんか」とかいいながら、決して袖を通そうとはしなかった。
 そんなことをしながら、和やかに茅がいれてくれた紅茶を堪能していると、荒野に電話がかかってきて、その電話を受けた荒野は、血相を変えて、もの凄い勢いでマンションの部屋を飛び出した。
 加納香也や羽生譲の耳には、三島百合香の声で、「……のろが……」とか聞こえたような気もするが、ごくぐく短い時間のことだったので、鮮明な記憶はない。
 その電話に反応したのは荒野だけではなく、座っていた茅も飛び起きて、普段の穏やかさとはうってかわった俊敏な動作で隣の部屋に飛び込む。松島楓に至っては、なぜかベランダに向かって走りだし、なんとそこから、外に向かって飛び出した。
 慌てて香也が後を追って見上げると、メイド服を着たまま、楓はするするとベランダの手すりを手がかりにして、上へ上へと伝い上がっている。
 五フロア上にある三島の部屋にむかっているようだった。
「これ、才賀の! 羽生、来て!」
 凛とした茅の声が聞こえたので振り返ると、茅は、羽生譲の手を引いて、荒野が出て行ったとき開けはなったままのドアから外に出るところだった。
 茅からごついライフルを渡された才賀孫子は、はじめ狼狽した様子を見せたが、同じく一体なにが起こり始めているのか理解していない加納香也の視線に気づくと、急にしゃんとした表情になり、
「なんで、わたくしが……」
 才賀孫子は、そんなことをいいながらも、ベランダにいる香也の隣に、肩を並べるようにして立つ。

 視線を上に戻すと、ちょうど三島の部屋からコートを着た人間が、こちらに背中を向けて飛び降りたところだった。思わず、
「あっ!」
 と香也が叫び声を上げのるほぼ同時に、コート姿は、くん、と、不自然に落下軌道を変え、非常階段の手すりに取り付いた。コート姿は慌てているのか、手すりから非常階段の上に乗り移る際、片手の手袋を落としたのが見えた。
 そこまで到達しかかっていた松島楓も、自力で、非常階段まで飛び移ろうとする。普通なら飛び移れない距離だったが、楓は、難なく非常階段まで跳躍した。
 コート姿は、楓から逃げるように、階段を下りはじめた。滑るような動きで、足音はたてていない。踊り場から踊り場まで、一秒もかけない非常識な早さだった。かといって、一気に飛び降りているようにも見えない。コート姿は、階段を下りながらも、時々、不規則に体を左右に振っていた。

 コート姿を追う、メイド服の楓。少し遅れて、いつの間にか姿を現した加納荒野が続く。
 ……どうやら、あのコート姿を、楓や荒野が追跡しているらしい……。
 ということを、香也がどうにか呑み込んだ瞬間、才賀孫子の携帯から呼び出し音が聞こえた。
『才賀! あのコート、撃って! 大丈夫。当てようとしてもあたらないから!』
 孫子の携帯から、茅のそんな声が聞こえる。
 孫子は、後半の「当てようとしてもあたらない」の部分で、表情を変えた。
 挑発、と、判断したらしい。
 即座に、本当に持っていたライフルを構えはじめ、驚いたことに、本当に引き金を引いて撃ち始めた。サイレンサーを装備しているのか、派手な銃声が響くこともなく、その代わり、孫子が引き金を引く毎に、「ぷしゅう、ぷしゅう」という間の抜けた排気音が聞こえる。同時に、才賀孫子の舌打ちも聞こえたので、茅の言うとおり、「当てようとしてもあたらない」らしかった。

 ……ある意味、分かりやすい性格だよな、彼女……。
 とか思いつつ、荒野は、持ってきたスケッチブックを広げ、孫子の「射撃のポーズ」をデッサンしはじめる。
 他ではまずお目にかかれないモチーフであるし、このような場では、自分は役立たずのお荷物である、という自覚もある。だとするなら、騒ぎが収束するまでは、好きにやらせて貰おう……。

 いつの間にか孫子は、携帯電話に耳をあてながら、標準を修正するようになった。
 どうやら、茅が指示を出しているらしい。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(9)

第四章 「叔父と義姉」(9)

 茅とやりまくるのは荒野にしてみても望むところだったが、かといって、そういうことばかりをやり続けて生活をすることはできない。第一、これから二人への干渉が熾烈になると仮定するのなら……その対策は、たてておかねばならなかった。
「……と、いうことで、これから対策会議だ、茅。今は先生がいなくて、二人きりだけどな……」
 この頃には、荒野も茅のことを名実ともに「対等の相棒」として認めている。確かにどんなトラップが仕掛けられているのかわからないが……それでも、今までに茅が示してきた機知……例えば、野呂良太を向けたときのような、とっさの時の対応……と、荒野には見えない観点から情報を俯瞰する知性は、今後有力な戦力になるだろう……と、荒野は判断する。
「……彼らがなにを考えているのか、情報が不足しているので想像することはできないけど……少なくとも、すぐに、わたしたちに危害を加えてくることはないと思うの……」
 茅はいった。
 むしろ、急に茅が性的に貪欲になった暗示をかけたことなどで判断する限り……逆に、荒野と茅との間を接近させようとしている。
 何故かは、わからない。
 わからないことが、多すぎる。
「……同感。
 少なくとも、じじいは……どうみても、おれたちの生活を支援している。おれや茅、それに楓に対しても……不自然なほど……おれたちに、普通の……一般人の、年齢相応の生活を……させようとしている……」
「何故、という動機の部分はわからないけど、現在の状況から見ても、それは確か。
 でも、同時に涼治がわたしたちの居場所を故意に漏らしている、と野呂良太はいった……。彼は、信じられる?」
「信じられは、しない。それなりに使えるけど、金次第でどうっちにでもつくようなヤツだし……仕事を得るために、必要以上にこっちに揺さぶりをかけている節もある……。
 その、野呂の紹介だという東京の男も、どうみてもこちらの不安を煽るようなことばかりいっているように思う……」
「……じゃあ、荒野は、あの東京の男が、嘘をいっていると思う?」
「いいや。
 いささか想像力が逞しすぎる気もするが……彼の仮説は、慎重に考慮すべきだと思う。でも……」
「そう。
 彼の仮説が全て真相を言い当てていたとしても……わたしたちの現在の状況は、あまり変わらないの……」
「では、涼治が故意に漏らした情報を頼りに、すでに他の六主家が動いている、という野呂の情報を、前提として受け入れる。
 ガセだったとしても、それはそれで構わない。それくらいの用心は、すべきだと思う。
 その野呂は、二宮と姉がすでに動いているといった……。
 では、今の時期に動いた彼らの目的は、なに?」
「茅の件で彼らがどういう役割を果たしたのかわからない現状では、正しい判断を下すことはできないの」
「だけど二宮の、少なくともその一部は……親父の、仁明の首を欲しがっている。このことだけは、確かだよ……」
 荒野は茅に笑いかけた。様々な感情を含んだ、複雑な笑顔だった。
「彼ら……おれのお袋の身内にしてみれば、仁明は……おれの親父は、身重のお袋を放置して失踪した、裏切り者だからね……」

 茅との会議は一時間強で終わり、結局、
「可能な限り、現状を維持。
 他の六主家の出方には、その時その場で対応をする」
 という、無難な結論に落ち着いた。

 荒野は、こっちから他の六主家へ探りを入れることも提案したが、茅は「リスクが大きすぎるし、仮に成功したとしても、得るところが少なすぎる」として、却下した。
「わたしたちは平穏に暮らしたいだけ。彼らが、今後もわたしたちに働きかけてこなったら……それで構わないの。こっちからは刺激しないで……」
 そういわれれば、荒野にしてみても、引き下がるより他なかった。

 茅との二人だけの会議は、荒野にとってはとても心地よかった。茅の思考は概ね公正で感情にとらわれて事態を楽観しすぎたり逆に悲観しすぎたりすることがない。しかも、レスポンスがいい。茅と話していると、自分一人で思考を重ねているよりはよっぽど効率よく、現在の状況を俯瞰できるように思えた。
『……まるで、自問自答しているようだ……』
 というのが、茅との会議に対する、荒野の率直な感触だった。
「ひさびさに頭を使って気がするけど……楽しかったよ」
 茅には、正直にそういった。
 荒野がそういうと、茅は照れ笑いを浮かべて、
「もうご飯の時間だけど……なんの用意も、してないの」
 と、答えた。最近、茅は、荒野といる時、こうしたはにかむような仕草を見せることが多かった。

 冷蔵庫に残っていた材料で適当に晩飯をでっち上げて、二人で食べた後、荒野は、何の気なしに、
「久々に、一緒にお風呂入ろうっか?」
 と、茅に尋ねてみた。茅がまだ髪を切る前は、洗髪を手伝うために一緒に入っていたが、髪を切ってからは別々に入っている。
 茅は、観ていて面白いくらいに真っ赤になり、
「……でも、二人で裸になったら……また、我慢できなくなっちゃうの……」
 と、荒野の視線を避けて、蚊の鳴くようなか細い声で、ようやく答えた。
「いいじゃん。それならそれで、二人で楽しんじゃえば……」
 荒野は躊躇せずにいった。
「前にもいったけど、おれ、今の茅も、スイッチが入った時の茅も、両方好きだ。
 茅は、おれとやるのはイヤか?」
 茅は、真っ赤になりながら、それでも、ぶんぶん首を振った。
「……でも、荒野……茅が、これからどんどんいやらしくなっても……本当に嫌わないで……」
 半ば泣きそうになりながら、茅はそういう。
 茅は、本気で自分の身内から湧き出てくる不自然な衝動に悩んでいる。
 そうした部分も含めて茅を認め、満たし、安心させてやるのは、おれの仕事だ……と、荒野は思った。

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彼女はくノ一! 第三話 (31)

第三話 激闘! 年末年始!!(31)

 終業式、という儀式を終えて家に帰ると、まだ昼前だった。最近ではめずらしく、家には誰もいない。真理は遠出、羽生譲はバイト……あとの二人は、買い物か用事でもあるのだろうか、とか思いつつ、自分一人では昼食の準備をする気にもなれず、着替えてそのままプレハブに向かう。
 ガラリ、と庭の引き戸を開けると、才賀孫子と目があった。
「……あ……」
 孫子は、両手にキャンバスを持ち、顔をこちらに向けた姿勢で固まっている。
 どうやら、スチール棚に放置してあった香也の絵を見ていたらしく、完成品のキャンバスが、何枚か、床に立てかけてある。
 香也が学校にいっている間に、香也の絵を鑑賞していたらしい。
『……どうせ観るんなら、堂々と観にくればいいのに……』
 とか、思わないでもないのだが、今までの経緯もあるから、孫子の性格だと素直になれない部分もあるのだろう。
 孫子がしどろもどろに、
「……ここ、汚いわね。ろくに掃除もしてないでしょ。そう。掃除よ掃除。あんまりあちこちが埃かぶっているからこのわたくしが……」
 とか、言いつのろうとするのを、遮る。
「……あー……好きにみてて、いいから……」
 香也のほうにしてみれば、自分の作業の邪魔さえしなければ、周囲にいる誰がなにをしようが一向に構わないのだが……孫子のほうにしてみれば、自分には目もくれず、すぐにキャンバスに向かおうとする香也の姿にも、カチンとくるものがあるのだった。
「じゃあ、勝手にやらせてもいます!」
 孫子はそういって、スチール棚に放置してある完成品の絵を何枚か両手に抱えて外に出ようとすると、ガラリ、と引き戸が開いた。
「やぁ。ソンシちゃんもきてたのか。なに、絵、持ち出して。え? 掃除? 虫干し? ああ。今日、晴れてるからね。手伝うよ。うん。この間は、あんまじっくり観る時間がなかったから、ちょうどいいや……」
 制服姿のままの、飯島舞花と栗田精一だった。
 さほど親しくない飯島や栗田が手伝っているのを黙ってみているわけにもいかず……こうして何故か、香也も混ざって四人でプレハブの大掃除をすることになってしまった。
 まず、庭にビニールシートを敷いて、香也の絵を一枚一枚広げていく。
 昔描いた絵など、香也にしてみれば失笑してしまいたくなるくらいの稚拙さなのだが、飯島あたりはそんな未熟な絵に関しても、しきりに関心している。
 スチール棚の上がほぼ空になったところで、他の家具も同様に雑巾で丁寧に拭い、床も掃き清める。
 もともとさほど広くないプレハブを四人で分担して掃除するので、掃除自体は、小一時間もかからずに終わった。
 一段落して、大量の荷物を抱えた松島楓が帰宅してきた。
「……今日のお当番だったんで……」
 楓は文字通り、山ほどの食材を、両手で軽々と抱えていた。
 楓が「皆さん、昼食がまだなら、これから作りますから、こちらでご一緒したら……」みたいな誘い方をして、「あ。じゃあ、手伝う」と、飯島舞花も楓の後に続いて母屋の中に姿を消した。
 香也も風を通して寒々しいプレハブに戻る気にならず、他の人々と同じようにぞろぞろと母屋の居間に入った。
 味噌煮込みうどんの昼食をわいわいと騒がしく食べ終え、才賀孫子が「バイト代がはいったから参考書買いにいく」と席を立ち、飯島と栗田のカップルも「ちょっと庭で虫干ししている絵、みせてな。片付けるの手伝うから」と続いて席をたった。それを機に、香也もプレハブに戻ることにし、楓は、食器を片付けるために台所に入る。
 それから二時間ほどプレハブに籠もって作業をすると、「これ、棚に戻し解けばいいの?」と私服に着替えた飯島舞花が、庭に置いていた絵を抱えてプレハブに入ってきた。どうやら一度自分の家に帰って、着替えてきたらしい。
 香也と栗田も手伝って三人で絵を棚に戻し終えると、「これから二人で映画観にいく予定なんで」と、二人は狩野家から去っていった。
 ああいうところは、結構普通のカップルしているよな、と香也は思う。
 二人を見送り、プレハブに戻ろうとしたところで、羽生譲のスーパーカブが帰ってくる。
「寒い寒い」
 といいながら、庭に止めたスーパーカブから降りた羽生譲は、香也に向かって、
「くノ一ちゃんとソンコちゃん、いるかなあ?」
 と香也に尋ねた。羽生譲は、未だに「孫子」を「ソンコ」と呼び間違える。
 楓は居る、孫子は買い物にでて、帰っているかどうかわからない、と答えると、「そうかそうか。それはよかった」といい、「実は、コミケの売り子要員に予定していた子が、急に盲腸で入院してな。代わりの売り子、急いでみつけなけりゃならんのよ」と事情を香也に話した。
 二人で居間に入ると、楓も孫子も炬燵に入って、くつろいでいた。
 羽生譲がコミケの売り子の話しを二人に持ちかけると、
「なんでわたくしが、あんないかがわしい場所にいかなければなりませんの!」
 と、才賀孫子は即座に拒絶する。報道される映像などから偏見をもっているのか、それとも、過去になにかトラウマになるような出来事でも経験しているのか……そんな、にべもない拒絶の仕方だった。
 松島楓のほうは、
「わたしは別に構いませんけど……ただ、何日もここを離れる、ということになると、加納様のお許しを得ませんと……」
 と、答えた。
「……そっかぁ……そういやくノ一ちゃん、カッコいいほうのこうや君の下僕だったな……」
 羽生譲も頭を掻いて納得し、「ちょいとお隣りいって、聞いてこようか」と腰を浮かせかけた時、
「……すいませーん……」
 他ならぬ、当の加納荒野の声が、玄関から聞こえてきた。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(8)

第四章 「叔父と義姉」(8)

 二十七日。
 三島百合香が里帰りをし、羽生譲に連れられて松島楓も東京に向かった。荒野たちや残された加納家の人々はそれぞれに静かな年末を過ごしているはずであり……と、いうところまで考えて、荒野は、あることに気づいて愕然とした。

 狩野真理は、二十四日から年内一杯留守にする予定だという。
 その上、羽生謙と松島楓まで泊まり込みで東京に出かけていったら……その間、狩野家には、才賀孫子と狩野香也の二人きり、ということになる……。

 基本的に荒野は、他人の生活には干渉したいとは思っていないのだが……それでも、やはり心配にはなってくる。
 才賀ってたしか、香也のこと、一方的に嫌っているんじゃなかったっけ?
 才賀孫子と狩野香也の初対面の時の状況を知る荒野には、それなりに納得ができるところもあるのだが……。

『大丈夫かいな、あの二人……』
 その事を茅に相談してみると「大丈夫なの。才賀、絵描きのこと、嫌ってないの」と即座に断言した。
 これで茅は、意外と観察眼が鋭い。その言葉をそのまま信じたかったが……今までの二人の挙動を思い返してみると、荒野の不安は、にわかには晴れかった。

 それで、買い物にかこつけて外出し、それとなくお隣の狩野家の様子を伺ってみると、才賀孫子にこきつか……もとい、才賀孫子の指示を受け、庭に出した畳をはたいている狩野香也の姿を、生け垣越しに認めることができた。
 大掃除、ということで、かなり徹底的に使役されているらしい……。
 その様子を横目にみて、茅は澄ました顔をして、荒野にいった。
「ほらね。仲、いいの」
 ……ああいうのも『仲、いい』といっていいのだろうか?
 内心、そう思わないでもなかったが、少なくとも荒野が想像していたような気まずい雰囲気に包まれていたわけではないので、一応、安心することにした。

 茅と荒野は自転車でショッピングセンターに赴き、そこで昼食を摂ってから例によって大量の食材を買い込んで、夕方、日が沈む少し前くらいに帰宅する。
 その後、二人の共同作業で手間暇のかかる料理をし、夕食として食べ終えた後、どちらからともかく体を寄せ合い、今度は避妊具をつけて、二回ほど続けざまに性交した。

『……まるでどっかの……普通のカップルみたいだな……』
 茅を抱きながら、荒野はそう思う。
 荒野に抱かれるのは二度目なのに、早くも性感が育ってきているのか、茅は、荒野の与える刺激に対して、昨日よりも激しく反応した。
 あそこも、昨日よりはよほどほぐれていて、荒野自身を柔軟に包み込み、絡みついてくる。昨日とは違い、全然、痛がらなかった。それどころか、荒野が一度果てると、物足りなそうな顔をして、すぐに次を求めてくる。
 確かに、放出した後も、荒野の硬直はとけていなかったが……
「……荒野の……匂い……へんな、匂い……」
 茅は、幼い風貌に似合わない淫蕩な表情を浮かべ、荒野自身から避妊具を抜き取り、その中身を、ずるずる音をたててすする……。
 そんな茅の様子に、荒野は、激しい違和感を覚えた。
「……茅って……いやらしい女の子だったんだな」
 別に、女性に性欲があってもかまわない、とは思う。
 でも普通、昨日の今日で、こんなにも、性行為に「順応」してしまえるものなのだろうか?
「……やぁ……茅、荒野の匂い嗅ぐと……どんどん変に……欲しくなっていくの……我慢、できない」
 茅はそういって、火照った体を荒野に巻き付けて、避妊具を抜いたばかりの荒野自身を、そのまま自分で導くように再度挿入させようとする茅を、ようやく押しとどめる。
 明らかに発情した茅を鎮めるために、荒野は、再び新しい避妊具を装着して、茅が満足し、体力を消耗してぐったりと動かなくなるまで、茅の上でせわしくなく動かねばならなかった。

 女性との経験に乏しい荒野は、漠然とした違和感を覚えただけだが……こんな時に限って、女性で、かつ、医学的な知識にも明るい三島百合香が、不在なのだった。

 あまりにも静かで、平和な日々の裏で……新しい変化の兆しは、そうした所から、静かに始まろうとしていた。

 荒野と裸で抱き合っていない時の茅は、基本的に以前と変わらなかった。
 明くる朝、昨夜の自分の狂態を記憶していた茅が、起きるなり、子供のように声をだして泣き出した。
「……こんなの……本当じゃない……本当の、茅じゃないの……でも、荒野と一緒にいると、どうしても我慢できなくなるの……」
 やはり茅にとっても、昨夜の状態は、普通のものではなかったらしい。
「……わかってる。おれ、ああいう茅も嫌いじゃないけど……でも、ちゃんと、あの状態の茅が普通じゃないってわかっているから……我慢できなかったら、いくらでも、お相手するよ」
 荒野は、裸のまま泣きじゃくる茅の肩を抱いて、平手で静かに叩き続けた。
「……おれ、ああいう茅も、今の茅も……どちらも、好きだから……」
 もう何日か様子をみて、いよいよ本格的にやばそうだったら、三島百合香に電話で相談してみよう、と、荒野はそう思った。

 その日の昼間、涼治から、振り袖が送られて来た。和服の知識がない荒野がみてもかなり立派な、光沢のある美しい柄の着物で……たぶん、目玉がとびでるほど、高価な品、なのだろう。
『……なにを考えている、あのじじい……』
 そういって、胸元を鷲掴みにして、存分に揺さぶってやりたくなった。
 茅は、そうした荒野の内心の苛立ちを察したのか、無理に笑顔を作って、「お正月、これを着て、一緒に歩こう」と、いってくれた。着付けは、自分でできるという。
『……そうか。おれ、こういう笑い方、してたんだ……』
 そんな茅の笑顔をみて、荒野は痛々しさを感じた。荒野自身、以前、樋口未樹に、「寂しそうに笑う」と指摘されたことがある。
 この時の茅は、荒野の目には、確かに「寂しそうな笑い」を浮かべているように見えた。
「……うん。絶対、これ、茅に似合うよ……」
 荒野は、口では、そういった。

 茅は今、自分が何者なのか……あるいは、これから自分が何者に変貌しようとしているのか……そうした不安に、押しつぶされそうになっているはずなのだ……。
 それでも、懸命に抗いながら、なおかつ、荒野に余計な心配をかけまいとしている……。

 そして荒野のほうは、そんな茅に対して、側にいてやることくらいしか、できないのだった……。

 野呂良太に紹介された「東京の男」に接触した三島百合香から、電話がかかってきたのは、その日の夕方だった。
「……あの野郎、頼みもしないのに結構つっこんだことまでくちゃべりってくれやがって……」
 と、悪態混じりの前置きをしてから、三島は、その男から聞いたという内容を、手際よく荒野に話して聞かせた。

 その内容というのはは……今まで一族の内部にいた荒野が、あえて目を背けてきた事柄を、一つ一つ指摘し、暴き立ててていくような感じで……。
『なるほど……おれたち一族って、敵にまわすと、かなりやっかいな存在だ……』
 三島の話す内容を聞きながら、荒野は、かえって冷静さを取り戻し、ふつふつと闘志が沸いてくるのを感じた。
 三島の説明が一区切りしたところで、すぐ隣で聞き耳を立てていた茅に、「例の異常、三島に話しても、いいか?」と確認してから、昨夜の狂態について、簡単に説明する。
「……のろけか? それは」
 一通り、荒野の説明を聞いた後、三島百合香は素っ気なくそういった。
「あの男の話し、今、説明したろ。茅が、なんらかのマインド・コントロールを受けているのは、十中八九、たしかなんだ……荒野との性交渉がトリガーになって、そういう風になる、という暗示をかけられていても、おかしくないってこったろ?
 向こうさんの意図はわからん……いや、待て! ひょっとして……。
 荒野。なぜだかわからんが、向こうさんにとっては、お前さんと茅が一緒に居続けることが、都合がいいらしい。
 一回ヤった後、そうなったってことは……ようするに、色仕掛けが通じる相手なら、それで身動きをとれなくしちまえってこったろ?
 今まで、茅はなんともなかったんだから……。
 で、茅。一緒に聞いているんだろ? お前さん、それでなにか不都合があるのかね?
 茅、お前さん、毎晩のように荒野とやりまくりっるのが、そんなに不服か?それともなんか、実害があるのか? ん?」
 茅は、真っ赤になって俯いていた。
「……いや、わかった。たぶん、そういう意図で、そういう暗示をかけられていた……んだと、思う……」
 ……三島のいうとおり、茅にどんな暗示やトラップが仕掛けられていたとしても……なぜ、そんな暗示がかけられていたのか、その意図を類推すれば、対策をたてることも可能なはずだった。
 対策が可能な相手なら……加納荒野は、例え相手が一族全体であろうとも、簡単には負けない。負けて、やらない……。
 一時、茅の心情を察して、少々弱気になっていた荒野だったが、相手の意図が段々よめてくると、げんきんなもので、持ち前のふてぶてしいまでの自信が蘇ってくる。
「でもとりあえず、今、先生が茅をからかったことは許せないから、帰ったら一発殴る」
 そういって一方的に三島との通話を切り、荒野は茅に向き直った。
「……ということで、おれとしては今夜も茅と遠慮なくやりまくりたいんだが……つき合ってくれますか? お嬢さん」
 茅は真っ赤になりながらも、こくこくと頷いた。

[つづく]
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彼女はくノ一! 幕間劇(二)

幕間劇(二)

「……さてと、野呂さんと約束した分のお仕事はここまでなわけですが……どうです? 答え合わせのほうは?
 ああ。その顔だと、野呂さんが出した予測と、そうは違わないようですな。まあ、当方には、全く関わりのない事、では、ございますが……。
 あと、野呂さんからは、『出来れば、料金分以上の仕事をして見せて、営業に協力してみろ』ともいわれておるのですが……三島さん、これ以上、わたしの想像、聞いてみる気あります?」
 三島百合香は、無言のまま頷き、傍らの男に話しの先を即した。
「……ん、じゃ。以後はあくまでサービスなんで、与えられた資料をみて、わたしが気になった箇所について、二、三、お話しさせていただきます。
 まず、三島さんがご執心の茅ちゃんの件に関連したことなんですが……」

 彼女、遺伝子以外にも、いろいろといじられているんじゃないですか?

 根拠は、ですね……ええと、ここ。
 商店街。クリスマス・ショーの初日。
 楓ちゃんの気配絶ち……っていうんですか? その見破り方を、才賀さんが荒野君に問いただすところ。
 ここ、おかしくありません?
 だって、荒野君ははっきりと「何年も修行なり訓練を積んで、ようやく身につける技だ」ってこと、いってますよね。
 でも、その直後、茅ちゃんは、よりによって「見よう見まね」で、その場で、同じ技を使っちゃう……。
 これ、遺伝子操作うんんうんでは、ちょっと説明つかないですよ。
 本来なら、練習とか訓練とかでようやく身につけるもん……いいかえれば、後天的な学習により、獲得できる性質のものなのだから……遺伝子は、関係ありません……。

 考えられる可能性は、二つ。
 一つめ。
「見よう見真似」という茅ちゃんの言葉自体が、嘘である。
 あと、もう一つ。
 茅ちゃんは嘘はいっていない。しかし、茅ちゃんが自覚していない所で、嘘になっている。
 茅ちゃんは、実は、何年もそれなりの訓練を受けている。が、その記憶を、選択的に消されている……。

 たしか、六主家の中には、洗脳とかマインドコントロールが得意なヤツラもいましたな……。
 ええと……ああ。佐久間、ってやつでしたっけ?

 そんな反則みたいなヤツラがいたんじゃあ、根本的な設定さえ、いつひっくり返されるかわかったもんじゃない……。
 いやもう。PKディック的な、現実の足下がいつ崩れてもおかしくない、悪夢の世界ですよ……。

 例えば……例えば、ですよ……。

 今、荒野君と同居している茅ちゃんと、その昔、加納仁明氏が育てていた茅ちゃん……。
 果たして本当に、同一人物なんですかねぇ……。
 三島さんも荒野君も、茅ちゃんが発見され、救出されるところから見ているわけでは、ないですよねえ……。
 今の茅ちゃんが、佐久間によって記憶操作され、自分を茅ちゃんだと信じ込んでいる別の女の子だとしても……それ、どうやって証明できるんです?

 いや、まあ。
 今上げたのは、かなり極端な仮定で、なんの根拠もない思いつきなんで、あまり本気に受け止めてくれないで欲しいんですが……。
 ええ。念のため、今の「茅ちゃん偽物説」の反証、やってみましょうか?
 仮に今の茅ちゃんが、囮かなにかの理由で急遽でっち上げられた存在だとしたら……その茅ちゃん、「気配絶ち」を使えるわけはないんです。
 所詮、囮なんて使い捨て、なんですから、何年も手塩にかけて術を仕込んだ、人間を使うはずがありません。
 逆にいうと、今の、一族の技が仕える茅ちゃんは……間違いなく、囮などではなく、一族と深い関係がある子のはずです。

 でもまあ、今の茅ちゃんがその術を習った覚えがない、というのが本当なら……まず確実に、すでになんらかの記憶操作をなされている、ということでしょう……。
 そういう前提で、身構えていたほうが、いい……。
 その辺は、どうぞ念頭に置いておいてください。皆様の安全のためにも。
 すでに記憶操作されている、ということは……茅ちゃんの身に、どんな性質の悪いブービートラップが仕掛けられていて……それが、どんな条件で発動するのか、まったくもって予測できない……と、いうことを、意味します。
 どうか、お帰りになってからでも、荒野君にそれとなく耳に入れて、警告してあげてください。

 あと、遺伝子操作、の件ですが……。
 わたしにいわせれば、どうも、茅ちゃん一人ではないような気がするんですが……。
 現在の技術では、成功確率が極端に少ない、という前提を考えれば……だとしたらなおさら、一つの成功例で満足せず、もっと多くの成果を求めようとするのではないですかね……。
 事故などによる遺失、などの可能性も考慮すれば、スペアを用意しようとするのは当然だと思いますし……。
 あるいは、茅ちゃんとは別のコンセプトで遺伝子操作された個体が別にいても、全くおかしくはない……。

 例えば……例えば、ですよ。
 茅ちゃんとほぼ同じ年格好で、同じ時期に姿を現した、もう一人の少女がいましたねえ……。彼女なんて、どうです?
 仮に、茅ちゃんが知性重視型、もう一人の楓ちゃんが身体能力重重視型の、もう一人の「姫」だという可能性も……まったく、ありえないわけではない……。
 そうは、思いませんか?
 楓ちゃんの履歴は、荒野君がアクセスしたデータと、彼女自身の記憶だけです。
 一族とやらの実在を前提とするのならば、そんなものは、いくらでもでっち上げられる。特に、彼女自身の記憶があてにならない、ということは、たった今、「茅ちゃんブービートラップ説」の際にご説明申し上げたした通りです……。

 荒野君は、いつ、どのような条件で爆発するかわからない爆弾をいくつも抱え、その爆弾を守ろうとしているようなもんです……。
 彼……そのことを、六主家とやらと、ことと次第によっては対立するかもしれない、ということが、どういうことかを意味するのか……その厄介さを、しっかり認識していますかね?

 ……その男の説明を一通り聞いた後、三島百合香は、ポツリ、と感想を漏らした。

「ヤなヤツだな、お前……」
「……よく、言われます」

幕間劇(一)

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髪長姫は最後に笑う。第四章(7)

第四章 「叔父と義姉」(7)

 長々と口づけをして、その後、茅のお尻を両手で持ち上げるようにして、動かしはじめる。
 ……はっ。はっ。はっ。
 と、茅はすぐに、息を荒くしはじめた。
「茅、気持ち、いい?」
 荒野がこう尋ねるのも、一体何度目だろうか?
「ん。んんっ! この形、別のところが、当たる……」
 茅の答えには、羞恥によるごまかしやはぐらかしがないように思えた。
「深く、荒野が……入ってくるの……」
 がくがくと荒野に揺さぶられながらも、茅は、荒野の体に手足を巻き付けて、さらに体を密着させようとする。茅の、腕や足に、力がこもる。
「こん……なの……」
 茅は、切なそうに、あえぐ。
「……駄目……やぁっ! やぁっ! んっ! んっ!」
 喘ぎ声を漏らす間隔が、どんどん短く、早くなっていく。
「……駄目! 駄目! 駄目!」
 譫言のように茅がそう言いはじめる頃には、荒野も、十分に高まっている。
「おれも、茅、もうすぐ……」
「来て! 荒野! 中に!」
 茅は、荒野にしがみついてくる。ほとんど半狂乱になっているらしく、荒野の背中に容赦なく爪を立てる。
「荒野の、出して! 注いで!」
 荒野は、茅の体をさらに早く動かし、茅が背中をのけぞらせながら「きゅっぅ……」と、喉の奥から息を引き延ばすのと同時に、茅の中に放った。
「……あ。あ。……荒野、の……熱いのが……奥に……」
 荒野も、茅の中に自分が放ったものが、どくどくと充満し、溢れていくのを感じた。

 荒野は、そのまま茅の上に倒れ込んだ。

 気づくと、茅が手櫛で荒野の髪をなでつけていた。
「……茅、痛くないか?」
「ん。まだ少し、痺れてる……。でも、それ以上に、荒野と一緒になれたのが、嬉しい……。荒野、茅の中にいっぱい、だしてくれた……」
 茅は、荒野の傍らに、添い寝している。
「……それに、荒野が出したときの顔……かわいい……」
 茅は、満足そうに微笑んでいる。
「……あー……そういや、無防備に、中でだしちゃったな……」
「多分、大丈夫。茅、最近、生理ないし……」
 一緒に生活している荒野にも、それはわかっていた。以前、三島百合香にも、そのことは質問したことがある。
「たしかに最近、茅はきてないようだな。妊娠はしてないから、多分、メンタルな要因からくる生理不順、だろう。ほかの部分は健康すぎるほどに健康、だから、たぶん、問題ないと思う……」
 三島によれば、個人差もあるが、女性の生理が数ヶ月止まる原因は、いろいろ考えられる……らしい。
「有名なのが、想像妊娠ってやつだろ。それに、栄養失調とかが理由で止まることもあるし、逆に、レイプされたときにホルモンが分泌され、排卵日でもないのに妊娠することもある……。
 ま、人間も所詮生き物、ってこったな。
 不安定かつ不確定な要素の塊だから、絶対ってこたぁ、ない……。だから、絶対確実な避妊法はない、とか、いわれるわけだが……」
 その後三島は、冗談なのか本気なのか判断つかないような例の調子で、
「……茅に中出しするなら、今の内だぞ……」
 と、続けた。

 ……その話しを聞いた時は、まさか本当に茅の中に出すとは思わなかったが……。

「……今度やる時は、ちゃんと用意するから……」
「……でもこれ、荒野が感じられて、嬉しい……」
 そっか、といいながら、荒野は、傍らの茅の肩を抱き寄せた。
「今日はもう、シャワーを浴びて寝よう……」
「……もう少し、こうしてて……」

 結局、抱き合ったまま、二人とも、そのまま寝入ってしまった。

「……ね。荒野」
 翌朝、荒野は茅に肩を揺すられて、目を覚ました。
「みて。荒野のが、乾いくっついてる」
 そういって、茅の陰毛についたまま固まった、荒野の精液を触らせようとする。
 好奇心が強いのも、こういう場合、考えものだな……とか、思いつつ、荒野は、茅の肩を押すようにして、浴室に向かった。

 その後、じゃんけんをして、負けた荒野が朝食を作る。
 トーストと牛乳、サラダに、目玉焼き。それに食後に、荒野がコーヒーで、茅が紅茶。食後の飲み物は、各自で自分の分を用意した。
 いろいろなことをしゃべりながら、そんな簡単な食事を終えた頃、見計らったようにインターホンがなる。
 三島百合香だった。

「……昨日いった通り、しばらく、故郷に帰るから……」
 同じテーブルに突き、コーヒーの入ったマグカップを前にした三島百合香は、そう切り出した。
「……わたしがこっちにいてもいなくても、情勢にたいした影響はないと思うが……まあ、なんかあったら、遠慮なく連絡してきてくれ……」
 そういって、目の前のカップを手にとって、一口飲む。
「……ん? 荒野、なんかすっきりした顔してないか、お前? なんだ。ついに茅とイッパツやっちまったか?」
 以前から、三島は同様の質問を何度も荒野にしている。
 今までと違いは、荒野の返答のほうだった。
「うん。ついに、やっちゃた」
 荒野は、茅との関係……の変化を、三島に隠す必要は、感じていない。
 あっさりとそういった荒野の顔を、三島は二、三度瞬きをしてまじまじとみつめていたが、……。
「そうか。ようやく、やっちまったのか……」
 しばらくしから、そういった。
「しかしまあ、荒野……。
 お前さん、どんどんすっきりした顔になっていくなぁ……」

 三島百合香は、「年始には帰る」といい、その後、「やるのはいいが、茅を壊さない程度にしておけよ」と言い残して、去っていった。
 後者の発言をした直後、三島は茅に蹴とばされた。

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彼女はくノ一! 第三話 (30)

第三話 激闘! 年末年始!!(30)

「……すいません。ちょっと、そっちに寄りかかって、いいですか?」
「う、うん」
 場所は、吹きさらしもいい所の、橋の頂上……。
 下は鉄製の構造材で、そこに直に腰掛けるのは、季節的にも冷たすぎるのだが……かといって立っていると、風に煽られてそのまま飛ばされそうで不安なので、しょうがなく、二人で肩を並べて、座っている。
 眼下には、たしかに先ほどの楓の言葉通り、香也が長年住み続けた町の灯が一望に見渡せる。
 冷たすぎる足下、吹きすさむ風、手すりもなにもない、今にも落ちそうな錯覚さえ憶える環境……などの諸(悪)条件さえ無視すれば、確かに、「いい眺め」では、あるかもしれない。
 香也の隣りには、サンタのコスチュームに身を包んだ松島楓が座っており、頭を香也の肩に預けている。香也よりも背が低い楓は、こうして並んで座っても、やはり頭の位置が低くなる。
 楓は、香也より少し背が低い。香也は百七十を少し越えるくらいだから、そこから換算すると、百六十を少し切るくらいか。
 楓は、来年から同じ学校の同学年に編入する、と聞いている。香也の同じクラスの女生徒たちと比較すると、楓の背は、どちらかといえば高い方になるのかな……と、思う。
 同時に、一つ上だという飯島舞花のように、あの年齢の女子で百八十オーバーというのは、やはりちょっと例外的だよな、とも思う……。
「……わたし、本当に感謝しているんです……」
 ぽつり、と、楓がいった。
「……ここに来てから……いろんな人たちにお会いして、いろいろなことを経験して……商店街の人たちとか、昨日の孤児院とか……自分が、あんな風に……誰かに喜んで貰うことができるとは……全然、思ってなかった……。
 知ってます? わたし、この間まで、いかに効率的に人を殺すか、とか、そんなことばかり、一年中、学んでいたんですよ……。わたし、そういうの、本当はとてもイヤで、でも、逃げても、行く宛なんかどこもないし……。
 それに、そんなイヤなことでも、一緒に学んできた仲間たちがどんどんお仕事にかり出されるようになると、自分だけが取り残される気持ちがして、あんなにイヤがっていたお仕事なのに、早く自分の番が来ないかと待ち望むような気持ちにも、なったり……。
 さらにそれでいて、ここに来て、いろいろな人に喜んで貰うと、それですっごく嬉しくなったり……。
 本当、矛盾しまくってますね、わたし……」

 ……あまり関係ないのかも知れませんが、そんなことを考えながら、あの灯りの一つ一つの下にいろいろな人がいて、それぞれに生活している、とか、考えると……わたし、切ないような気持ちになって……だから、この場所の眺めが、好きなんです……。

 楓はそういって、
「……香也様の絵をみていると、時々、同じような気持ちになるんです……」
 と、つけ加えた。
 ……だから、香也様の絵も、好きです。

 翌日は、二学期の終業式だった。
 香也は、プレハブ内に張ったハンモックの上で、誰かが起こしに来る前に、目覚ましの音で目を醒ました。相変わらず真理は不在である状況で、気を利かせて誰かが起こしに来る、というのがあまり期待できなかった、という理由もあるし、明日から冬休みに入るわけで、一日くらいは自分で起きてもいいかな、という気もあった。
 母屋に入り洗面所で顔を洗っていると、同じく洗顔に来た才賀孫子とばったりと出くわした。彼女との関係は、お世辞にも良好とは言い難いのだが……昨日あたりから、少し、香也への当たりが柔らかくなったような、気がする……。
「終わったのなら、さっさと退いて場所を空けてくれませんこと」
 ……気のせいかも、知れないが……。
 台所では、当番なのか、楓が朝食の用意をしていた。料理はあまり得意ではない、とかいっていたが、ごく普通の朝食にみえる。香也の気配を察した楓が振り返って、
「もうすぐ出来ますから、居間で待っていてください。
 ……あ。よかったらついでに、羽生さん起こしてきてくれませんか?」
 今日は朝からファミレスのバイトを入れているので、楓に、時間になったら起こすよう、頼んでいたらしい。
「……んー……」
 羽生譲の寝起きの悪さは知っていたが、香也は臆することなく引き受けて、羽生譲の部屋に向かった。
「……譲さーん。起きてるー……」
 返事がないので、遠慮なく中に入る。
 羽生譲の部屋は八畳間のはずだったが、ベッドやライティング・デスクの他に、少し前の型のデスクトップのマッキントッシュ、テレビとビデオなど壁際に配置され、その間の壁面を埋めるように本棚が並んでいる。本棚に並んでいるのは、マンガが四割、その他の書籍が六割、といったところか。画集や写真集のほかに、パソコンソフトのマニュアルや各種のハウ・ツゥ本などの実用書なども目立つ。そんな感じで物が多いせいか、面積の割には、窮屈な印象を与えた。
「……譲さーん……朝だよー……」
 そういいながら、香也は、布団の上から羽生譲の体を揺さぶる。
「……うーん……」
 とかいいながら、薄目を開けて起きかかった羽生譲は、
「……なんだ、こーちゃんか……お休み……」
 と、壁の方向にごろんと寝返りをうってしまう。
「今日はバイト、あるんでしょ。もう、起きないと……」
「……へんじがない……ただのしかばねのようだ……」
「……布団、ひっぺがすよ……」
 長年の付き合いだから、香也は、羽生譲の寝起きの悪さを知っている。だから、いざとなれば容赦もない。
「……うーん……しゃあないなぁ……じゃあ、ちゅーして、ちゅー。こーちゃんがキスしてくれたら……うわぁっ!」
 香也は問答無用で、譲の掛け布団をひっぺがした。
「……敷き布団も、ひっぺがす?」
「……いや……起きますです……ハイ……」

 無事朝食を済ませ、着替え終えたところで、いつものように、樋口明日樹が迎えに来た。いつもと違ったのは……。
「うっす!」
 明日樹の弟の大樹も、一緒だったことだ。
 三人で学校に向かうと、マンションの前ですぐに呼び止められた。
「待った待った! どうせなら、一緒に行こうって!」
 飯島舞花と栗田精一の二人が、三人に合流した。
『……いつの間にか、賑やかなことになっているなぁ……』
 割合、賑やかにしゃべりながら、学校に向かう途上で、香也は、そんなことを思っている。
 半年前までは、自分一人で通っていた。
 最初に明日樹が迎えにくるようになり、こうしている今は、五人。
 来年からは、あと四人、加わる予定だ……。

 なんだか知らない間に、自分の周りで色々な変化が進行しつつある、と、香也は思った。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(6)

第四章 「叔父と義姉」(6)

 茅の中は狭くてきつかった。先端を入れただけでも、押し戻してくるような感覚がある。しっかりと濡れているのに、ほぐれてはいない。しかたなく荒野は、亀頭の半分ほどを入れた状態でゆっくりと前後にゆざぶりをかけて、周囲の肉をほぐそうとする。
 ふっ。ふっ。ふっ。
 と、荒野の動きに合わせて、茅が鼻息を荒くする。
「茅、痛い?」
 荒野は、聞いみた。
「痛いけど、このまま」
 茅は答えた。
「なんかミシミシって、荒野が入ってくる感じがするの」
「そうか……なるべく、ゆっくりする」
「ん。荒野の、やっぱり、大きい……」
 体格差、も、あるのだろうか?
 荒野には、茅の性器のほうが、小さいように思えた。

 茅のその部分の抵抗は思ったよりも強固で、ゆっくりと時間をかけて動かしても、なお、荒野を拒もうとする。荒野は、茅の上で何十分も動く間に、茅を反応させようと躍起になり、ブラをずらして乳首に吸い付いたり、挿入しかかっている部分の上にある突起を、茅の愛液で濡らした指で弄ってみたりした。
 茅は、荒野の愛撫の一つ一つに甘い喘ぎ声を出して答えたが、肝心の、荒野の先端が埋まりかかっている部分には、あまり顕著な変化がみられない。そこから分泌されている液体は、確実に増えているようだが……茅の肉は、相変わらず荒野の肉を押し戻した。
「……茅、今日は、もう……やめようか?」
 何十分か頑張った末、荒野は段々弱気になってくる。
 荒野も、経験豊富というわけではない。茅があげる声が、苦痛を堪えるものなのか、それとも、歓喜をしめすものなのかは、判断が難しかった。
「……駄目。今日、今……荒野と、一緒になりたいの……」
 目尻に涙を浮かべながら、茅は、手足を荒野の体に巻き付けて、自分のほうに引き寄せた。
「……もう、このまま……一気に、来て……」
 そのまま、荒野の口唇をふさぎ、熱く硬い舌を荒野の口内につっこんで、ねっとりと中をかき回す。

 覚悟を決めて、荒野は、抵抗を押し切って、ゆっくりと腰を沈めた。
 茅の喉の奥から、
「……んんっ!」
 といううなり声が、聞こえる。
 明らかに苦痛を堪える声だと思ったが、ゆっくりと、確実に、荒野は分身を茅の奥深くに、沈めた。
「……入った……の? 全部?」
 荒野が動かなくなると、はぁはぁと喘ぎながら、涙目になった茅が、荒野に尋ねる。荒野はなにも答えなかったが、茅は、荒野の表情から解答を知った。
「……ようやく、荒野と一つになれた……」
「……うん。もう、茅といっしょだ」
 荒野は吐息がかかるほど間近にある茅の顔をみながら、やさしく、茅の髪をなでつける。
「……すごい。荒野の。大きくて……茅のなかに、みっしり詰まってる……入っているところが、しびれてる……じんじんする……」
 涙目になりながらも、茅は、そんなことをいう。そんな茅の様子に、荒野は奇妙なユーモアを感じ、一瞬、吹き出しそうになった。もちろん、堪えたが……。
「……茅の中は、硬くてきついな。こっちも、締め付けられて、じんじんしてる。痛いくらいだ」
 茅の中は、がっしりと荒野を取り込んで、固まっている。茅の中は……茅の体温を、熱い、と思えるほどに荒野の分身に伝えてきたが……正直、あまり気持ちいいとは思えなかった。
『……前に経験した、未樹さんの中のほうが……』
 程良く湿って、包みこんできて……よかったくらいだ。
「……荒野、今……他の女のこと、考えた……」
 荒野の微妙な表情の変化を読みとったのか、荒野に組み敷かれながらも、茅は、そんなことをいって、ぷいっ、と顔を背ける。
 ……鋭い。
「嘘、嘘。そんなこと、ない」
 一緒に暮らすようになってから、荒野が茅のことをずっと見てきたように、茅も荒野をずっとみてきたのだ……と、そう感じた。
「そろそろ、動かすよ」
 茅の腰を両手で掴んで、ゆっくりと茅の中を行き来し始める。
 最初のうち、茅は痛がっていたが、ゆっくりと動くうちに、段々と、中をかき回される感触を感じはじめた。決して苦痛からくるものではない、と、はっきりわかる、鼻にかかった喘ぎ声を上げはじめる。
 そのころには、茅の内壁はかなりほぐれてきて、出入りする荒野に、絡みついてくるような、感触を感じた。
 荒野が一突きするごとに、茅の口から「はぁ」とか「ふぁ」と聞こえる、息が燃えれる。
 経験の浅い荒野は、茅が反応し始めると、調子に乗って、腰の動きを早くしはじめた。茅の声は喘ぎというよりも、「ぃやぁ!」とか「やぁ!」に近い発音の、小さな叫び声になっている。
 そうこうするなかにに、茅が、がくがくと体全体を大きく震わせはじめたので、茅の中を突く作業も、動かす方向が定まら、ずやりにくくなった。そこで荒野は、茅の上体を腕の力で持ち上げて、自分の上に、茅を座らせる恰好にする。
 その恰好で、下から茅の乳房に両手をつけて支え、下から、突き上げはじめる。
「……あっぁっ! あっぁっ!」
 荒野が下から突き上げはじめると、茅は、小さく吠えはじめた。
 荒野の動きに合わせて、茅の軽い体が上下に動く。そのたびに、茅が、喉の奥から、声を発する。
『……すごい……茅の中……とろとろになってる……』
 最初、硬くて、挿入することにも苦労したのが嘘のように、荒野を包み込んだ茅の部分は、熱くなって、溶けはじめていた。ほぐれた……のは間違いがないが、それ以上に、夥しい体液を分泌し、結合部の拾遺を濡らし……なおかつ、荒野自身を離すまいとしているかのように、絡みついてくる。
「……茅、気持ち、いい!」
「いい!」
 ほぼ反射的に、茅が、荒野の問いに答える。
「いいの! 初めてなのに! 荒野の! いい! あぅっ!」
 ……たぶん、今の茅は、自分がなにを叫んでいるのか、意識していないのだろう……。
 そう思った荒野は、急に茅が愛おしくなって、上体を起こして、茅を抱きしめた。そのまま、茅の口の中をむさぼる。

 座位で結合したまま口をふさがれた茅は、まるでおねだりでもするかのように、荒野が深く突き刺さっている部分を、もぞもぞと自分で動かしはじめた。

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彼女はくノ一! 第三話 (29)

第三話 激闘! 年末年始!!(29)

 その夜も狩野香也はプレハブの中で絵を描いている。キャンバスに向かって下書きもなしに直接筆で無数の人の顔を描いていく。黙々と描いていく。記憶にある、たまたま昨日今日行き会った人々の顔を、おぼろげな記憶を頼りに描いていく。描いていくうちに香也は、自分がいかに他の、自分以外の人々を「「見ていなかったか」ということに、気づかされる。細部の記憶が曖昧だ、ということもあるのだが……他人の、内面的な部分まで、みていない。いや、今までは、意志的に直視するのを避けていた……。
 ……だから、自分の絵は、形だけなのだ……。
 そう、思いもする。
 香也は、自分の絵に対して、前から限界を感じている。技法的な事に関していえば、それなりのものだとは思うが……所詮、それだけ、なのだ。時間さえかければ、今の自分程度の技術には、誰でも到達できる、と、思っている。それに、写真とかビデオとか、ものの形を正確に写し取る機械が普及し、加えて、それらを加工するフォトレタッチのソフトまでもがこれほど普及した、今の世の中で……うまいだけ、の絵描きは、さほど必要とされないだろう……とも、思う。
 そうした世間的なニーズ以前に、香也自身が、「さらに先に進みたい」、と、強く欲している。
 そのためには、目に見える形だけを正確になぞっるだけは駄目なわけで……今の香也には、対象物の内面までを表現し、再現するほどの技量……いや、度量が、備わっていない、と、感じている。こうして、実際に様々な「人間」を現実に描こうとすると、その顔が妙に薄っぺらで、深みを欠いている、ように見えるのは……やはり、香也自身の資質によるところが、多い……そう、判断するよりほかない……。
 だから……いや、だが、今の香也は、ひたすら、がむしゃらに描く……という、非効率的な手段しか、すべきことを思いつかない。現在のままでは、いくら頑張っても無駄……ということを思い知るだけの結果に終わりそうだが……それでも、さらに先に進むための、心理的な足場作りには、なるだろう……。

 狩野香也は、そんなことを思いながら、黙々と筆を動かす。

 ふと、傍らに置いている目覚まし時計に目をやると、九時を少し過ぎたところだった。夕食を終えたからすぐに描きはじめ、まだ一時間と少ししか、経過していない。いつもは、一度キャンバスに向かえば四、五時間はあっというまにたっていたりするから……たかだか一時間で集中力が途切れる、というのは、やはり、最近の香也は、前ほどの絵にのめり込めなくなっているのだろう……。
 一時的に疲労が溜まっているだけなのか、それとも、香也自身の「質」が根本的な部分から変化しつつあるのか、それは、まだ、わからないが……。
『……あー。明日は、終業式があったな……』
 そんな、早めに休む口実を見繕っている、香也がいる……。以前では、考えられなかったことだ。
 手を休めて、コキコキと肩をならしたり、首を振って強ばった肩をほぐしたりしていると、
「……あのぉ……今、おじゃまでしょうか?」
 という声が、背後からした。
 振り返ると、ミニスカ・サンタの恰好をした松島楓が、おどおどと、香也の顔色を上目遣いに伺うような様子で、立っていた。

 夜、気づくと香也以外の人間が、背後からじっと香也の手元を伺っている……ということが起こり始めたのも、ここ最近のことだ。真理とか羽生譲とか、狩野家の人間がこのプレハブに入ってくることがないわけではないが……基本的に彼らは、用がない時まではこっちには来ない。だから、入ってくると同時に、必ず中の香也に声をかける。
 だが、加納荒野とか松島楓は、いつ入ってきたのかも気づかせないまま、いつの間にかそこに、香也のすぐ側に、居る。そして、香也が気づくか気づかないかに関わらず、じっと香也が絵を描くのを、見ている。ひょっとして、香也が彼らの存在に気づかない時も含めて、かなり頻繁に、彼らはこのプレハブを訪れているのかもしれない……。だが、そうした行為につきまとうはずの薄気味の悪さは、香也は感じていない。
『……見守ってくれている……』
 なぜか、そう感じている。彼らは基本的に、香也がなにもいわなければ、一言もしゃべらないし……作業の、絵を描くのを邪魔をすることも、ない。黙ってみているだけだ。放置しておいても、香也に実害はない。

「……んー……なに?」
 香也は答えた。楓がこうして話しかけてきた、ということは……つまり、なにかしら、香也に用件がある、ということなのだ。
「……あ、あの……ですね。今日、クリスマス、ですよね……だから、サンタさんから、プレゼントなのです」
 ばっ、という感じで、楓は手を香也の目前に突き出す。その掌の上には、ラッピングされた小さな包みがあった。
「……あ。あ。あ……ありがとう。……開けて、いい?」
 楓は、コクコクと頭をふる。
 中身は、香也が練習用に描く時、いつも使用している、アクリル絵の具の十六色セットだった。油絵の具は、香也には高価すぎるので、ここぞ、という時にしか仕えない。つまり、いくらあっても邪魔にならない消耗品、ということで……。
「……ありがとう」
 香也は、本心から、そういった。初対面の時のようにかなりズレた行動をする時もあるが……基本的に、悪い子ではないよなあ……とは、思う。
「……んー……でも、困ったな……ぼく、なんも用意してない……」
「……えーっと……あの、それじゃあ、ですねえ……」
 松島楓は、かなり遠慮がちに、「ちょっとお時間頂けますか?」と続けた。

 香也は承諾した。どうせ、今夜は早めに切り上げようと思っていた矢先だ。気分転換ができるのに越したことはない。「寒くない恰好をしてください」というので、一旦母屋に戻る。ちょうど羽生譲が帰っていて、はふはふいいながら香也たちが三人で作ったシチューを食べているところだった。声をかけて、譲のダウンジャケットとマフラーを借りる。羽生譲と香也は背も体格も大体同じくらいだったので、服の貸し借りは普段から気軽に行っていた。
 身支度を終えて玄関からでると、「ちょっと失礼しますね」と松島楓が気軽に声をかけてきて、ひょい、と香也の体を持ち上げた。松島楓は、香也よりも背が低いくらいの、一見して普通の女の子なのが……その楓が、軽々と香也をだっこして、次の瞬間には、びゅん、と、加速し始める。香也の目に見える背景が、ぶん、と、後ろに流れる。
 香也は、羽生譲運転するスーパーカブの後ろに乗ったことがあるが……体感で、その時より速い、と感じる。
 速いだけではなく……とん、と軽い足音を残して、香也を抱えたままの楓が、跳ぶ。
 道路から塀の上、塀の上から屋根、屋根から電信柱……と、いう具合に、楓は、速度を緩めずに走りながら、次々に高度までも上げていく。
 この晩、香也は、電線の上を自動車並の速度で走り抜ける、という貴重な体験をした。
 あっという間に、楓は、家から一キロほど離れた場所にある、橋の前まで来た。橋の歩道、ではなく、手すりを伝わって、孤を描く橋の構造材の上を、危なげなく走っていく。川の上にでると、遮蔽物がないせいか、横殴りの風をもろに受ける。「危ない!」っと香也が思った瞬間、横から突風を受けた楓は、香也を抱えたまま、橋の構造材の上から風につき落とされた。
 橋の構造材の、孤の頂上近くまで来ていたところで……高度も、かなり、ある。落下しながら香也が、「……下、川だけど……この高さだと、無事には済まないだろうな……」とか、半ば麻痺した頭で思っていると……。
「これくらい、大丈夫なのです」
 凛とした楓の声が、聞こえた。
 楓は、香也を抱えたまま懐に片手を入れ、取り出した「なにか」を、びゅっ、と橋のほうに投げつける。楓が投げた「なにか」は、長く尾を引くもので……その尾が、ピン、と緊張したかと思うと、香也と楓の落下が止まり、その位置で二人は、眼下に橋の上を通る自動車を見ながら、何度か振り子運動をすることになる。
 楓が投げたのは、フック……かぎ爪かなにかを先端につけた、ロープだったのだろう……。
「飛びます」
 楓は静かにそういうと、振り子運動に、ひときわ勢いをつける。そして、宣言した通り、上空に……橋の構造材の、さらに上空に、飛んだ。

 くるくると、天地が何度か回転し……すた、と軽い音がして、香也は、自分が、孤を描く橋の構造材の頂上の部分に、楓に抱えられた恰好でいることに気づいた。
「……ここからだと……町の灯りが、大体全部見渡せるんです……」
 わたしが好きな場所です、と、楓はいった。
「すごいと思いませんか? この灯りひとつひとつの下に、大勢の人がいて……その一人一人が、わたしたちと同じように生活してて……。なんか、うまくいえないんですが、そんな当たり前のことが、わたしは……」
 ……なんか、凄いことなんだと、思えるのです。
 そういって、楓は香也に笑いかけた。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(5)

第四章 「叔父と義姉」(5)

 荒野は身を起こして勝ち誇ったような表情をする茅の肩に抱きつき、左手で茅が逃げられないように固定し、右手を茅のスカートの中に入れる。
「やっ!」
 下着の表面に指が触れると、茅はビクンと上体を震わせる。が、構わず、荒野は下着の表面から茅の恥丘を上下に撫でさする。茅は、最初のうちこそ荒野の愛撫から逃れようと身をよじっていたが、二、三分もすると「ふー、ふー」と鼻息を荒くしはじめる。荒野が抑えている茅の肩が、じっくりと汗ばみはじめる。
「茅……気持ち、いい?」
 と荒野が尋ねると、
「やっ!」
 と短く叫んで、首を振る。長い髪が茅の頭の動きに従って、揺れる。
 恥ずかしいから、答えたくない、ということなのだろうか……。
 荒野は、ついさっきまで子供のようにはしゃいでいた茅が、急にしおらしくなったことを、面白く思った。

 ……好奇心旺盛な子供の部分と、性感も含めた大人の女性としての部分が、茅という個体の中で奇妙な具合に混合して、同居している……。
 そう、感じた。

「茅……ここ、自分で刺激したこと、ある?」
 荒野が弄っている部分は、下着を重くするほどに湿っていた。
「やっ! ないっ! ないっ!」
 半ば涙目になりながら、茅は荒野の裸の肩にしがみつき、イヤイヤをするように首を振る。茅の膝が、がくがくと揺れはじめる。下着の上から触るだけでも、感じるらしい……。
「これから、茅のここに指を入れて、直に触ろうか?」
「やっ! 駄目! 駄目! んっ!」
 かなり昂ぶっているのか、茅は、今や膝だけではなく、全身を大きく震わせている。荒野は、左腕で茅の腰をしっかり抱き、茅の体が崩れないようにした。茅の手が、なにか縋るものを探して、結局、いきり立ったままの荒野の硬直を、掌で包み込むように、握りしめている。
「んっ! んっ! んっ!」
 と、呻きながら、茅は、大きく背をのけぞらせ、そのままピン、と硬直し、動かなくなった……。しばらく、その姿勢のままで硬直し、不意に、全身の力をぐったり抜いて、ベッドの上に倒れ込む。

 ……いった……の、かな?

 荒野とて、女性経験が豊富というわけでもない。しかし、指で……それも、下着越しに刺激しただけで、ここまで感じる、というのは……。
「……茅って……ひょっとして……敏感? 感じやすい?」
「ふぁ? ……いぃ……ぃやぁー……」
 粗い息をつきながら目を閉じ寝そべっている茅は、甘えたような拗ねたような声で、そう、返した。それ以上の返答は、する気力がないらしい。
 荒野は、茅に添い寝するようにして、茅の回復を待つことにした。すると、茅は荒野の股間に手を伸ばし、硬直を緩く掴む。
「……茅。
 そこ握るの、好きなのか? おれが寝ている時も、時々弄っているだろ?」
「……ん。だって、これ、不思議」
 睡眠時の勃起はもちろん性的興奮が理由などではなく、睡眠が浅いときの起こる生理現象だ。時折、下半身に不自然な感触を感じて目を醒ますと、茅が荒野自身を不思議そうな顔をして弄んでいたりする。……茅のそうした行為を見つけたとしても、荒野は、照れくさいのと、どう声をかけていいのかわからないのとで、そのまま再び目を閉じて寝てしまうのだが……。

『……やっぱり、おれらの関係って、特殊っていうか、独特だよなあ……』
 荒野は、改めて、そう思う。
 通常の男女というわけでもなく、かといって、肉親、というわけでもなく……。
 荒野は茅に好意を持っている、ということ、それに、茅も同じように、荒野に好意もっていてくれている、らしい……ということには、それなりに確信しているのだが……その好意が、果たして世間一般でいう、「恋愛感情」にあたるものなのか、どうかというと……恋愛経験のない荒野には、どうにも判断がつきかねた。だが、二人の関係がどうであろうとも……。
『……ま。
 茅は茅だし、おれはおれだし……』
 そして、二人とも、今の関係に、不足や不満があるわけでもなく……。
「茅。そろそろ、いい? おれ、茅とやりたい」
「……ん」

 荒野が、目を瞑ったまま寝そべっている茅の上に乗りかかると、茅は、荒野の首に両腕を回して、荒野の口唇を、自分の口唇で塞いだ。
 荒野は、茅のスカートをまくり上げ、股間に手を入れて、濡れて重くなった下着をゆっくりと降ろす。
 腿の途中まで下着を降ろした状態で、茅の股間に指で触れると、荒野の首を抱いたまま、茅の体全体が、一度、大きく震えた。
『……やっぱり、茅、敏感だ……』
 茅の話しの通り、茅の成長が、一般とは違った速度と経緯を辿ったとすれば……成熟した体を持ち、頭がよく、博学ではあるといっても……茅は、まだ、子供だ、ということで……。
 さっき荒野が尋ねた時、自慰の経験もない、といったのも、嘘やごまかしではないのかもしれない……。
『……でも、茅は、茅だし……』
 茅の体もそうだが、荒野の体にも火がついている。ここで止めてしまったら、二人して不完全燃焼の欲求不満の身を持てあますことになるだけだし……自分も、そのまま眠れるかどうかあやしかったし、茅にも、恨まれそうだし……。
『……どうせ、一族だもんな、おれ。一般的なモラルを気にかけても、しょうがないか……』
 少なくとも、レイプではない。
 ……荒野自身も、茅も、所詮規格外の人間だ……。

 荒野は、自分自身をそう納得させ、どうしようもなくいきり立った自分の分身の先を、茅の、充分に湿った入り口へと押し当てる。

「……いくよ、茅」
「……きて……荒野と、ひとつに……なりたいの……」
 最後の確認をする荒野に向かって、茅は、小さいがはっきりとした声で、そう答えた。

 荒野はゆっくりと腰を下ろして、しずしずと茅の中に埋没しはじめた。

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紹介 「Zoikhem Lab」

紹介 「Zoikhem Lab

初めて御覧になられる方、はじめまして。
いつも御覧頂いている方、毎度有難う御座います。

Zoikhem Lab』主宰のZoikhemと申します。

当Labは出たとこ勝負な研究所長Zoikhemと、
無能な助手なれど有能な被験者であるChoyeによって、
家内制手工業ライクに細々と運営される零細施設です。
よって至らぬ点は多々在るかと思いますが、
如何か平にご容赦を願います。

当座の研究対象は、
身体的改造がもたらすエロスの変質、
野外・露出的環境におけるエロスの萌芽、
などを予定しております。

…あくまで予定で御座います。

日々の研究はBlog上で発表し、或る程度纏まったものはgalleryに追加させて頂きます。
gallery第一弾は過去のカタログになっておりますので、
「この続きが見たい」等のリクエストは常時受け付けております。

ということで、「SM」というよりは身体改造のレポート・サイト、になるのですかねぇ。

galleryを見ていただければ確認できると思いますが、被験者のChoyeさん、顔はモザイクかかっているんで詳しくはわかりませんが、雰囲気として、上品で清楚な感じです。
バイオリンを構えた写真なんかもあります。

↓この写真をクリックしても「Zoikhem Lab」のTOPページにいけます。
zoikhem

そんな人が、あそこツルツルにそってタトゥー入れて、びらびらにピアス幾つもぶら下げている写真、公開しちゃっているわけです。
肝心の部分はちゃんとぼかしはいっているけど、タトゥーとピアスは、ちゃんと確認できます。

野外露出の写真も、かなりあります。

あと、Blogをみてみればわかると思うのですが、ZoikhemさんとChoyeさん、過激な写真撮っている割には、普通の、仲の良さそうなカップルです。

そんな普通そうなカップルが、性器のまわりにタトゥーとかピアスつけて、それをネットで公開しちゃうって……今更ながら、凄い時代になったもんだ。

とりあえず、身体改造系に拒否反応ない方には、一見の価値あり、ということで。



immoral_zex.jpg
uroko.jpg
real_peeping.jpg

彼女はくノ一! 第三話 (28)

第三話 激闘! 年末年始!!(28)

 そろぞろ帰る途中で、柏千鶴が「晩ご飯の材料を買わなければ……」といいだし、松島楓、才賀孫子、飯島舞花も「ああ。そういえば」と、いいだす。羽生譲は今夜、このまま商店街打ち上げのほうに参加する予定だったので、狩野家の夕食は自分たちで用意しなかればならなかったし、飯島舞花の父親は、今夜も不在らしい。舞花はこの年齢で、実質上、家の家事をほとんど一人で行っている。その舞花に「セイッチ。今晩は、どうする?」と尋ねられた栗田精一は、「明日は終業式だから、今夜は家に帰る」と答えた。両家の両親公認の飯島と栗田は、週末や連休になると舞花のマンションで過ごすことが多い。
「……あー。そうかー……そういえば……」
 樋口兄弟も、二人でそんな相槌をうちあう。いろいろあって長く感じた試験休みも今日で終わり、明日、二十六日が、二学期を締めくくる終業式。午前中の、せいぜい二時間前後しか学校にいないとはいえ、登校はしなければならない。それが済むと、来年、一月九日まで冬休みに入る。
 夕食の心配をしなくていい栗田精一と樋口兄弟の三人が商店街で離脱し、残りの連中でわいわい食料品店を練り歩く。話しを聞くと、柏千鶴は柏家とお隣りの堺家の息子さんの食事を毎日のように用意しているらしく、「あそこは安いけどものがよくない。あそこのは少し高めだけど新鮮」と、商店街の店舗の情報を、一軒一軒詳しく解説してくれた。才賀孫子と松島楓は、メモこそ取らないものの、神妙な顔をして耳を傾けては、頷いている。
 孫子と楓は狩野香也に荷物持ちをさせ、相談しながら食材を買っていく。ジャガイモ、にんじん、タマネギ、牛乳、それに、シチュー用の角切りの肉と、テーブルワイン。
「昨日の今日だから、あまり胃に負担をかけないもの。それに寒いから、シチューにします。それから、あなたも食べるのだから、負担も平等。作るの、一緒に手伝いなさい」
 孫子にそう宣言されれば、断る理由もないので、香也としてはこくこくと頷くしかない。
 みれば、加納兄弟も、二人でてきぱきと食材を選びながら、慣れた様子で買い物をしている。二人で相談しながら、というより、兄の荒野が妹の茅に「それとこれ」みたいに指示をして、会計を済ませたものから、自分で抱えている。二人分にしては、随分、量が多いように思えた。
 最後に柏千鶴が、商店街の裏道にある、どこかあやしげな雰囲気の輸入食料品店に入り、そこでごっそりと見慣れない輸入物の香辛料を買い込んできて、彼らの買い物は終了した。柏千鶴の料理は、わりとエスニックなものであるらしい。
 商店街からしばらく歩いたところで、「家、こっちのほうだから」という柏千鶴とも別れる。
「……あー。でも、昨日と今日は久しぶりに、賑やかなクリスマスだったな……」
 残った連中で荷物を抱えながらぞろぞろ歩いていると、唐突に、飯島舞花がそんなことをいいだした。
「わたし、とーちゃんの仕事の都合で、賑やかなクリスマスって、したことないんだよね。うち、わたしが小さい頃から片親だったし、しょっちゅう転校してたから、あんま、親しい友達もいなかったし……」
 昨日は楽しかったなあ、と、舞花は、帰路何度も呟いていた。

 その舞花と、加納兄弟ともマンションの前で別れ、加納家の同居人三人だけが残った。
 会話は、ない。
 才賀孫子は、初対面の時から松島楓に対抗意識を燃やしている。加えて、その時と、一昨日の風呂場での出来事から、狩野香也にも、どうやら非好意的であるらしい……態度を、一貫して取っていた。
 松島楓は、狩野香也に、どうやら好意らしいものを持っている……らしい。しかし、狩野香也のほうが、彼女のやや強引なアプローチに対して、かなり引き気味になっている。楓もそのことを理解しているから、香也に対しては、時間が許す限り、邪魔にならない程度にそばに居続けることで、どうにか満足している……らしい。それだって、解釈のしようによっては立派なストーカー行為なわけだが……香也の側は、あまり気にしていない。
 狩野香也は、このような気まずい雰囲気をどこまで認識しているのか、その茫洋とした態度からは、窺い知れない。意外と、大物なのかもしれない。

「ちょっと、どこに行きますの!」
 食材を台所に降ろし、そのまま出て行こうとする香也の襟首を掴んで、才賀孫子が引き戻した。
「負担は平等に、って、さっき話したでしょ。あなたも手伝いなさい!」
 ということで、三人で買ってきたばかりの材料を調理しはじめる。煮込み料理であるシチューは、材料を切って煮込むだけ、という比較的簡単な料理だったが、それでも分量が多ければ、調理する量も多くなる。
「毎回用意するのも面倒くさいから、これで二食分くらいは持たせます」
 という才賀孫子の命令下、三人で分担して野菜を切り始める。包丁を扱う手つきが危なっかしい香也は、タマネギ切りに回された。確かにジャガイモの皮を剥くよりは簡単かも知れないが、その分目にくる。
「カレーとシチューは、タマネギを多く入れてよく火を通した方が、甘みがでます」
 と、すっかりしきり屋モードになった才賀孫子は、香也に大量のタマネギを渡した。香也は、涙をぼろぼろ流しながら、渡されたタマネギの薄皮を剥き、それを八等分くらいにバラしてボールに入れる、という作業を繰り返した。
「……この家、圧力鍋もないんですの……あれのほうが、時間も燃料も節約できるのに……」
 そんなことをいいながら、才賀孫子は香也がバラしたタマネギを鍋にいれ、根気よく弱火で炒め続ける。時々料理を手伝わされることのある香也は「……あれって、シチューではなくカレーのやり方なんじゃあ……」と思っていたが、あとで入れる分のタマネギを別に取っているところをみると、それなりの計算があってしていることらしい。
 二人がそんなことをしている間にも、楓は、凄い勢いでジャガイモとにんじんの皮を剥き続ける。料理はあまり得意ではない、とかいっていたが、少なくとも刃物の扱いには習熟しているらしい。流石は、くノ一。
 孫子は飴色になるまで弱火で炒めたタマネギのストックがある程度溜まると、今度は別の鍋で角切り肉の表面の色が変わるまでざっと火を通す。
 炒めたタマネギと肉を大きな寸胴鍋に放り込んで、ワインを適量注ぐ。ある程度鍋が煮立ってきたところで、残りのタマネギをどっさり入れ、掻き回しながらしばらく火にかけると、当所多すぎるように見えたタマネギは嵩を減らし、代わりに水分を出すようになる。そこに、楓が切ったにんじんとジャガイモを入れ、丁寧にアクを掬いながら、さらに掻き回し続ける。材料に大体火が通ったところで、牛乳を入れて弱火にし、鍋に蓋をして、ぐつぐつ煮込む……。

「……うまいねー、これ。暖まるわー」
 二時間後、赤い顔をして帰宅した羽生譲は、三人で作ったシチューを、スプーンで掬って一口、口にした途端、そんな事をいった。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(4)

第四章 「叔父と義姉」(4)

 マンションに入った途端、茅に抱きつかれて、そのままこうなったので、明かりは最初からついていない。しかし、荒野は夜目が効くから、常人には真っ暗にみえる場所でも、ほんのりとものの形が識別できる。あまりにも暗すぎる場合は、細かな色まで識別するのは不可能になるが、それでも明度くらいは見て取れる。赤外線や紫外線やX線は、幸か不幸か、見ることができない。
 おかげで荒野は、震える手で茅のブラウスのボタンを一つ一つ外す際、そこから覗いた肌の色や下着の白さにも、いちいち心臓が飛び跳ねる思いをしている……。
 先ほど、茅にはああいったが、他ならぬ荒野自身が、見慣れているはずの茅の裸体を見ることに、異様な興奮と恐れを抱いている。荒野の高揚を知っているのかいないのか、茅は、目を閉じて仰向けに寝そべったまま、荒野が「なにか」をしてくれるのを待っている。
 ブラウスのボタンを全て外すと、驚かさないように、それを左右に広げ、下着に包まれた乳房を露わにする。脱がせた服と茅の背中の間に手をいれて、茅の上体を抱え起こし、上着ごと、ブラウスの袖から腕を抜く。ブラを除き、剥き出しになった茅の上半身をそのまま抱きしめる。背中に回した手を上下にゆっくり動かし、茅の背中の感触を確かめる。
「……荒野も……」
 茅は、相変わらず目を閉じたまま、荒野に身を任せている。
「……脱いで……荒野の体……感じたい……」
 そうか、といって、荒野は一旦茅の体を離し、自分も服を脱ぐ。
 上半身裸になったところで、茅が荒野の背中に抱きついてきた。
「……よかった……」
 茅は、背中から腕を回して、荒野の心臓の辺りに掌を当てている。
「……荒野も、ドキドキしてる……わたしだけじゃない……」
「茅。しがみつかれたら、服、脱げないよ」
「……いいの……」
 茅は、荒野の両腕ごと、荒野の胴体に手足を回して、しがみついている。そのまま、荒野の背中に、自分の頬をおしつける。
「……少し、このまま……下は、後で脱がすから……今は、荒野の心臓の音、聞かせて……」
 荒野は中途半端な姿勢のまま、茅が飽きるまでじっとしているしかなかった……。
「……全然、静かにならないね、荒野の心臓……」
「……だって、そんな恰好のまま、茅がひっついてくるから……」
「……そうだね。はじめの頃、荒野、毎晩このくらいドキドキして、夜遅くまで、ずっと起きてた……」
「……知ってたの?」
「ん。だって、裸で抱き合ってたから、心臓の音、聞こえてきたし……最初のうちは、荒野はそういう人なんだ、って思ってた……仁明と荒野しか、茅がそうして寝た人、いなかったし……」
 荒野は、一瞬、目眩に似た感覚を覚えた。
「……あのぅ……茅……」
「ん。今では、わかってる。茅も、いろいろ勉強したの。茅、それまで仁明しか、茅以外の人、知らなかったから、憶えることがいっぱいで、大変だった。でも、荒野たちのおかげで、かなりわかってきたの。いろいろな人と会って、いろいろな人がいるんだな、ということがわかったの。
 でも、荒野は特別な人。茅が、こうしてひっつきたいと思える、ただひとりの人……」
「……おれも、そろそろ、茅に触りたいんだけど……」
「……まだ駄目。もう少し、荒野の背中、感じさせて……そう、ベッドに寝そべってもいいから……荒野の背中、すべすべで気持ちいいの……」
「……じゃあ、そうさせてもらう……」
 荒野は、背中に茅をぶら下げたまま、ベッドに俯けに寝そべった。
 ひょっとして、茅は……極端な恥ずかしがり屋で、自分の裸を荒野の目に晒したくないため、荒野のバックをとっているんじゃないだろうか……とか、思わないでもなかったが、自分ですぐに打ち消した。
 いや、それにしては、今の茅、随分リラックスしているじゃないか……と。

 茅は、鼻歌を歌いながら、俯けに寝そべった荒野の背中の上に、俯けに寝そべって、ぺたーっと張りついている。背中には、茅の頬とブラと肌の感触。時折、思い出したように、茅は掌で、荒野の背中のそこここを撫でる。愛撫する、とか、そういう感じではなく、大きさや感触を推し量っているような感じで……。
「荒野の背中……やっぱり広い」
 案の定、茅はそんなことをいいはじめた。
「茅が、華奢すぎるんだよ……」
「むー。荒野、もっと太っている人のほうが好き? 楓とか」
「……なんで、そこで楓? ……あっ! さっきの! ひょっとして胸のこと、気している?」
「むー! むー! むー!」
 茅は、手近にあった枕を両手で掴み、それを振りかぶって、荒野の背中や頭を叩きはじめた。もちろん、全然痛くはないのだが……。
『……そっかぁ……茅も、そういうの、気にするんだ……』
 さっき、茅にはぴったりなサイズのメイド服を松島楓が着た際、楓が「胸のあたりがきつい」といったことを、かなり気にしていたらしい。
「大丈夫だよ、茅……。
 茅、背もむ、む、む……他の部分、も、すぐに、まだまだ大きくなるはずだから……それに、あまり脂肪がつきすぎている女の子も、おれ、イマイチ好きなほうじゃないし……」
「むー!」
 と唸りながらも、茅はとりあえず、枕で荒野の体を連打することは止めた。
 今度の「むー!」は、「本当?」という意味なんだろうな、と、荒野は思った。
「本当本当。おれ、茅みたいなスレンダーなのが好み。もう、ギンギン」
 荒野のほうも、なんがかどんどん自分がなにをいいたいのかわからなくなってきている。茅の態度もそうだが、荒野自身も、いい加減、普段とは全然違うノリになってきている。こういうのも、緊張のあり方、なんだろうか……。
「確かめる!」
 茅は、そう低く吠えて、荒野の股の間に手を突っ込んで、荒野の股間を探った……。
「……をいをい……」
「ほんとだ……硬いまんま……窮屈で可哀想だから、そろそろ、脱がす……」
 上擦った声で茅はそういい、そのまま、荒野のジッパーをゆっくり降ろす。かちゃかちゃと音を鳴らせて、ベルトのバックルを外す。
「ずるいぞ、茅だけ……」
「荒野も、茅、脱がせた」
「上半身だけじゃないか……」
「……駄目。荒野、おしり浮かせて……」
 茅は、荒野のベルトに手をかけて、下着ごと荒野のパンツを、一気に引き抜いた。
「……やっぱり元気。荒野の……」
 満足そうに目を細めて、茅がいった。

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彼女はくノ一! 第三話 (27)

第三話 激闘! 年末年始!!(27)

 駅前のステージのほうに行くに従って人口密度が増していくのは昨日、一昨日と同じだった。が、ショー最終日の今日は、以前にも増して人が多くなっている。少しステージから距離を取ると少しは余裕が出来るのだが、ステージが視界に入る位置に来ると、途端に人がみっしりとつまっている状態になって、交通整理にかり出された警備員の誘導の声も虚しく、立ち止まってショーの開始を待つ人々が多かった。
 やがて、最後のショーがはじまり、羽生譲の司会によっていつもと同じ通りの進行を繰り返す。挨拶。才賀孫子の賛美歌。松島楓のトナカイの逃走。才賀孫子の歌はどうせ商店街の放送で離れた所でも聞けるのではないか、と、狩野香也は思っていたが、一昨日に聞いたときよりずっと近い場所に陣取ってじっくりと聞いた今日、「やはり、迫力が違うな」と認識を改めた。商店街の放送システムは所詮必要最低限の設備であり、細かな息づかいまで含めて歌声を再現するほどの精度は持ち合わせていない。ライブでみるのと機械を通して間接的に触れるのとでは、やはり違う……と、音楽に詳しくない香也でさえ、認めざるを得なかった。才賀孫子の歌が終わると、いつものように戯けた動作をみせつけて楓のトナカイがステージから客席に降り、すぐに姿を消す。それを追う孫子のサンタに道を造りながら、観客たちは声援を送っている。ハプニングのインパクト、という点では、はやり、なにをやり出すのか予想がつかなかった初日には及ばないだろうが、トナカイの出現場所をメールで受け付け、それを実況中継することで、この様相劇の間は、商店街全域を舞台にした参加型のイベントになってしまっている。トナカイとそれを追跡するサンタは、一回の逃走劇毎に商店街を万遍なく回っているような感じなので、その時商店街に居さえすれば、必ず、どこかで姿をみることができる。普段通りに買い物をしている客がたまたま逃走劇をリアルに目撃する、ということも起こりうるわけで、……その場にいる人々に共通体験を作ることで、緩やかな連帯意識を作る作用がある。ステージの側に来れない人々へのサービスにもなるし、羽生譲がトナカイが出没した付近の店名を連呼することで、商店街の一店舗一店舗のアピールにもなっている……。
 どこまでが羽生譲の、あるいは、出演者である松島楓と才賀孫子のアイデアなのかわからなかったが……商店街の活性化として行われるイベントとしては、実によくできている……と、香也は思った。
 最後に一時間弱、トナカイとサンタが大昔のポップ・ソングのナンセンスな歌詞を歌って踊る。その歌が流行った当時、香也たちは産まれていないし、耳慣れないその曲が、当時、どれほどメジャーなものだったのか、という知識もないわけだが、滅茶苦茶な運動量の、激しい振り付けを続けざまに行って息を乱す様子もない二人のスタミナは、確かに一見の価値があると思った。今日も、当然のように途中から猫耳メイド服姿の加納茅が乱入し、二人と全く同じ振り付けをこなして、歌って踊る。マンドゴドラの店頭でも常時放映されている茅の顔はそれなりに知られているようだが、それでも茅の名前まで知られていない。茅が乱入すると、観客たちは「待ってました」と声をかけたり、拍手したり、「またでたよあのメイド」と囁きあったりしていた。
 三人娘が一通り歌い終わると、羽生譲の司会が一段落するのを見計らって、茅は、ずい、と、一歩前に進み出て、唐突に、
「わたしたち、普通の女の子に戻ります!」
 とマイク越しに宣言をする。予定とか打ち合わせをしていなかったらしく(常時乱入の茅に、そんなものがあるわけもないのだが)、司会の羽生譲も密かに戸惑っているのが、香也の目からは感じ取れた。
 比較的年配の客が「キャンディーズかよ」とかいいながらもパチパチと拍手をしだすと、それはその場にいた人々全体にすぐ広まっていいって、羽生譲がてきぱきとショーの終わりを宣言し、四人はステージから降りた。
 拍手はいつまでも続いていたが、どれだけ拍手が長く続こうともアンコールなどは一切なく、商店街のクリスマス・ショーは全てのプログラムを終えた。

 祭りは、終わった。

 いつまでもその場から去ろうとしない人々を掻き分けて、なんとか全員で楽屋にいく。楽屋、といってもステージの袖に急造された狭いスペースだが、ベニヤやカーテンで仕切られ、着替える場所もなんとか確保されている。依然として人が多すぎたのでなかなか進むことができず、わずかの距離を移動するのに思いの外時間がかかり、そこにたどり着いた時には、松島楓と才賀孫子はすでに普段着に着替え終え、灯油ストーブの前で、羽生譲と商店街の人々に囲まれていた。商店街の人々は例外なく機嫌がよい様子で、にこやかな笑みを浮かべながら口々に二人をねぎらっている。すぐ側にちょこんと立っている加納茅は、猫耳をポケットにしまい、あの服装の上にコートを着こんだだけのようだった。
「あ。皆さん!」
 めざとく、香也たちが入ってきたの見つけた松島楓が、駆け寄ってくる。
「みてください。こんなに、お礼いただいたんですよ! わたし、自分で働いたお金頂いたの、初めてです!」
 よほど嬉しかったのか、楓はね封筒えお開けて中身を見せようとさえ、香也をはじめとするその場に居合わせた人々が、「まあまあ」となんとか、必死にそれを押しとどめる。
「いや、そんなもん。お嬢ちゃんたちがやってくれたことに対して払う額ととしては、少ないもんだと思うがよう……」
 どこかのご隠居だろうか。初老の、赤ら顔のおじさんがそんなことを言いはじめると、周囲にいた商店街の人々がうんうんと頷きはじめた。
「この商店街が、こんなに人に溢れたのって、何年ぶり何十年ぶりのこった。高度成長期の時以来じゃないのか、ここがこんなに活気でたの……。
 それを考えりゃ、こんな謝礼なんて、全然安いもんよ……」
 ちらりとみただけでも、楓が手にした封筒は結構分厚かった。具体的な金額まではわからないが、少なくとも、楓たちが当分小遣いには困らないだろう、ということは、推測できる分厚さだった。
「こんな、なんにもないような町でも、やりようによては人は呼べるんだ……ということがわかったのが、一番の収穫だな……。もちろん、お嬢ちゃんたちがやったみたいに、いつもいつも千客万来、ってわけにはいかないだろうが……それでも、なにかやれば、なにかしらの成果があるんだ、って手応えを感じられたことが、大きいよ。うん。まだまだ諦めちゃいけない、ってな……」
「……あー。それで、電気屋さんから頼まれてた見本というのが、これなんすが……」
 羽生譲がノートパソコンの画面を開いて、商店街の人々に説明をし始める。
「……こんな感じですね。こうやってお店の写真にカーソルを合わせると、一店一店の詳細な説明がこっちのほうに出てくるわけです。動きがあったほうがいいと思ったんで……」
「……売り出し情報とかどうすんのかね?」
「そういう、速報性が強いものに関しては、ブログでフォローしようかなぁ、と……。携帯で気軽に更新できるのもありますし……」
「だからな、そのブログってぇのを使うと、携帯の決まったアドレスにメールを……例えば、『何日何時からタイムセール』みたいなこと書き込んで、出せば、その場で自動的に更新されるわけだ。で、お客さんのパソコンや携帯で、いつでもみれるようになってだな……」
 作業服姿の電気屋さんが羽生譲をフォローし始める……。

 なんだかんだと話し合いをし始めた大人たちを後にして、松島楓、才賀孫子、加納茅を加えた一団は、ぞろぞろと帰路につく。
 しばらく歩き、商店街からも人混みからも離れてた場所で、ぽつり、と、松島楓が、会話の合間に呟いた。
「……あー。終わっちゃったんだなぁ……って、感じですぅ……」

 そう。
 祭りは、終わった。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(3)

第四章 「叔父と義姉」(3)

 荒野の部屋に入り、いつも二人で寝ているベッドに荒野は腰掛ける。と、茅は、荒野を押し倒した。
「もっと……荒野を……」
 茅は、指先で荒野の顔の輪郭をたどる。
「……感じたいの……」
 両手で荒野の顔を包み込むように固定し、長々と口づけを交わす。
「……やっぱり荒野の唾、甘い……」
「……茅、興奮している?」
「ん。たぶん……こんな感じ……初めてなの……」
 茅の顔は、一目でそれとわかるほどに上気していた。
 荒野が初めて見る、茅の表情だった。
「……荒野も、茅のこと……」

 ……触れて……。
 恥ずかしそうに目を伏せて、茅が呟いた。

 寝そべった荒野の上に、茅が馬乗りになっている。その腰を、抱き寄せる。
 すでに、これ以上ない、というくらいに反応している荒野自身の上に、茅の股間が上体の体重を乗せて押しつけられる。
「……本当……もう……止まらない。止められないよ、おれ……」
 腕を引っ張って茅の上半身を自分の上に降ろし、荒野は、ベッドの上で茅の体を抱擁する。
「……いいの……好きにして……荒野の、すっかり硬くなって……んんっ!」
 この日何度目の接吻になるのだろう。どちらともなく、口唇を合わせる。

 茅は目を閉じたま腰を浮かせ、隙間に手を入れて、延ばし、荒野の股間の膨らみを、愛おしそうに撫でた。
「……すごいの……荒野の……。
 ひょっとして今まで……荒野、ずっと我慢してたの?」
「我慢というか……うん。まあ。茅、きれいだし。いつかやりたいとは、思ってた」
「……早くいってくれたら、よかったのに……」
「……いえないよ、そんなこと。茅とは、興味本位でやりたいとは思わない。
 それに男は、裸の女性に抱きつかれていれば……誰でも、こんなになるの」
「仁明は、違ったの」
「そうらしいね。茅のこと、実の娘のように思ってたんだよ、たぶん……。
 ね。茅は親父のこと、好きだった」
「うん。仁明、優しかった」
「……そっか。じゃあ、少なくとも、悪いやつじゃあ、なさそうだなあ……。
 茅が好きになれるんなら……」
「多分、優しすぎたの。荒野と同じ」
「……そっか。じゃあ、おれは、好きになれそうにもない……」
「……馬鹿……」
 茅は、パンツのジッパーを開け、荒野のパンツを脱がそうとする。その手を、荒野が優しく止める。
「やっぱり、荒野……茅のこと、怖い?」
 上目遣いで、荒野の表情を伺うような顔した茅が、そういった。
「そうじゃなくてさ」
 荒野は、茅の頭に掌を置き、優しくなでる。
「先に茅のこと、脱がせたい。こういうのは男のほうがイニシアチブ取るもんだと思う……」
 そういって、荒野は茅の服に手をかけようとすると……。
「駄目!」
 いって茅は、荒野の手を払いのけた。顔が真っ赤になっている。
「……毎日のように裸で抱き合って寝ていて、一緒に風呂に入ったこともあって……それでも、今更恥ずかしがる?」
「違うの! 今までと違うの!」
 茅は自分の胸を抱くようにして、頭を振った。
「だって、荒野、今までは仁明の代わりみたいなもので……。
 でも、荒野、前に対等の相棒、って……それに、今、茅のこと怖くてもいい、っていってくれて……。
 ……だから、今の荒野は仁明とは違うの! 今までとは違うの!」
 丸めた背が、震えている。
「……茅は、可愛いなあ……」
 茅の丸めた背を、抱きかかえて、荒野は茅の真っ赤になったうなじに、口をつける。
 ようやく、荒野のことを異性として意識はじめた、ということなのだろうか?
 荒野には、自分の目の前でもあっけらかんと全裸になる茅より、こうして羞恥の感情を露わにする茅のほうが、自然で可愛い……と、思った。
「でも、触って欲しいんだろ?
 このままじゃあ……ん。まあ、慣れるまで、服を脱がせないで触ろう……」
 背中から回した掌で、茅の胸の膨らみを包み込む。
 茅のバ乳房を包み込んだ荒野の掌を、茅の掌がさらに包み込む。
「……それなら、いいの……もっと、触って……」
 荒野は、茅のうなじの匂いを嗅ぎながら、服の上から、茅の胸を揉みしだきはじめる。
「……んんっ……はぁ……あ……あ……」
 いくらもしないうちに、茅が甘い喘ぎを漏らしはじめた。
「茅、感じてる?」
「……なんか……んんっ……もっと……」
 荒野はあぐらをかき、その膝の上に茅を座らせ、さらに執拗に茅の胸を揉んだ。
 乳首のあたりを指先で軽く撫でたり、少し力を込めてつねり上げたりすると、茅がよく反応することがわかった。
「……上手……荒野……んんっ!」
「ね。茅のほうこそ、我慢してた?」
 その質問を聞くと、茅は荒野の腕を振り払って逃げようとした。しかし、荒野はそれを許さず、なんなく後ろから茅を羽交い締めにして、ベッドの上に押し倒す。
「駄目。逃がさない。茅、こういうことされたい、って、思ったことない?」
「……や……なの……」
 茅は、顔を真っ赤にしながらも、露骨に荒野と目を合わさないようにしている。
「正直にいわないと、ここでやめるよ」
「……少し……最近になって、そういうこと……想像するように……少し前まで、そんな感覚、わからなかったのに……」
「……そうか……」
 荒野は、自分の顔を茅の顔に近づけ、至近距離から茅の目を覗き込みながら、茅の服のボタンに手をかけた。
「正直に答えてくれた、ご褒美……多分、茅が想像していたようなこと、これから、やる……。
 おれ、もっと、茅こと、触りたいし。茅に、直に、触れたいし……。
 だから、これから、茅の服を脱がす……」

 茅は、黙って目を閉じた。

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彼女はくノ一! 第三話 (26)

第三話 激闘! 年末年始!!(26)

 商店街のはずれにあるマンドゴドラから駅前までの道のりは、昨日、一昨日にもまして混み合っていた。
「……なあ。あの、楓とか才賀とか、そんなに話題になるようなやつらなのかなぁ……」
 その人手をみた加納荒野が、誰にともなくいった。
「……最初の方は、たしかチラシ配りのサンタとトナカイが、どうもショッピング・センターで暴れてた子たちらしい、っていう噂がネットで流れて……確か、その時、アップされた画像とか映像が、一斉に削除されたんだよね。どうも、どっかから圧力かかったみたいで……。
 それで、かえってなんかあやしい、ってことになって、某巨大掲示板でスレがいくつか立って……」
 詳しい説明は受けていないが、なんとなく「いろいろ裏があるらしい」ということは知っている飯島舞花が答えた。
「……その真偽を確かめに来た閑人経由で、なんか変に芸達者な可愛い子がいるぞ、みたいな噂がぱーっと広まっちゃって、そうこうするうちに、最初のほうのショッピング・センター疑惑のほうは下火になっていって……。
 あと、『地元経済活性化の実例』なんたら、みたいな感じで、ローカルTV局から取材したい、ってオファーもあったそうだけど……そっちは確か、ソンシちゃんの実家のほうから圧力かかってウヤムヤのうちに取りやめになった、っていう噂も、聞いたことある。
 それで、『ソンシちゃんが実は、さる財閥のご令嬢らしい』って情報に信憑性あたえちゃって……ソンシちゃんもその辺は隠そうとはしてないし、普段の態度からしてああだから、これは、まあ、いいのか……
 でも、見た目が綺麗とか可愛い、とかだけだったら、多少噂になってもあまり注目されずに終わったと思うけど……二人とも、芸があるのに加えて、独特のオーラ放っているからなぁ。直に見た人の印象に残るし、他に人にも見せたい、って気持ちになるの、わかるよ……」

 人混みの中で、二十代前後の男女が十四、五人くらいの団子になっていて……。
「いや。本当だって。あのトナカイ、カメラには写るけど、人には見えなくなる時間が、たしかにあって……」
「……んー。それ、本当だったとしても……その場にいなかった人には、証明不可能なんじゃないですか?
 あー。猫耳君だー!」
 その中から、ぶんぶん手を振りながら出てきた人がいた。若い女性で……柏(姉)、こと、柏千鶴さんだった。

「柏さんも来てたんですか?」
 加納荒野は、その大学のなんたららかなんたなサークルがなにを問題視しているのか、かなーり具体的に推測できたが、素知らぬ顔をして柏千鶴に話しをふった。
「そうなのです。妹と違い、クリスマスに相手してくれる男性もいない姉は、一人でとぼとぼと萌え集めの旅に出かけているのです。これで三日目かつ最終日なのです。残念無念なのです。
 うん。あの人たち、大学の、席でだけは置いているサークルの人たちでね。たしか、軽文化都市伝説……なんたららかんた……比較研究会……だったっけ?
 でも、いいのです。あの人たち、重箱の隅を突くような些末ことにしか興味のない人たちだし……こっちの可愛い子たちと合流して、一緒に歌姫たちを愛でる方が数倍有意義なのです。
 だって、聞いてくださいよー! あんな可愛い子たちが歌って踊っているのに、あの人たち、それそっちのけでトナカイちゃんが不思議ちゃんだ! とか、真面目に議論しているんですよ! あの人たちの心には萌え心がないのです! 可愛いは正義なのです!」
 そのまま香也たちに合流してきた柏千鶴さんは、相変わらず、鋭いのかずれているのかよくわからないことをまくし立てた。
 駅前のイベントがある三日間、ずっと通っていたらしい、ということはわかった。
 その他の部分は……やっぱり、よくわからない人だった。
「あー。そういえば、マンドゴドラのCM、ついさっきお正月ヴァージョンに変わってましたねえ。
 黒猫ちゃんは、今日も乱入するんですかぁ?」
 しかし、チェック厳しい。ついさっき切り替わったばかりなのに……。
「黒猫ちゃん」こと加納茅はこくこくと頷き、コートの前を開いて中に着ているメイド服を柏千鶴にしめしてから、ポケットの中から猫耳カチューシャを取り出した。柏千鶴は「わぁ。めちゃ可愛いのです萌えなのです」とかいいながら、加納茅を抱きしめて、頬ずりする。
「……なんなんだ、この人は……」
 初対面の飯島舞花が唖然としている。
「一年の柏のお姉さん。千鶴さん。それに、憶えてないの? あんたも、昨日ミニラ先生とうちの大樹に同じ事してたんだよ」
「……え?」
「頬ずり。飯島って、意外と酒癖悪いんだね」
 飯島舞花の顔から、さーっと血の気が引いた。
「……わたしが……ミニラ先生と大樹君に……頬ずり……」
「うん。そのままキスしそうな勢いだった。気をつけな。あの調子だと、起きたら隣に見知らぬ人が裸で寝ていた、ってことも充分あり得ると思う。飯島、男性にも女性にももてるから、ドサグサ紛れに強いお酒とか飲まされたら、何でもありになっちゃうよ……」
「……わたしが……ミニラ先生に……う、嘘だ! 誰か嘘だといってくれ!」
「本当。みんなみてる」
 栗田精一が、実に嬉しそうな顔をして引導を渡した。普段、頭が上がらない相手が狼狽する様子を見みられて、かなり嬉しいらしい。
「……あの、この頭抱えてのけぞっている大きな萌え萌えさんは……ひょっとして、飯島舞花さん? あんなちゃんの先輩の……」
 取り乱している飯島舞花を指さして、柏千鶴が、誰にともなく尋ねる。
「……おっきな美人さんと、ちっさい男の子のカップルがいるって聞いているんですけど……そっかぁ……君たちがそうかぁ……」
 飯島舞花は、慌てて側にいた栗田精一を抱きしめた。
「セイッチはやらないぞ! これ、わたしの!」
「……えー……。でも、そっちより、わたし、舞花ちゃんのほうが萌え萌えだと思うんですけど……」
 そういって、栗田精一を抱きすくめている飯島舞花の体に、柏千鶴が密着して腕を回す。
「……萌え萌えなのです!」

「……先、いってようか?」
「……んー……つき合って、らんない……」
 三人を放置して先行し始めた加納荒野と狩野香也の後ろを、残った者たちがぞろぞろついていく。加納茅は団子になっている三人を興味深そうに観察していたが、加納荒野が半ば強引に手を引いていた。

「ああ! 見捨てないでぇ!」
 慌てて、取り残されかけた三人が後を追う。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(2)

第四章 「叔父と義姉」(2)

「……これが、荒野の目線……」
 荒野にしがみついて運ばれている茅が、荒野の耳に息を吹きかけるようにして、いう。
「……高い……でも、まだ、延びている……」
「……茅も……。
 初めてあったときより、かなり大きくなっている……」

 荒野の成長が最初に始まったのは、七歳の時だった。もちろん、それまでだって人並みに背は伸びていたが、その時始まったのは、「加納の者」としての成長だった。短期間のうちに、非常識に体を成熟していった荒野は、それまで通っていたその国の小学校に通えなくなり、結果として、当時一緒に偽装家族として暮らしていた人々と別れを告げた。幸福な幼少期、荒野の埋伏時代はこうして終わりを告げた。それから一年もしないうちに急激な成長は、いったん止まる。現在の体より少し小さい……外見上で、二、三歳くらい年下に見える体が出来たところで荒野は、以後、一族から荒事を中心に仕事を回されるようになる。
 早熟と長寿は加納の血筋の特徴であり、荒野も、そのライフサイクルを忠実にたどってきた……というわけだった。その時の急速な成長がとりあえず止まってからも、荒野の背はゆっくりと伸び続けている。あくまで、一般人と比較してもおかしくないくらいのペースで、だが。
 長身と痩身も、加納の特徴だから、もう少し……荒野が二十歳前後になるまでは、延びる続けるはずだった。

「……そういや、茅。本当は、何歳なんだ……」
 茅は、一族が偽装したデータでは、「荒野の戸籍上の年齢の、一歳年下の妹」ということになっている。外見的に、そのくらいに見えたからだ。
「知らないの」
 茅はいった。
「でも、一番古い記憶は、六年前。その頃はまだ立てなくて、仁明の周りをはいはいしていたの」
『……え?』
 荒野は、驚いた。
 それから、すぐに野呂の話しを思い出す。
 ……そう。茅は、見た目通りの年齢でない可能性も、十分にあるのだ。
 茅が加納の因子を持って生まれ……同じような成長の仕方をするならば……思い違いや勘違いではなく、本当だという可能性も、充分にあった……。
 流石に、自分も含め、はいはいしている頃の記憶を留めている加納の者に出会ったことはないが……それとも、知力に秀でる、とされる佐久間の者なら、その程度は普通のことなのだろうか……。

「……荒野……茅のこと……怖い?」
「いいや!」
 荒野は、自分が大声を上げた事に気づき、すぐにそれを恥じ入った。
「あっ……いや……。ごめん。実をいうと、少し……」
 茅は、荒野の躊躇いの理由を、敏感に察したようだった。
「……いいの……気にしないから……」

『……今までは、自分自身が怖がられることを恐れていたのは……おれのほうだったのに……』

 それまで親しくつき合っていた人々が荒野の特異性に気づき、「異質な者」として排除される……という経験を、荒野は何度かしている。一般人に紛れてくらす一族の者なら、誰でも同じような経験をしているはずだ。

 そのような時は、すぐに別の土地に移って、「別の人間として」仕切直すのだが……六主家の血族をバックアップするための一族のシステムは、実のところそうした自衛行為のために組織されたものではないのか、とさえ、荒野は思っている。一般人に比べ、自分たち一族の者は、あまりにも異質な存在なのだ……。
 ……だから、様々な利害や恩讐を越え、「一族」として、今まで、かろうじて結束できている……。

 だが、その一族からさえ、「未知の者」として畏怖される存在……『姫』……。

 仮に、野呂の話しが本当だとしたら……この計画を考えついた者は……一体、なにを考えていたのだろう?
 怪物が、怪物を作って……一体、どうしようというのだろう?

『……だから……なのか……』
 ……茅を、笑わせろ……。

 涼治は、荒野にそういった。事実上、拒否できない命令……だったと思う。
 その時の荒野は、「通常の荒事よりは、よっぽどやり甲斐のある仕事だ」と、むしろ、嬉々として引き受けたように、覚えている。
 だけど……。
『……なんて……』
 残酷な。

「荒野、泣いている?」
「ああ。泣いているのかも、しれない」
「荒野、泣くのをみるの、二度目」
「そうだっけ? ああ。あの時は、嬉しくて泣いてたけど……」
 ……あれ? 今は? なんで、泣いているのだろう……。

「もう一度誓うよ、茅。
 この先なにがあろうとも、おれは茅の味方だ。茅の、側にいる」
「誓いは、いいの」
 茅は、荒野に告げた。
「それよりも、茅を、荒野のものにして。茅は、荒野と繋がりたい」

 荒野は茅を抱えたまま、再び、ベッドのある部屋に歩みはじめる。

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彼女はくノ一! 第三話 (25)

第三話 激闘! 年末年始!!(25)

 その後、母屋のほうから羽生譲が呼びに来て、全員でお粥をすすって遅い朝食兼昼食を摂る。昨夜はどさぐさのうちに宴会に突入したし、あまり面識もない面子も若干いたので、わいわい騒ぎながらと軽く自己紹介をし合う。
「え? こっちのカノウコウヤって、おれとタメなの?」
 樋口明日樹の弟、大樹は、香也が自分と同じ学年と知ると、本気で驚いていた。香也は、荒野のように大人びているわけではないが、背だけはひょろりと高いから、初対面の人間に、年上に見られることもある。
「……知らなかった……うちの学校に、こんなすごい絵描くのがいて……それも、タメなんて……」
 ぶつくさ、いいはじめる。
「だってあんた、ほとんど学校来てないじゃない……。出席日数、大丈夫なの?」
「あ。それは、大丈夫。ちゃんと計算してさぼってっから……。
 それより、なー、あすねー。あすねーってこいつと、つき合ってんの?」
「つき合ってない! それと、そういうこと人前で聞くな!」
「……大樹君、恰好はあれだけど、結構楽しい子だなぁ……」
「……あー……この髪、みきねーの実験台になったら、いつの間にかこうなってたんですけど……で、ついでだから鼻にもピアスしてやれってノリで……でも、もうこっちの方向性もそろそろ飽きてきたんで、来年はイメチェンして硬派でいきます」
「……その前に、とりあえず、まともに学校通えよ……」
「あ。そうだ。樋口、お前、どうせこっち寄ってから学校いってるんだろ? 来年から、その子も一緒に引っ張ってくれば?」
「……え? あれ? そ、それは、その……」
「……あれぇ? おれたちと登校するの、そんなにいやなのかなぁ? 大樹君」
「こ、荒野さんの笑顔、時々怖いっす!」
「ついでにお前もだ、セイッチ! 毎朝、こっちに寄ってけ!」
「……って、おれん家は全然方向違うのに……いや、もう、まーねーには逆らっても無駄だとわかってますけど……」
「……あまり羨ましくないバカップルだな、おい。一年のほうのバカップルはほのぼのしているのに……」
「あいつらはねー。時々、他人が入り込めない空間作るから……」
「……誰?」
「あ。絵描きさんは知らないか……学校では結構有名だと思ったんだが……」
「狩野君は、大抵のことに関心ないから……この間手伝いにきてた柏妹と一年の子。男の子ほうも、線が細くて可愛い感じで……まあ、お似合い、かな……」
「……ああ。だからクリスマスのプレゼント……そうか……」
「……そういや、昨日はどうしてこっち来たんだ? 飯島?」
「いやだって、二人でいちゃつくのはいつもやっているし、賑やかなの好きだし」
「はいはい。ごちそうさま」
「でも……」
 樋口大樹は改めて、食卓に着いた人々の顔を見渡す。
「この面子で登校かぁ……壮観だなあ……特に女子。あすねーはちょっと平均値下げているような気がするけど……」
「あんたもでしょが!」
「……てぇか、男子は、カッコいいほうの荒野君以外は、せいぜい人並みだからなぁ……。
 でも、よかったな、こーちゃん。この面子に栗田君と大樹君が加わってくれると、こーちゃんの見た目の凡庸さが目立たないぞ!」
「……羽生さん、なに気に失礼なこといってません?」
「そうかぁ? 男も女も外見が全てではないぞ……」
「ああ。そうっすね。こっちの狩野香也君が、あんなに凄い奴だとは思ってもいなかったし……」
 またしてもブツブツ言いはじめる樋口大樹。どうやら、同じ学年で同じように不登校気味だった香也の存在は、以前から知っていたようだ。
「……その香也君を、登校するようにしむけたのが、あすねー……なのかぁ……どっちも、凄いよなぁ……」
「悩め悩め、青少年。愚痴だったらおねーさんが聞いてやるぞ。いつでも酒瓶担いでこの家に来たまえ」
「……酒は、もう、当分いいっす」

 そろそろ準備しないと三時から商店街ではじまる最後のショーに間に合わないから、と羽生譲が言いはじめたのを期に、解散、ということになった。
 今日で最後だし、昨日はいけなかったから……と、香也が「見に行く」といいだすと、加納兄弟、樋口明日樹、飯島舞花、栗田精一も、そのまま同行する、という。
 準備がある、といって先行した羽生譲、松島楓、才賀孫子の三人に少し遅れて、全員でぞろぞろと駅前に向かう。移動の時間を考えても、開演まだかなり間があったが、駅前まで出れば、時間を潰す方法はいくらでもある。
「今日はマンドゴドラ、寄ってく?」
「……んー……どうだろ? 並んでいる人がまた多いようだと、お邪魔しても悪いかなあ、という気もするし……」
「……もう、イブ過ぎちゃったからなぁ……どうなんだろ? 予約のお客さんは、かなり捌けているはずだけど……」
「売れ残ったの、安売りってするのかな?」
「するとしても、明日か、今日の夜遅くからだよ……」
「じゃあ、マンドゴドラは、まず、様子をみてからってことで……」

「お。来た来た」
 店の前をぞろぞろと通りかかると、マンドゴドラのマスターの方から声をかけてきた。
「今日は団体様か。いいよいいよ、みんなで休んでいきなよ。そのかわり……」

 ちょうど人数もいるし、ということで、店の模様替えを手伝うことになった。
 人出のほうは、二日前、荒野たちが立ち寄ったときよりは落ち着いている。前ほどではないにせよ、それでも、長蛇の列ができていた。
 その行列をかき分けるようにして、全員でゴム手袋をはめて、ショーウィンドウに描かれた雪景色の白い塗装を落としていく。その作業には、十分もかからなかった。
「……この行列も、君らのおかげみたいなもんだ。今後も、毎日でもうちに寄っていってくれ!」
 と、例によってダイナミックな笑顔を浮かべ、マンドゴドラのマスターは、荒野の手をとってぶんぶんと振っている。

「……んー……ここら辺? なにを、描きますか?」
「……まー……オーソドックスに、門松、羽子板、独楽……あと、一富士、二鷹、三なすび……ってえのは?」
「……塗料のほうが……白と、黒と、緑……かー……。
 んー……こんだけあれば、なんとか……」
「はいはい。ペンキが飛ぶことがあります。もう少し、離れてください」

 香也はぶっつけ本番で、白い塗料を刷毛に乗せ、ざざざ、っとショーウインドウに富士山を描く。塗料がショーウインドウのガラス面をしたり落ちていくところまで利用して、雪峰の富士を、ざざっ、と大胆な動きで仕上げると、何事かと見守っていた行列の人々から、歓声があがる。
 続いて香也は、富士山から少し離れた店の入り口近くに、大体実物大の門松の絵を描く。その近くに、白と緑を適当に混ぜながら、精緻なタッチで羽子板の絵を添え、次に、富士山の上に黒の塗料で墨絵風の鷹を、最後に、緑と黒の塗料を混ぜながら、富士山の麓になすびを描き加えた。
 香也が刷毛を置くと、見物していた人々の間からため息がもれ、パチパチと拍手が聞こえだした。

「……君たち、凄い友人もってるなぁ……本職でも、ここまで見事じゃないぞ……」
 試しに、と、香也にやらせてみたマンドゴドラのマスターのほうが、ものの三十分もかけずにあっさり仕上げてしまった手際のあっけに、呆気にとられている。
「……んー……。前に、はじめrてペンキ使った時、ちょっと粗く仕上げちゃったんで、フラストレーション溜まってたかなー……」
 そんなことをいいつつ、刷毛と塗料を片付けだした香也は、服も汚していない。
「……仕上がりもそうだが、パフォーマンスにもなっているじゃないか……」
 マスターの言葉通り、たまたまそこに居合わせた行列のお客さんたちの拍手は、いつまでもなりやまない。
 なにしろ、香也の筆先には躊躇い、というものがまるでない。ざっ、ざっ、と、一見無造作に、大胆に腕を動かし、その後には完成品が残っている。このように大きな作品をざっくり完成させる様子は、見せ物のような様相も帯びてくる。
「よっしゃあ! いいもん、見せて貰ったお礼だ! 今日から君も、うちの店、フリーパスでいいよ!」
「……あの、嬉しいんですが、ぼくは、甘いのは、ちょっと……」
 狩野香也は、加納荒野と違い、甘い物はあまり好きではなかった。

 加納荒野と茅、その他の一同がカウンターにずらりと座って、ケーキをぱくつく頃合いを狙って、マスターは、店の上部に据え付けられたモニターに流している映像を、クリスマス・モードから正月モードに切り替えた。
 行列客から「おおぉう!」という歓声があがる。
 店の中にいた荒野たちは、店を出るまで、モニターの中の猫耳荒野と猫耳茅が、その衣装を、サンタから羽織袴と振り袖に取り替えていることに、気づかなかった。

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髪長姫は最後に笑う。第四章(1)

第四章 「叔父と義姉」(1)

 狩野家を辞して、野呂良太が完全に姿を消すのを確認してから、加納荒野と加納茅、三島百合香の三人はマンションに向かった。最近は栗田精一とともに狩野家によく出入りするようになっている飯島舞花は、そのまま泊まっていくという。
 帰る前に、松島楓から「わたし、本当に東京にいってもいいんでしょうか?」と尋ねられたが、荒野は「遠慮せずに行ってこい」とだけ、答えた。楓は東京行きを楽しみにしていたし、それに、野呂良太が伝えてきた「他の六主家が動き始めている」という情報も、まだ裏がとれているわけでもない。
 仮に、茅の正体が野呂良太の推測する通りのものだったとしても……荒野は、今後、他の六主家の連中が接触してくるにしても、必ずしも衝突する……とは、思っていない。
 中には、茅の身柄を要求してくる者も、確実にいるのかもしれないが……その辺は、別の代価を支払うことで、いくらでも話しがつきそうな気がした。荒野に限らず、加納の者は、その手の交渉事には長けているのだ。

 涼治が故意に茅の居場所をリークしているのだとしたら……そこには、何かしらの意図があるはずだ……と、荒野は、思った。
 多分、涼治は……茅を抱えた荒野が、他の連中にもみくちゃにされて、それでも自分の意志を貫けるかどうか……それを、試しているのだろう……。
 荒野は、そう、推測した。
「あのじじいのやりそうな事だ」、と。

「……今年は、帰らないつもりだったけどな……」
 マンションのエレベータの中で、突然、三島百合香がそんなことをいいだいした。
「……やっぱ、年末年始、故郷に帰る……。
 ついでに東京に寄って、野呂がいってた男に接触して来ようかと、思う」
 三島は、野呂と同じ結論を、もっと早く出せなかったことに責任を感じているのかも知れない……。
 荒野はそう思ったが、口に出しては、こういった。
「……へぇえ……先生、故郷があるんだ……」
「お前な、わたしをなんだと思っている? ここいらと同じような、田舎の小さな開業医の生まれだよ、わたしは。医学部にいって免許はとったけど、どうも臨床は性に合わなくてな……で、研究職に進んで、そこでお前とこのじいさんに引っ張られて、今ではこんなことやってるって寸法だ……。
 ……人生、どこでどうなるのか、わかったもんじゃないな……」
 そんなことをいいあって、三島百合香と、別れる。
 明日には出発する、といっていたから、次に三島と再会するのは、年明けになるかも知れない。

 マンションの、自分たちの部屋に戻ると、いきなり茅に抱きつかれた。
「……どうした?」
 茅に抱きすくめられたまま、荒野はいった。
「……怖いの……」
 荒野の体に腕を回しながら、茅は、全身を震わせている。
「……自分で、こうなんじゃないかな、って思っていたそのままのこと……あの男がいったから……。
 それで、怖いの……」
 三島は、再三「茅は頭がいい」ということを荒野に強調していた。
 荒野も、そのことを実感するような出来事に、何度か遭遇している。
 だから、荒野たちがたどり着けなかった結論に、茅のほうが先にたどり着いていたとしても……別段、不思議には思わない……。
「……そっか……今まで、自分だけで、抱えていたのか……」
 荒野は、茅が、自分のルーツに関して不安を抱いていることを察してやれなかった自分に対して、苛立ちを覚えた。
 荒野も、茅の体に腕を回し、力を込めて、抱き返す。
「……すまない……気づいてやれなかった……でも……」
 茅の髪に顔を埋めるようにして、囁く。茅の匂いがする。
「……もう、一人だけで悩まないでくれ……おれたち、相棒だから……これからなにが起こっても、おれだけは、茅の味方だ……ずっと、側にいる……」
「……ずっと……本当に……」
「……本当に……約束だ……だから、泣くな……」

 茅が泣くのを目の当たりにするのは、二度目だった。
 一度目は、一番最初にあった時、あの病室で。
 二度目は、今。
 なんだかおれは、茅を泣かせてばかりいる……と、荒野は思った。
 もっと笑わせなければな、と。
「……茅、どうしたら、笑ってくれる……」
「キスして。それから、ベッドに連れってって」
 そうした。

 今まで同居してきて、そうなる機会はいくらでもあった。が、荒野は、今まで茅を女として扱ったことはなかった。一緒に風呂に入ったり、裸で抱き合ったりしたことはあっても……キス一つ、していない。
『……結局、保護者意識が、いつまでも抜けていなかったんだろうな……』
 あるいはそんな荒野の態度が、茅を傷つけていたのかも知れない、と、今にして、荒野は思う。
 すでに茅は、子供ではない。自分が、子供ではないように。

 一番最初、茅を見たとき、その目の中になんの表情も見いだせないことに、戸惑った。でも、茅は、荒野の存在を認めると、すぐにぼろぼろと泣き出した。
 ……あ。人形が、人間になった……。
 と、その時の荒野は、思った。

 それから何ヶ月かたって、この町で再会した茅は、前の人形に戻っていた。
 でもすぐに、茅は自分から動き出し、様々ことやものや人と触れ、どんどん表情豊かになっていった。長いようにみえて、茅と荒野がこの部屋に住み始めて、まだ二ヶ月と少しにしか、ならない。
 これは、お人形さんが女の子になるの期間として、長いのか、短いのか?

 ……まあ、かなり、風変わりな女の子、ではあるけど……。

 口唇を重ねると、茅の頬に朱が差した。
 茅は、荒野の首に腕を廻し、貪欲に、荒野の舌を求める。茅の舌が、荒野の口唇をこじ開け、硬くなった茅の舌が、荒野の口の中を蹂躙する……。
「……そんな真似、どこで覚えた……」
「……マンガ……」
 羽生譲の、だろう。ヘンな知識の宝庫だ。
「……実験台にされてるかな?」
「……馬鹿……。
 荒野じゃなけりゃ、こんなこと……しないの」
 拗ねたようにそういって、荒野の首にぶら下がるようにしてしがみつき、茅はさらに、荒野の口を貪る。
「……前は、どうしてこんなことするのか……わらなかったけど……」
 茅は、両手と両足を使って、荒野の胴体にしがみついている。
「……やってみると、いいの……荒野の唾……甘い。もっと、欲しい。
 荒野。ベッドまで、このまま……」
「……もう、とまんないよ、おれ……」
「……止めないで……早く」
 荒野は茅をぶら下げたまま、ベッドへと向かった。

『……茅は、もう、女の子……でもない』
 と、荒野は思った。
『……女、だ』

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